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サイダーを淋しさとともに飲み干せばわたしのなかに満ちる潮騒/さえ(colorfultwigs)

2022年3月15日(火)の7時部屋の題「騒」でバラを取った短歌。

「サイダーを潮騒とともに飲み干せばわたしのなかに満ちる淋しさ」ではない。当該歌にこのような湿っぽさはない。サイダー(俳句では夏の季語)の甘いながらも心地よいすがしさの味わえる感じに湿っぽさは合わない。

そうであるから、淋しさとともにサイダーを飲み干してしまおうとする作中主体。瓶かペットボトルか缶か、はたまたコップか、いずれかに入ったサイダーをごくごく飲む。場景は海ではないかもしれない。しかし、サイダーと相性のいい海という情景が急に主体を襲う。

脳内の「聴覚」には、潮騒まで聞こえてくる。「わたし」は潮騒で満たされていく。淋しさという落書きは波によりさらわれ、波が寄せるたびごとに薄れてゆく。淋しさに具体性は持たせていないが、その分共感を呼ぶ歌となっている。

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