終わりの恩恵一妻の詩(93)

マロニエの花が終わりました
大きな緑の葉の間に ピン系の花が咲いていました

ふっと 感じたのです
終わるって ひとつの恩恵かもしれないと
誰かが いつか 何かで語っていました
人間の生に終わりがないとしたら ぞっとするというようなことを

確かに・・・ 
肉体が滅びず 
何もかも変わらず
未来永劫にこの生が続くとしたら
この状態がどんなに望みどおりだったとしても
手放しで 喜べるでしょうか

愛する人たちと別れる悲しみ
肉体の死で 別離という状態を経験
愛する人たちとはお別れしたくなく
この状態はいとおしく 
でも すべてが未来永劫続くとしたら

ひとつの終わりがあること
桜が咲き続けるのではなく
咲き そして散る
木々の緑の色は変化しながらやがて落葉する
人の体も その役割を終えたかのように朽ちる
形としての姿が終わること
やがて見えなくなること
その摂理が 
優しい眼差しの中から生まれた決め事のような
ふっと そう感じました


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