![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/75294055/rectangle_large_type_2_b9ec2d8aa27c4bf02b7d5f1f5a2b3791.png?width=1200)
Photo by
atelierityonline
さっきまで愛されていた残響としてブランコはきいきいと鳴く/葉村直
2022年3月29日(火)の7時部屋の題「さっき」でバラ秀歌となった短歌。
子どもだろうか、大人だろうか、ブランコに乗っていた人がいる。作中主体が乗っていたのかもしれない。
ブランコの側からすれば、乗られることは愛されることなのだ。乗る側からすれば夢中になると、ブランコの軋む音は聞こえなくなることがある。作中主体が乗っていたとすれば、ブランコを降りてから軋む音に気づくということだ。それを「残響」と表現する。ブランコから降りた後も少しの間揺れは続くからだ。
結句「きいきいと鳴く」では、ブランコを鳥か獣などのように捉えている。「ぎいぎい」ではなく「きいきい」というのが物悲しく聞こえる。
ちなみに、ぶらんこは、鞦韆(しゅうせん)と言って春の季語だ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?