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岸田ウォッチング ⑥|2022.9月 国家ビジョンなき岸田ビジョン

割引あり

本記事について、Podcastで語っています。
この記事の解説として、ぜひこちらを先にお読み・お聴きください。

岸田ウォッチング ⑥|2022.9月 国家ビジョンなき岸田ビジョン

岸田首相、9月の総裁選に不出馬を表明

以下、本記事です。

今回は、2022年9月にオンエアの音源です。岸田総理の3年間を、過去の音源で振り返るシリーズです。

前回までのお話。

2021年
10月|岸田ウォッチング ①|岸田総裁誕生
菅義偉総理辞任から岸田総裁総理誕生へ。派閥力学だけで決まった総裁選挙。そして、総選挙へと突入。
11月|岸田ウォッチング ②|負けなかった総選挙
岸田総理誕生から総選挙へ。負けなかった岸田自民党。維新とれいわが躍進。立憲・共産は苦戦。
2022年
4-6月|岸田ウォッチング ③|下がらぬ支持率、安全運転で何もせず。
4月何もしない岸田総理。下がらない支持率。
5月|参院選が目前に。安全運転で高支持率を維持。
6月|参院選に突入。与党は安泰。維新とれいわに勢い。振るわぬ野党。
7月|岸田ウォッチング ④ 公家の政謀|「国葬」の政治利用 -きしだが飛んだ日-
安倍晋三元総理銃撃事件が、参院選期間中に勃発。
政治的テロではなく、統一教会への恨みからの犯行と判明。
岸田総理は、「国葬」を閣議決定。
参院選は自民党が勝利。与党が参議院の議席の3分の2以上となった。
衆議院と合わせて、憲法改正の発議ができる体制が整った。
8月|岸田ウォッチング ⑤ 公家の政謀|2022.8月 派略の内閣「改造」
国葬に対する批判と反対の声が国民的な高まりをみせる。
統一教会問題を利用して、岸田総理は内閣改造に踏み切る。
岸田総理の意図と思惑に反して、内閣支持率は劇的に急落した。


今回のお話。

2022年9月30日オンエアの音源です。

本日は、国葬問題と臨時国会を取り上げています。国葬については、国葬の基本的な考え方や安倍元首相の国葬の意図について話しています。現在、安倍晋三氏の国葬が行われており、岸田首相の支持率は下がり続ける中、菅前総理の評判は上がっています。
岸田首相の思惑は外れ、菅氏がポスト安倍のキーポジションを取ることとなっています。臨時国会での議論は、国葬や旧統一協会問題に関する自民党の追及が中心となっています。安倍晋三の政治業績の光と闇を明確に評価し、国家ビジョンについての議論をしてほしいと考えています。
岸田首相が天下国家を語りきれていないのであれば、その点を批判すべきであり、国葬の是非についても議論すべきだと思います。日本の国家の今後について考える際に、明治以降の日本のエリート層や教養エリート層の減少についても考慮すべきです。
(AI summary)
目次
国葬問題と岸田首相の判断 00:02
国葬の根本的な問題 07:28
安倍氏の国葬と臨時国会 11:28
安倍晋三氏の国葬 15:52
岸田首相の思惑 24:20
菅氏のキーポジション 29:02
臨時国会での議論 39:11
安倍晋三の業績と国家ビジョン 40:59
野党の役割とリーダーシップ 43:10
議論の矮小化と国家ビジョン 48:59
天下国家を語る政治家の減少 55:21
エリート層と教養エリート層の変遷 58:16
政治家の視野の狭さと明るい未来への希望 1:02:52

LISTENで聴く・LISTENで読む
episode52|2022.09.30 OnAir|60's memories AREA37

LISTENでエピソードを購入すると、音声と合わせて文字起こし記事をすべて読むことができます。
以下、本記事はLISTEN文字起こしからの抜粋です。

ー01:10ー
そんなことで、今日も生放送でお送りしますが、本日はですね、やっぱり取り上げなきゃいけないだろうということで、国葬ですね。安倍元首相の国葬をめぐる問題ということで、ちょうどイギリスでエリザベス女王が亡くなって、そちらの国葬も行われたということで、結構対比しやすかったんじゃないかなと思います。

まあ、岸田総理は何を間違えたのか、という話を前半はしていきたいと思います。国葬というものをどういうふうに捉えてどういうふうに扱うべきなのかという結構、本質的な問題で、ここに結構、岸田さんの政治家としての資質というか、政治的な考え方というかね、そこの底の浅さがちょっと見えちゃったかなと私は思っているので、この話を前半したいんですが。

もう一つはその臨時国会がね、10月3日からようやく開催されること、開会することになって、12月まで頭までやるんですけど、この臨時国会ではこの国葬問題旧統一協会問題っていうのがね、結構テーマになるって言うんですが、それだけを議論してちゃいけないよ、なんていう話をですね、ちょっと前半の話と絡めながら後半は、少し臨時国会で何を議論すべきなのかということを、特に与党、自民党もそうですし野党もそうですしね、そんなあたりの話をしていきたいと思います。

ということで、前半国葬問題を中心に後半臨時国会をめぐっての今後の政局という話で、今日はまた政局ネタですけれども、それで進めてまいりたいと思います。

ー04:20ー
今日は27日に行われた安倍元総理の国葬儀に関連して、前半を話していきたいと思います。後半は10月3日からようやく開会される臨時国会をめぐって、与野党、今後政局どうなるかっていう話をしていきたいと思うんですが。

まず国葬についてはこれまでもこの番組で2、3度お話してきたんですが、かなり国葬を決めた段階で、私は岸田首相による国葬の政治利用だっていう発言をしたんですけれども、その後2ヶ月経って反対の動きが非常に広がって、反対の世論が強い中、行われた。

一方で、もっと静粛に真摯に個人を見送るべきだっていう意見もあったわけですけど、問題はやっぱり安倍さん云々っていう問題もあるんですが、それは置いといて、やっぱり国葬ですよね。

現代日本における国葬という問題をどう考えるか、っていうことについての基本的な考えがないまま、とにかく岸田さんは麻生さんに言われて、政治的にやったほうがいいと判断してやったということがやっぱりことの真相だと思うんですよね。本来、国葬はどうあるべきかとかいうことよりも、非常に目先の政治的な支持とかね、この機会に岸田さんは安倍さん人気も自分のもとに支持として集めたいとか、いろんな邪な気持ちがあったような気がするのね。

あとはやっぱりもう一つ、麻生さんがかなり強く言ったということもあるんですが、これで前にもお話した通り、ちょうどエリザベス女王がその後亡くなられて、国葬は先に終わられて、ご覧になった方もいるかと思いますが、あれがまさに国葬なんですね。国を挙げての故人に対する、国王に対する気持ちをあらわすと、弔意をあらわすという。国全体がやっぱり喪に服するというのが本来の国葬なんですよね。

これは日本とイギリス共通してるのは、どちらも君主国だということです。立憲君主国と言います。これも以前の放送でお話したんですが、アメリカ大統領はみんな国葬するんだって言ってね。日本の首相もいいじゃないかみたいな話もあるんですが、これはもう大きな間違いで、アメリカは共和国です。そもそも君主のいない国、というより大統領が君主の国なんですね。ですから君主がなくなった時、国葬するのは当たり前であって、これは日本では天皇にあたるわけです。

ー07:28ー
今回、エリザベス女王の国葬には天皇陛下自ら行かれたということで、岸田さんは(参列を)見送ったと言ってるんですが、そもそも招待されてないっていうね、そういう話なんです。つまりレベルがずれてるんですね、完全に。

国家元首を国として送るというのが国葬の基本的な考え方。あとはやっぱり国家に大きな貢献をした、ということが明治以降の国葬の考え方。

戦後は基本的に国葬は、国葬令が廃止されて、法的な根拠はなくなって、ただ吉田茂さんのときに一応それなりのルールを作って、一回だけ国葬を行ったということで、あれやっぱり例外だった。

今回はやっぱりいろんな議論をすっ飛ばして、やっぱり事件が衝撃的だったということもあってね、それから安倍さんの在任期間が非常に長かったということもあって、これは国葬だと。国葬をやった方がええでという話になっちゃったというのがいけないんですが。

問題はですね、いまの共和国と立憲君主国の違いっていうのはまず基本的な前提。それから日本においてはもう国葬っていうのは馴染まないんです。天皇以外については、国葬なんてやる必要ないんであって、それをやったということ。国葬自体の考え方、安倍さん云々じゃなくて、国葬そのものを今後の日本においてどう考えるかっていう、こういう根本的な問題は、一個まず押さえなきゃいけない。

二つ目の問題としてやっぱり、これは岸田さんが結局、最終判断したわけですけれども、そこに対する、国葬をどう行うべきかということに対する考えなしに、事件が突然起きたこともあって、もうとにかく国葬だというふうにぶち上げたんですが、やっぱりここに私は一番思うのは、岸田さんの意図・目的ですよね。

なぜ国葬にしたのか。安倍晋三さんが本当に国家に貢献したんだっていう、本当に深い思いから国葬を決めたんだったらいいんだけども。そうじゃない、やっぱり政治的な思惑で決めてしまったという、その浅はかさが、やっぱりトップがやってはいけない間違いの最たるものですよね。

いわゆる私心と書いて、私心と言いますが、私心に動かされてやった部分があるというふうに私は思っているわけです。これは絶対やってはいけない。政治家はやっちゃいけないし、トップはなおさらやっちゃいけないのが私心に動かされることです。

私心を捨てて、公的な仕事に、命もかけながら向かうというのが本来の政治家のあり方であってね。そうじゃない、やっぱり邪な心でやってしまったというのがやっぱりそもそもの間違いの始まり。絶対やってはいけない決断だというふうに私は2ヶ月前に思ったので、それを放送ではっきりと申し上げて、その後の展開は見ての通りになってしまったということなんです。

ここで先月は確か、岸田さんの悪口をそうとう喋ったんですが、今日もそうなりそうなので申し訳ないんですけれども、やっぱり、岸田さんという政治家の器というか力量というか資質というか能力というか考え方というか、やっぱり何もしないうちは支持率高かったんですけど、なんかし始めたらもう全部マイナスに出てくるというのは、これは誰のせいでもなくて岸田さん本人のせいです。

ー11:28ー
岸田さんが非常にやっぱり政治家としての資質に欠けていると私は思っていまして、その話も今日はしていきたいと思ってます。

この話は今に始まったことじゃなくて、何で私はそう思うかというと、やっぱりトップが行う決断っていうのはその決断の質が問われるんですね。クオリティが問われるんだけど、そのクオリティがもう全て低すぎるということは、僕でもわかるというね。私でもわかる。

まだ安倍さんの方がやっぱり決断というものに、まあ僕は全部同意するわけじゃないんだけども、決断というのを覚悟をもってやってたわけで、岸田さんの決断にはあんまり覚悟が伴わないという感じがして、これがもう支持率が下がる最たる原因かなというふうに思ってます。

そんな形で国葬は行われたんですが、この後、臨時国会が行われて、そこで野党が国葬と統一協会問題という話をメインでやるんでしょうが、もう終わっちゃったことをそこでぐちゃぐちゃやってもあんまり生産的じゃないと私は思ってるので、もっと違うことを議論すべきだと思ってるんですが、これは後半でお話をしたいと思います。

前半はもう少し、安倍さんの国葬、実際に行われたわけで、そこで特に注目されたのが、岸田さんのスピーチ菅さんのスピーチね。これが対比されて今、報道されてるんですが、改めて菅さん。総理大臣としては人気なかったんですが、安倍さんの官房長官としてはずっと女房役を務めて、完璧にこなした人なんですよね。そういう意味で菅さんっていうのは実は能力高い人なんです。ところが一年で。

総理大臣には向いてない人なんです。そもそもね。もう本人もやる気なかったんです。でも安倍さんが降りて、やる人いなくって仕方なくやった。それはコロナの中でいろいろあって、向いてないから、この人。裏方が向いてるんだよね。やっぱり官房長官とかそういう人がね。

菅さんの株が今回、安倍国葬で一番上がっちゃったという。岸田さん株は下がってるという。岸田さんが意図したことと違うことが起きている、という話もちょっとこの後していきたいと思います。

ー14:13ー
前半は安倍氏の国葬をめぐる問題と言いつつ、結構、岸田さん批判になってるんですが、まず最初に先ほど述べたように立憲君主国ですね、エリザベス女王の国葬が英国で行われたということと対比してわかる通り、そこに対応するのは日本では天皇陛下であって、天皇陛下は国葬が行われる。大喪の礼という。これは法的な根拠もあって行われる。

国葬令は戦後廃止されたわけで、その意味では法律的な根拠はなくなってるわけです。ただ例外として吉田茂さんが戦後、唯一国葬が行われてるんですが、今回、安倍さんが国葬に付されたことによって、これで2つ目の例ができたんですが、ここで問題は、なぜ安倍氏は国葬になったのかっていうね、その基準は何なのかと。

あるいは吉田茂さんはなぜ(国葬に)なったのか、その基準は何なのかっていう、安倍さんの国葬が云々よりも、そもそも戦後、というか今後、現代日本において、そして戦後の日本において、そして今後の日本において、国葬っていうのはいかに扱うべきなのか、っていう議論をしっかりしないといけないということです。

おそらく岸田さんに聞いても、回答は出てこないわけですよね。そういうのをすっ飛ばして決めちゃったわけですから。でも本来そうあるべきなんです。

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