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「商品説明」でなく「質問」で響かせる

初回訪問の際、関係のできていないお客様に「商品説明で響かせる」というのは難易度が高く、難しいものです。
それよりも、効果的な質問で「この営業はレベルが高いな」と感じていただく方が実は簡単だと言えます。

「どう説明をしようか」と考えて準備する営業が多い中、「効果的な質問」を考えて準備する営業は少ないため、差をつけやすいのです。

それでは、どうすれば初回訪問で効果的な質問ができるのでしょうか。
今回は、初回訪問においての効果的な質問についてお話しします。


初回訪問でするべき質問

多くの営業は、最初のヒアリングで「ニーズ、課題、お悩み」そして「最低限、提案をするのに必要な情報」を聞こうとします。
そしてそこまで聞いたら、「では次回、提案をお持ちしますね」と終わってしまいがちです。
しかしこれではお客様の心にまったく刺さりません。

初回訪問では、ニーズや基本情報のヒアリングで終わらせず、必ず次のような質問をするべきです。

「貴社のそのお悩みに対して、これまではどんな手を打ってきたのか」
「そして、それはなぜ、100点満点の効果が得られなかったのか」

完全に満足していたら、お客様も忙しい中で新規の初回訪問は受けないはずですので、「改めて、こうやってお忙しい中、本日お時間を割いていただいた理由を伺ってもよろしいですか?」と質問してみましょう。

お客様はチャンスボールをくださるはずです。
なぜなら、他の選択肢(=競合)では満たされなかったお悩みを、わずか数分で鮮やかに聞き出してくれたからです。

よく若手の営業は、これらのプロセスを飛ばして、いきなり「本日はお忙しいところありがとうございます。弊社にどんなことを期待されていますか?」と聞いてしまいます。 
これではお客様は「えっ…(絶句)」となり、提案機会も消えてしまいます。

そして実は、ほとんどの営業マネジャーは、この事実に気づいていません。


なぜ、多くの若手が効果的な質問ができないのか?

ほとんどの営業マネジャーが、新人営業には「商品説明やプレゼン」ばかり一生懸命練習させます。
その結果、「最初の数分でしくじってしまう新人営業の行動」に気づかなくなってしまうのです。
本当に練習させるべきは、「質問の間合い」「どういう言い回しで聞くか」「どこまで踏み込んで聞くか」です。

実際、新規で初回訪問を受けるお客様は、初めて会った会社の新人営業の説明をいちいち丁寧に聞いてはくれません。
そして長々と説明すればその分だけ、粗が見えてしまいます。
営業マネジャーはその粗を見て、「この新人は、まだまだ商品説明のトークが甘い!」「帰ってロープレだ!」と、さらに商品説明の練習をさせてしまいます。

私がこれらの現象を「問題だ」と思うのは、営業マネジャーが大事なことに気づかないと、「一方的に商品説明をしてお客様から嫌われる営業」を生み出してしまい、その結果、本人も「営業はつらい。つまらない」と思ってしまうためです。 
お客様から頼りにされる経験をすれば、営業の楽しさがわかるのに…という強い思いがあります。

センスやキャラ以外で十分勝負できる

営業を受ける側の経営者は、初回訪問でおぼつかない一方的な説明を新人営業マンからされた時、本人が傷つかないように、笑顔で(早めに)商談を切り上げる方も多いと思います。
しかし、もしそれが、人柄が良くて伸びそうな新人営業マンだった場合には、「もっとこうしてくれるとよかった」と、ぜひその場でフィードバックしていただければと思います。

私自身も、若い営業の方から新規の初回訪問(オンライン)で提案を受けた際、感じがよくて一生懸命がんばってくれたので、自分の評価基準を伝えた上で、「来週にもう一度連絡ください」と言ったことがあります。
いつも受ける初回訪問に比べてレベルが高いと、顧客側の反応も変わるのです。

営業は、センスやキャラじゃないところで十分に勝負できます。
なぜなら、「気づかないところでお客様とズレて、地雷を踏んでいる営業」が山ほどいるためです。

「ズレを起こさず、地雷を踏まない」だけでトップ10%に入れる、というのが現実なのです。

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