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日本型ウェルビーイングと道徳教育


昨日、モラロジー道徳教育財団道徳科学研究所主催のコロキアム「ウェルビーイングと道徳教育一日本型ウェルビーイングの構想と展望」が開催され、京都大学特任教授・京都光華女子大学副学長の谷本寛文氏、筑波大学非常勤講師・国民文化研究会理事の伊勢雅臣氏と議論した。

私はコーディネーターと基調報告(9月23日・24日note「日本型ウェルビーイング」の思想的枠組みの視点について考える⑴・⑵を参照)をさせていただいたが、同コロキアムの狙いについて、私は次のように問題提起した。





●私の問題提起


北陸大学で開催された日本道徳教育学会第103回大会の基調講演「日本の教育とウェルビーイング一国際的な視点から」で白井俊氏(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局参事官)は、ウェルビーイングに関する経緯について、

・2011年 
OECDが『幸福度白書』を刊行し、ミッションを再定義し、ウェルビーイングを測定する「より良い生活指標」一「経済的成長から包摂的成長へ」を打ち出した

・2019年
OECDがEducation2030プロジェクトにおいて「ラーニングコンパス」を策定し、ウェルビーイング(個人、社会、地球環境)を教育の究極的な目標として位置付けた

・2021年 
科学技術・イノベーション基本計画(第6期)「我が国が目指すべきSociety5,0の未来社会像を、「持続可能性と強靭性を備え、国民の安全と安心を確保するとともに、一人ひとりが多様な幸せ(ウェルビーイング)を実現できる社会」と表現し、その実現に向けた『「総合知による社会変革」と「知・人への投資」の好循環』という科学技術・イノベーション政策の方向性を示した。」

・2023年 
教育振興基本計画(第4期)「ウェルビーイングとは身体的・精神的・社会的に良い状態にあることをいい、短期間的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義など将来にわたる持続的な幸福を含むものである。また、個人のみならず、個人を取り巻く場や地域、社会が持続的に良い状態であることを含む包括的な概念である。・・・ウェルビーイングの実現とは、多様な個人それぞれが幸せや生きがいを感じるとともに、地域や社会が幸せや豊かさが感じられるものとなることであり、教育を通じて日本社会に根差したウェルビーイングの向上を図っていくことが求められる」と説明した。

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①歴史教育、②家庭教育、③道徳教育、④日本的Well-Being教育の観点から、研究の最新情報や、課…

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