第1回ウェルビーイング教育研究会報告一石清水八幡宮権宮司「鎮守の森に内在する普遍的哲学を活用した国際教育改革と平和構築に向けて」

日本家庭教育学会と日本道徳教育学会の幹部を中核メンバーとした「脳科学等の科学的知見に基づく家庭・道徳教育研究会」の研究成果を継承し、「日本発ウェルビーイング教育と人類の安心・平和・幸福」を研究テーマとする「ウェルビーイング教育研究会」が新たにスタートした。
 同研究会の目的は、SDGsからウェルビーイングへの国際動向・国内動向を踏まえ、心理学・幸福学・脳科学などの科学的知見に基づくウェルビーイング理論を整理するとともに、日本人の文化的幸福観を踏まえて、廣池千九郎の「人類の安心・平和・幸福」論と関連づけた、道徳教育・家庭教育を中心とした日本発のウェルビーイング教育の理論と実践の国際発信の在り方について研究することにある。
 4月8日にモラロジー道徳教育財団道徳科学研究所で開催された第1回研究会では、田中朋清石清水八幡宮権宮司から上記のテーマで問題提起していただき、第2回は慶応大学の前野隆司教授、第3回は京都大学人と社会の未来研究院の廣井良典教授、第4回は麗澤大学の中山理特別教授(前学長)を講師に招く予定である。
  田中権宮司は、4月に開催された中田厚仁没後30周年記念行事の「平和の文化」分科会で提言された「人間の幸福に関する国際宣言並びに世界市民教育の実現に向けて」において、「人間の幸福や満たされた生活といった人の幸せの根源的要素」と、多様性共生の鍵となる「人と人との相互敬愛の信頼関係の醸成」「自然との調和や人との融和、多様性の尊重は、人類の将来の満足すべき幸せを達成するための基本的要素」が重要とした上で、「人間の在り方や多様性の重要性、自然の尊重と共存など、これまでの教育では中心ではなかったところによりウエイトを与えていくカリキュラム」が有用とし、さらに次のように指摘している。
 「争いは、①利益と覇権を求める者同士がぶつかること、②追い詰められてどうしようもなく自分の大切なものや価値を守るために戦うこと、の二つに大きく分けられよう。従って、どうやって覇権を争うのを避けることが出来るか、どうやって追い詰めることをせず、異なる価値と共存することが出来るように自制するかを考えることが重要となろう。」
 今年度から始まる5年間の新教育振興基本計画の2本柱である「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」「持続可能な社会の創り手の育成」を道徳教育・家庭教育でいかに実践していくかが今後の教育改革の最重要課題といえる。2年前に自宅マンションで開塾した髙橋史朗塾も3期生を迎え、対面の塾生30名、オンライン参加を含めると約50名の塾生と日本発の感知融合の「常若・志道和幸」教育の理論と実践の往還を積み重ね、日本道徳教育学会と日本感性教育学会で共同研究の成果を発表し、内外に発信していきたい

 
 
 
 
 
 

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