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話せないことがだんだん多くなる父と無言でいられる映画/toron*

2022年6月1日(水)のうたの日17時部屋の題「多」で次席になった短歌。

青年期の子と壮年期の父との関係性だろうか。少年時代は無邪気にたわいないことまで父に話せていたのか。しかし、成長するにつれて、話しの種も話す機会もなくなってくる。その分、「話せないことがだんだん多くなる」。

映画と言うからには、映画館だろう。しかし、互いが好む映画であればテレビ画面でも楽しめる。

少年時代は、父に連れられて「ウルトラマン」や「ゴジラ」などを観に行っていただろうか。『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』など、かつて観た映画の新時代バージョンの映画を観るとなれば、かつての映画館での記憶と結びつき、父とのこれまでの関係を振り返るきっかけになる。

そのとき「無言でいられる」ことは意味のあることだろう。近くに父の存在を感じながら、しかし話すことはない。父も子との関係に思いを馳せていることだろう。淋しさの中に温かさがある、そんな映画のワンシーンのような情景だ。

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