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3年間お世話になったmanabyを卒業します(後編)

2022年6月末をもって、3年間お世話になったmanabyを卒業することになりました。この3年間は、いままでの社会人生活のなかでも刺激的でチャレンジングな時間でした。いま振り返っても「障害者の就労支援という仕事」、また「manabyという会社」はとても素晴らしく面白いものです。

今回この3年間を言語化し共有してみました。これをとおして業界やmanabyの素晴らしさ・面白さを感じてもらえると嬉しいです。

後編の今回は、採用と新卒文化、事業部長時代、内部監査やマーケティングの話をとおして、3年間を振り返っていきたいと思います。

注1)本内容は個人の見解になります
注2)前編はこちらをご覧ください

株式会社manaby(マナビー)
2016年6月設立。「一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」をミッションに、障害者総合支援法に基づく就労移行支援事業「manaby」を、全国に30事業所を展開。2022年4月にはTOKYO PRO MARKETに上場。本社を仙台に構える、地方発のソーシャルベンチャー。

入社1年目(人事編)

採用業務と人材ポリシー

2019年5月に入社した当時は、直営事業所を積極的に拡大していく場面だったので、現場支援員に加えて採用業務も兼任していました。

採用要件は「期待する資質」と「採用市場感」と「条件面」の3つをすり合わせていく作業であり、事業ステージによって常に変化をしていくものだと考えています。
採用をしていた8か月間を振り返ると、当時の事業ステージにおける採用要件を定義し、それを採用計画、採用フロー、チャネル、予算とブレークダウンした構想がうまくいかず修正する、を繰り返し、苦労と反省が多い時期でした。(本音はもう1周したいところです)

ちなみに、私はmanabyの人材ポリシーである強さとやさしさと賢さを備えた人材」が好きで、この観点を意識しながら採用をやっていました。
2019年度は多くのメンバーがmanabyにジョインいただき、その後いろいろなところで活躍してくれている姿をみると、感慨深いものがあります。

大切にしている”新卒文化”

もう一つ採用関連でユニークな点は、新卒文化が強く、創業初期から新卒採用を行っていたことです。

2016年6月に創業をし、2018年4月に新卒1期生が入社をしています。
これはベンチャー企業では珍しい戦略ではないでしょうか。
この背景には「新卒が文化をつくる」という創業社長の考えがあり、また「一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくるというミッションの時間軸が長いことを考えると、ある種合理的な人事戦略なのかなと思います。

新卒採用は毎年続けており、今年4月には新卒5期生が2名入社しました!

※ちょうど7/25に顧問の若新さんをお招きして、大学生向けトークインベントを行います。manabyが大切にしている「自分らしい働き方」を考えるきっかけにしてみてください^^

入社2年目

事業部長最初の仕事

入社から9か月たった2020年2月に、初代事業部長からバトンを受け取る形で、事業部長を拝命しました。
しかし就任後想定していた施策を打つことなく、コロナ対応に追われる日々となりました…

当時はコロナによる重症化事例が多く出て、これがどこまで広がるか不透明な状況でした。
このような不安は、特にクルーさんの症状によっては特に不安が増して体調を崩してしまうきっかけになります。
また通所できないことにより学びの機会が止まってしまうと、ご本人が目標とする就労が遠のいてしまう問題もあります。

クルーとスタッフの安全を守りながら、学びを止めることなく事業運営をするために全集中していた記憶が、強く残っています。

サービスマネジメントの鉄則

コロナの対応がうまく回り始めたころに、いよいよ本来やりたかった方針に着手をします。
それはサービスマネジメントの鉄則を強化することです。

入社時から強くこだわっていたことの一つが「就労移行支援は、兎にも角にもヒトのビジネスであり、スタッフとオペレーションが不安定だと悪循環になり、安定していると好循環になる、という考えです。

当時はまだ人員体制が不安定で、オペレーションも属人的で伸びしろがある状態だったので、ここに注力していきました。
※やって分かったことは、これは数年かかる時間軸のかかる取り組みでした‥

もしいま事業の勝ち筋が見えてきたフェーズの会社さんがあれば、サイズが小さいうちにまずはスタッフとオペレーションを確立し、スケールフェーズに臨むことをお勧めします。

スタッフ・オペレーション強化の文脈で、フラットな組織を売りにしていた組織の階層化を強めたのもこの時期です。
就労移行支援事業でスタッフとオペレーションを強固にしていくための適切な階層が必要です。
特にストレスのかかる事業特性をふまえると、他のビジネスよりも一人あたりマネジメント範囲は狭くするべきと考えます。
一方で、なにか問題を感じていることや気になっていることは、自分の立場に臆することなくフラットに意見ができることは大切かなと思います。

フラットにするのは階層ではなく、意見や情報である」という思想を持つようになり、manabyの強みであるダイアローグ・ダイバーシティを活かすことでそれを実現していこう、という考えになっていきました。

入社3年目

事業部長になって1年後の2021年2月に、東北エリアマネージャーとして事業をけん引してくれた初期メンバーに事業部長を託し、私は事業部運営から離れました。
そのタイミングで事業部門管掌取締役を拝命し、年間予算、中長期事業計画、ステークホルダーコミュニケーションに従事することになります。
一方で、この時期に私が直接執行をしていた領域に、内部監査とマーケティングがあるので、この点についても触れていきたいと思います。

実は重要な内部監査

障害者の就労移行支援事業は、障害者総合支援法にもとづく制度事業になり、国が定めた基準に則って事業運営する必要があります。
これは広さや採光などの物件基準、資格や人数などの人員基準、サービスを適切に提供していることの証明書類、など多くの基準があります。
悪意ある違反は論外ですが、制度の細かい解釈・理解が不足していることで不適切な運用になってしまう、ということもあります。
manabyは事業所数が23まで増えてきているので、内部監査機能をよりシステマチックにしたタイミングでもありました。

具体的には、社内点検委員会を組成し、自己点検、事業所内ダブルチェック、第3者実地点検、研修、定期的なレポートなど、複層的かつ連続的にチェック機能を持つことで担保をさせています。
公費が入っている事業でもあるので、クルーさんや行政、地域福祉をともにつくる関係機関の皆さまに対して、安心して連携いただくにふさわしい体制維持を強化してきました。
委員会からスタートした取り組みも、TOKYO PRO MARKET上場に際し、内部監査室として専属部署を設けたことは、この事業に携わるものとして胸を張れる取り組みです。

これからのマーケティングへの期待

在職中、最後まで実業務を持っていたのはマーケティング領域でした。

マーケティングの本質はContent is Kingなので、質の高い自分らしく働くを実現する就労支援サービス、の作り込みが大前提になります。
それができたうえで、それを「生きづらさを抱える多くの方にとって、選択肢になってもらうような営みを、manabyのマーケティングと定義していました。

この業界のマーケティングの難しさは、障害者という切り口でターゲティング広告ができないこと、障碍者手帳を持っているのは人口の約7.4%といわれているためマス広告とも相性が悪いこと、などがあります。
業界自体に関わるマーケティングのプロが少なく、まだまだマーケティングをハックできていない状況なので、toCマーケティングでキャリアを積んできた方にはぜひチャレンジしていただきたいです。

ちなみにmanabyのユニークなところは独自のマスコットキャラクターをつくり、コミュニケーションツールとして使っていたことです。
私の知る限り、障害者福祉の業界でキャラクターマーケティングの手法を使っていたのは当社が初めてかな、と思います。

マナビーくん

障害者福祉にはどうしても暗い・怖い、という印象をもたれてしまいますが、マナビーくんをつかうことによって、福祉を明るくしたい、という思いもあります。

またマーケティング未経験者の新卒がマーケティング業務を担当し始めたこともあり、最後の方では定期的な勉強会も開催したりしていました。

勉強会の全体像
新卒マーケター向け勉強会の内容

参考:勉強会のカリキュラムはこちらのnoteを参考にしています

さいごに

長くなりましたが、卒業エントリは以上になります。
深い話はあまりできませんでしたが、今回のnoteが業界未経験者・manabyを知らない方にとって、少しでも興味ある内容になっていれば嬉しいです。

私自身は3年間多くのチャレンジをしてきましたが、同時に自分の力不足を感じた3年間でもありました。
これからはスタートアップの世界で自分を成長させていき、そこでの知識・知恵・経験と障害者の就労支援と結合していくことで、さらなる業界発展への貢献ができれば本望です。

最後に、manabyでは新しい仲間を募集しております。少しでも興味を持った方はカジュアルにご連絡してみてください!

引き続きmeetyを継続しているので、興味がありましたらカジュアルにお話ししましょう!

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