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【軽貨物】5話。余裕で出来ると思ったら、超無能だった話。

小さなトラブルはあったものの、なんとか自分の担当する地域が決まった。

期待と不安と筋肉痛で心躍ってますよ。

しかし、約2週間先輩の後ろで見てた時とは違う訳です。それはもう全く違う訳です。


今はもう3年目ですし、慣れた所を回ってますから、伝票を見て、どのタイミングで持って行くかある程度決まっているので、車のここに積んでとかできますよ。この荷物はここに積んでそのついでにここも配達しちゃおう。
みたいな感じです。

当時の話です。

約2週間、先輩の後ろをついて回っただけのただの素人です。
素人に毛が生えたとかではなく、ツルッツルのど素人な訳ですよ。

とりあえず、荷物の数を少なめにしてもらって、慣れたら徐々に増やしていく事になった。


とは言え、家から近い某大手運送会社なわけです。言わば、地元ですよ。
生まれ育った愛すべき地元ですよ。
僕は地元に根を張ってます。

前の記事にも書きましたが、あえて名前は伏せますね。ありのまま書きますので。

土地勘もあるし、道も知っている。
何度も通っている道。大丈夫。

ところがどっこいでした。
道を知っているからといっても、そこが慣れ親しんだ地元だからといっても、ピンポイントで伝票にある住所に荷物を持っていくのは全く違うものでした。友達の家の住所をいちいち覚えないのと一緒です。

地図を渡されて、ご丁寧に車を止める場所を赤ペンで何個も印をつけてくれていました。

その時に知りました。
僕は地図が読めない。因みに今も読めない。

Googleマップに頼り切った甘えん坊です。
末っ子の甘えん坊です。
頭ではなく、身体で覚えるタイプです。
運送の仕事をするには致命的です。
でも、安心してください。
読めなくてもなんとかなります。
慣れると頭の中に自分専用に地図ができます。

最初は、荷物の積み方、地図の見方、それで配達の順番。こんな感じ。苦戦しました。

少しずつ慣れてきて、持たせてもらえる荷物の数も徐々に増えきてた。ほんの少し余裕も出てきました。
捌ける荷物の数を増やして、慣れたらまた増やして、これの繰り返し。反復でした。 

そんなある日、課長に呼ばれました。

『高橋さん。コースの移動です。』

『覚えてきたところなんですけど?』

『すいません。急遽欠員が出てしまって』

『わかりました。』

せっかく覚えてきていたコースを変えられました。

因みに、ここからコースの移動3回やられます。最低です。
その都度、理由は違いましたが、とにかくたらい回しでした。


しかし、未経験の僕はその時、それが当たり前だと思っていました。
でもそんな事、基本的にはあり得ません。
この某大手運送会社が特殊なのです。
正直異常ですね。

最終的には、完全に自分のコースが決まって移動をさせられる事はなくなりました。

が、しかしここからが地獄でした。
本当にキツかった。あれをもう一回やれと言われたら出来ないかもしれません。

つづく








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