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幼いに扌がついた字のごとく、拗ねるぼくには撫でる手がいる/三冬つくし

2022年4月7日(木)のうたの日15時部屋の題「拗」でバラを取った短歌。

「拗」という漢字を分解してそれぞれの要素からイメージを膨らませた一首。

「幼い」の部分が「拗ねるぼく」に当たる。「扌」が「撫でる手」だ。

作中主体「ぼく」は、どんなことで拗ねているのだろうか。それは歌ではわからない。作中主体の年齢も不明だ。しかし、何かと拗ねてしまいがちな作中主体が見える。

誰かが自分に対して取った態度などで拗ねているのだろうか。そんな作中主体には誰か別の人から撫でられる、つまり慰められる必要がある。一人では、拗ねてしまうような状況をくぐり抜けられる状態ではないのだ。

作中主体は自身の幼さを理解し、受け入れ、その対応策も知っている。弱さを知っていて、その対処法をも知っているという点で作中主体は、強い。

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