「Inversion」までの道のり
こんにちは。陶芸家の高橋燎です。
今回は来月に大阪のfutouさんで開催する個展「Inversion」についてお話します。
futouさんでの個展はこれで3回目です。
そもそもfutouさんとは3年前にTwitterで知り合ったのがきっかけで、その後イベントで声をかけてもらい、器を取り扱ってもらうことになりました。
当時、futouさんは2019年にお店をオープンしたばかりで、めちゃくちゃ入りにくい雑居ビルの一室で営業されていました。
お店に初めて行ったときはめちゃくちゃ入りにくい雰囲気なのに、入ってみると意外と居心地がよかったことを覚えています。
店主がセレクトした器はどれも癖が強いけれども柔らかさも持ち合わせていて、行けば必ず何か面白いものがある、そんなお店です。現在は近くに移転してかなり入りやすくなりました。今年で3周年を迎えられました。行ってみてね。
取り扱いが始まった当初は薪窯ではなく電気窯で焼成した器を置いてもらっていました。薪窯で焼き始めたのは、その半年後のことです。
その頃からトルコブルー釉を使っていたのですが、ある日急にそれを薪窯で焼いてみたくなったのが事の始まりです。
「おもろいのが焼けたな」と喜ぶのもつかの間、今度は「これを欲しいと思う人はいるんやろうか」と悩み始めてしまいました。
薪窯をやりたい気持ちと、これで食べていけるのかという不安で、いつもの制作にも身が入らないまま半年が経ち…
このまま薪窯をやるのを諦めるくらいならfutouさんに見てもらってからにしようと思い、思い切って連絡したところ「いいですね」と言ってもらって、その年に個展をさせてもらうこととなりました。
そして2021年12月、futouオープンから初の個展となった「mutation-突然変異-」を開催。
「mutation」というタイトルはトルコブルーが突然変異したイメージから名付けていただいたものです。
おかげさまでその翌年も開催できることになり、2022年12月の個展は
移転してより広い店内になったfutouさんで「deepening-深化-」を開催させていただきました。
そして3年目の今年は色の反転を意味する「Inversion」をタイトルにしています。
トルコブルーの釉薬は焼き方によって青だけでなく赤にも発色します。
僕は釉薬を掛けて色を変えるのではなく、焼きによって色を変えることが面白くて、窯の中の雰囲気がそのまま表れるトルコブルー釉を使っています。ここまではガス窯でもできることです。
しかし、一つの器に青から赤までの広いグラデーションを出すには、薪窯で焼く必要があります。
薪窯で焼いているのは、幅広い色を器に出したいからです。今年は窯の中で青と赤が反転(Inversion)するように焼くことをテーマに制作してきました。焼きの面白さが伝われば何よりです。
高橋燎 陶展 「inversion」
2023年12月23日(土)-12月31日(日)
13:00 - 19:00(最終日17:00まで)
会期中は全日営業しています
futou / うつわ 図書 雑貨 Instagram
542-0021 大阪府大阪市 阿倍野区 阪南町4丁目11-5 Gemut阪南1F map
地下鉄御堂筋線 西田辺駅 徒歩10分
車でお越しの方は近隣のコインパーキングをご利用ください
どうぞお楽しみに!
高橋燎
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