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メンバーの違いを認め、多様性を活かすためのマネジメントスキルとは?

こんにちは。株式会社manaby(マナビー)の高橋です。現在は取締役として、事業部門全体を管掌しています。
今回は「マネジメント」をテーマに1年を振り返る「マネジメントアドベントカレンダー2021」の機会をいただいたので、noteにまとめてみました。
長文をきれいに整理して書くことが苦手で読みにくいかと思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

はじめに

今回はマネージャーとしてこの1年で最も考えて取り組んたテーマである「ダイアローグ(対話)」について発信したいと思います。

ダイアローグとは「個の違いに着目し、新たな気づきや発見につながる拡散的なコミュニケーション」とされています。
いろいろな方が日常的に対話をしていますが、その場合「人の立場にたち、人の意見にしっかり耳を傾ける」といった認識かと思います。しかし今回触れるダイアローグはもう一段掘り下げた「意識的に実践するコミュニケーション手法」であり、多様性を活かしより創造性豊かなビジネスをしていくためのキーになりえます。

基本的な考え方は下記書籍にまとまっています。今回はダイアローグを組織的に導入した際の振り返り、気づきなどをまとめていきます。

私自身、ダイアローグに関わって最初の半年間はピンとこずに、ビジネスに良い影響を与えるか半信半疑でした。しかしいまとなっては、メンバーを率いる立場にある多くのマネージャーに概念を理解し、実践してほしい手法だと、考えを改めています。

今回の内容が、皆さんにとって少しでもヒントになれば幸いですし、私も皆さんの知見を聞きながらアップデートしていきたく思います。

多様性とmanabyは切っても切れない関係

さて、私が本業で所属しているmanabyは「多様性」と「ダイアローグ」との関係が深いので、会社のことを簡単に触れていきます。

manabyは「一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる」をミッションに、働くことに障害がある方向けの就労支援事業を行っています。

どんな人にも、得意なことと苦手なことがあると思いますが、まわりに合わせて自分を変えるのは難しいけれど環境を変えることで、力を発揮できる人もいます。
自分に合った環境を知り、選び、整える。自分らしさを学び、大切に育てる。
うまく生きようと思わなくていいので、だれもが自分らしくいられる、そんな未来にしていきたいという、という創業の想いがあります。
まさに「多様性を生かせる社会をつくっていく」こと自体が会社のミッションになります。

組織自体を多様性のあるものに

一方で私たちはサービス提供の観点だけではなく、自分たちの組織にも多様性を適用していきたく、多様性ある会社にするための大切な要素を3つ定義してCultureとして言語化しています。

言語化したカルチャー

多様性を活かす組織文化の弊社としては、「個の違いを認め、多様性を活かすチームづくり」がマネージャーの役割であり、そのための手法としてダイアローグを組織的に導入することになりました。ここからは私が実践した気づきを含めて、ダイアローグの基本的な考え方やポイントなどを紹介していきます。

ダイアローグの基本的な考え方:結論がでなくてもいい

ダイアローグは、新たな気づきや発見をすることが目的の拡散的なコミュニケーションです。
根本的にディスカッション(議論)とは違い、コミュニケーションの過程が命であり、結論は必要ありません。いままでの枠組みに囚われない新たな気づきを得るためには、収束の必要はなく、どんどん拡散していく過程で、参加した人それぞれが新たな気づきを得てもらう営みとなります。

この点が「時間までに結論を出す」癖がついているビジネスパーソンほど、気持ちの悪いもやもやとした時間となってしまいますが、その常識観から一度離れてみることが肝要です。
したがって結論めいたものがなくても、時間で区切りをつけてしまってOK、とします。

ダイアローグのポイント:3つの許容性

ダイアローグを有効なものにするために意識しておきたいポイントとして、不確実なあらゆることを許容する姿勢のことをさす「許容性」があります。許容すべき対象は、大きく3つに分類されるかなと個人的に考えています。

1)”話題の拡散”を許容する
人は対話をしていくと自然発生的に話題がそれていき、それが当初のテーマと大幅にずれたとしても、元に戻そうとせずに自然な流れに便乗していってみてください。
そうすると元のテーマから離れていくこと自体が、従来の枠組みや思考の傾向から、外れた部分を考えるきっかけになります。
よくあるケース「それはいままで考えたことがなかった」という問いに触れ、初めて言語化する機会を持つきっかけになります。

2)”他人の意見”を許容する
人の考えに対して、否定を絶対にせずにその意見を認めるようにしてください。
十人十色という言葉にある通り、人それぞれ「事実」に対する「解釈(意味づけ)」が違い、独自の解釈(意味づけ)を生み出す「背景(経験・知識)」が人それぞれ異なってくる、ことに着目してください。
その「解釈」と「背景」の違いを着目することで、一人では気づかなかった視点を得られることができます。

3)”発言の曖昧さ”を許容する
要はぶれた発言さえも許容する、ということです。
「多声性」という概念がありますが、同じ一人が複数の意見や考えを持つことがあります。時には矛盾するような意見を持つこともしばしばあります。
よく世間では「一貫性を持っていないといけない」だったり、ビジネスの場面では「ポジションをとるように(自分の意見を持つ)」という感覚がありますが、ダイアローグの場では一貫性のない発言や曖昧な意見があっても許容されます。
発言がまとまってなくても大丈夫です。ここでは発言をする・しないも自由であり、発言をしないことさえ許容されます。
このように発言に関して自由であることが心理的な安心を生むと同時に、発言のするしない、関心を寄せた話題が見事に人それぞれで変わってくるので、他者理解のヒントにつながります。

ダイアローグの様子

ダイアローグのデメリット

ダイアローグをやっていると感じるデメリットに対しても触れてい行きたいと思います。

1)ストレスがかかるもの
人は同質なものほど居心地がいいとされます。異質なものはストレスを感じて排除したくなるのは、もはや生理現象でそこを変えるのは難しいのではないでしょうか?
それに対してmanabyは一つ良い解を出していて「違いを楽しもう」を合言葉にダイアローグを普及させています。「異質なもの」という事実に対する認知を変えることを当たり前の感覚にしています。

2)時間がかかるもの
ダイアローグモードにしたときは時間をしっかり確保することが大切です。このダイアローグのデメリットが、スピード勝負のベンチャーでのダイアローグの普及を難しくする要因の一つです。
ここについては、マネージャーの意思でやる、としか言いようがないレベルかもしれません。ダイアローグの営みにおいて時間を短縮させるとほぼ効果がでなくなるほど、時間を味方につけることは必須です。いまのところダイアローグに生産性の概念を適用するのは難しいと感じています。

3)効用を実感しにくいもの
肌感覚では、ダイアローグへの感度が高い人ほど実感しやすいですが、ビジネスライクな環境が長い人ほど効果を実感にしくいように感じます。
前後比較をアウトプットしてもらう、好事例を紹介するなどの工夫をしていますが、Time to Value(価値を感じるまでの時間)の設計は必要で、この辺を個人的にもっと深めていきたいです。

manabyではダイアローグの専門家を顧問に招き、会社を上げて「自分らしさ」を探求しています

ダイアローグを実践するための第一歩

ダイアローグとは「日常における取組み姿勢」のことなので、「ダイアローグしましょう」といってするものではないですが、慣れないうちは「ダイアローグをする」「ダイアローグモードで聞く」など宣言した方がやりやいです。まずは3つの許容性を担保することを、宣言してもいいかと思います

「心理的安全性をつくれない」と悩むマネージャーの声を聞きますが、まずは30分から1時間のダイアローグタイムを実践してみてください。私自身がそこで活路を見出したことがあるので、おすすめします。
また「信頼関係が築けないと本音が出ないのでは」という意見も聞きますが、ダイアローグをとおして信頼関係を築ける性質にもなっているので、臆せずにやってみるのがいいと思います。

ダイアローグを使い多様性あるチームをつくるためには、マネージャーの意識が大切になります。ぜひ一段変わったチームづくりをしたい方は「許容性」を意識してダイアローグをしてみて、メンバーの違いを認め、チームのなかの多様性を紡いでみてください。性別、国籍、宗教などの分かりやすい多様性とは異なる、「個の違い」「多様性」に気づけるはずです。

さいごに

以上、ここまで長々と書いてしまいましたが、ダイアローグの手法が「個の違いを認め、多様性を活かすためのマネジメントスキル」の一つとして何らかの参考になればと思います。

最後に、私がベンチャーマネジャーとして大きく成長するきっかけをくれたプログラムEmoが、現在3期メンバーを募集していますので、興味ある方はのぞいてみてください(とてもおススメできます!)

また、manabyでも新しい仲間を募集しております。少しでも興味を持った方はカジュアルにお話しましょう!

よかったら感想をTwitter DMなどでいただけますと嬉しいです^^
@takahashism_r

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