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夏服の子らアナベルの群生のやうに屯す梅雨晴れの駅/ともえ夕夏

2022年6月3日(金)のうたの日17時部屋の題「屯」でバラを取った短歌。

地域にもよるだろうが、六月になり夏服に完全移行した児童・生徒。制服の夏服の、特にシャツが白を基調としているイメージだろう。

アナベルとは、アメリカアジサイのこと。六月から七月ごろ、緑色の蕾がついて、花色がしだいに緑色から薄緑色、そして白色へと変化していく園芸品種。

白いアジサイの花房のように、複数人の児童・生徒が駅で留まっている。梅雨晴れの午後の情景だろうか。

「群生のやうに」という直喩から、何グループかのまとまりがあることが見えてくる。「屯す」という語の持つきな臭さを消してくれる、清らかな情景である。

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