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3年間お世話になったmanabyを卒業します(前編)

はじめに

2022年6月末をもって、3年間お世話になったmanabyを卒業することになりました。

この3年間は、いままでの社会人生活のなかでも刺激的でチャレンジングな時間でした。
いま振り返っても「障害者の就労支援という仕事、またmanabyという会社はとても素晴らしく面白いものです。
今回この3年間を言語化し共有することで、その素晴らしさ・面白さを感じてもらえると嬉しいです。

注1)長いので前編・後編に分けています
注2)本内容は個人の見解になります

株式会社manaby(マナビー)
2016年6月設立。「一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」をミッションに、障害者総合支援法に基づく就労移行支援事業「manaby」を、全国に30事業所を展開。2022年4月にはTOKYO PRO MARKETに上場。本社を仙台に構える、地方発のソーシャルベンチャー。

入社前

9年前に出会った一つの社会問題

manabyに入社する間接的なきっかけは、9年前にこのデータと出会ったことから始まります。

経済的に豊かなはずの日本において、15~39歳の死因1位が自殺であることを知り衝撃を受けました。
本来「誰もが幸せに生きたいと願っているにも関わらず自ら命を絶ってしまうことが多いという矛盾に、何か違和感のようなものを覚えないでしょうか?

この事実を知ってから自殺を防げないものかと考え、自殺のメカニズムを解明したく、自殺対策の中間支援をしているNPOに社会人ボランティアとして、2013年に参画しました。
そこで分かったことは「自殺に至るまでには平均4つの危険因子(生きづらさ)があり、自殺は追い込まれた末での死である」という事実です。
この複雑で多様な要因に対して、わたし個人では太刀打ちできない難しい問題にみえました。
自分ではどうしようもない気持ちにかられ、もやもやした時間を過ごしていたのを覚えています。

しかし、その5年後に障害者の就労移行支援事業を行っているmanabyという会社を知ることになります。

manabyとの出会い

自殺のない社会は「誰にとっても生き心地の良い社会」であり、それは「人がぼんやりとでも幸せを感じられる状態」だろうな、と思っています。
そして人が幸せに生きるためには「自分に正直であること(※1)」「社会との良好な接点があること(※2)」の2つの条件が必要だと、自分なりの整理をしていました。

(※1)「自分に正直であること」にたどり着いたのは、マハトマ・ガンディーの以下の言葉と出会ったのが大きなきっかけです

幸福とは、あなたが考えていることと、あなたが言うことと、あなたがすることとの調和がとれている状態のことだ

マハトマ・ガンディーの名言

(※2)「社会との良好な接点」は社会的包摂・社会的排除の概念そのものと考えています

そのときに出会ったmanabyの掲げるミッションは「一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」。
「自分らしく」とは「自分に正直であること」に近く、「働く」とは「社会との良好な接点」を築ける良いツールであると解釈できます。
つまり「一人ひとりが”自分らしく”働ける”社会をつくる誰にとっても生き心地の良い社会にダイレクトにつながっていると感じました。

さらに障害者の就労移行支援事業を調べてみると、いままでの本業でのビジネス経験と、副業で生活支援をしてきた経験の両方を活かすことができそうだと気づきます。

自殺に至るまでの複雑で多様な要因を前にもやもやしていた自分にとって、障害者の就労移行支援、とりわけ株式会社manabyはレバレッジポイント(社会課題解決に向けて貢献できるポイント)だと捉えるようになりました。


入社1年目(現場支援編)

「現場支援」という仕事

manabyには2019年5月に入社しました。(令和スタート初日です)
入社後は支援員、人事を経験し、入社9か月後には事業部長という形で20事業所・60名のマネジメントを担うことになります。
そのなかで、今回の前編では現場支援を取り上げたいと思います。

現場支援を振り返って思うことは「現場支援は専門性があり、とにかく難しい。うまくいかないことがあるし、心が折れそうになるし大変」でも「一人の人生が変わる瞬間に立ちあえるかけがえのない仕事である」ということです。(注:主観です)


障害者の就労支援は社会的意義が強く、そこに惹かれて興味を持たれる方も実際には多いです。

しかし想像していた以上にうまくいかず、勝手な肌感覚ですが、「大変だったこと」と「嬉しかったこと」は10:1くらいではないでしょうか。
(注:完全な主観なので、支援員に興味がある方は、他の方のお話を聞くことをお勧めします)

しかしこれは一種の真理のようなもので、大変なことが多いだけに、その後にくる嬉しさ・感動・達成感のような気持ちが大きくなるようにも思います。

支援は大変なことが多いが、かけがえのない仕事でもある

働く意義を教えてくれた存在

私が初めて事業所で接した「就職をして卒業したクルーさん(※3)」は、20代の若い方でした。
(※3)manabyでは利用者を「一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる仲間」ととらえ、親しみを込めて「クルー」と呼んでいます

当時の管理者にとっては親子のほど年が離れており、自分の子どもをみているような気持ちもあった、そのような言葉を聞きました。
そのクルーさんは、入所後はなかなかうまくいかないことが多かったようで、支援側も試行錯誤をしながら、就職に向けた自立をサポートを日々重ねてきました。
長い通所を経て無事初めての就職が決まったときに、本人は喜んでいました。しかし、それ以上に管理者の方が目に涙を浮かべるくらい、本当に喜んでいた姿がいまでも記憶に残っています。

この出来事は「この仕事の難しさと意義深さ」を物語っており、入社1ヵ月でそのような姿に立ち会えたことは、私にとっては幸運でした。

このエピソードで大切なことは、苦労の先に「クルーさんの変化」があり、その裏では「支援員の向き合い続けた努力」がある点です。
この現場のリアルは、後に現場を離れ管理職・経営側に回った際に、どんなに大変でも熱意をもって仕事に取り組む意義を、私に教えてくれました。

就労移行支援事業には現場以外の職務も多くありますが、ぜひ現場以外の職責を担う方にも、現場のリアルを何らかの形で体感してほしいと思います。

参考)manabyには自分らしく働いているクルーさんが多くいらっしゃいます。そのクルーさんの軌跡を”ストーリー”としてまとめているので、よろしければご覧ください

チーム支援を機能させるために

とはいっても日々が大変なことだらけで、まれにく訪れるやりがいのために働けるかというと、実際には厳しいものがあるのではないでしょうか。
そのようなときこそ、チーム支援が必要になります。

チーム支援は「見立て・支援方針を決めるうえで重要」という文脈もありますが、心理的負荷や業務負荷など現場支援員にはいろいろなストレスがかかるため、「チームでお互いを支えていく」という点でも重要になります。

そしてこれを正しく機能させるためには、意識的な仕掛けが必要になります。
その一つの解として、manabyでは大切にすべき組織文化を3Culture +1という形で明文化しています。
このなかの特に「ダイアローグ」「ダイバーシティ&インテグレーションという考えを大切にしており、これを色濃くすることがチーム支援をより強固にすると考えています。

manabyが大切にしている”3Culture +1”

さいごに

長くなりましたが、前編は以上になります。
いままで”入社に踏み切った思い”を話す機会があまりなかったため、前編は入社前の話も含めて書かせていただきました。

後編では、manabyの競争優位の源泉である組織文化をはじめ、採用、監査、マーケティングなどに関わり学んだ・感じたことをとおして、業界・manabyの魅力などに触れていきたいと思います。
深い話はできかねますが、業界未経験者・manabyを知らない方向けに、少しでも興味ある内容になれば幸いです。

最後に、manabyでは新しい仲間を募集しております。少しでも興味を持った方はカジュアルにご連絡してみてください!

また引き続きmeetyを継続しているので、興味がありましたらカジュアルにお話ししましょう!

参考)後編はこちらをご覧ください!

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