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風待ちの蒲公英と立つバス停で春の経路を確かめている/あきやま

2022年3月30日(水)の7時部屋の題「公」でバラを取った短歌。

「風待ちの蒲公英」というのは、たんぽぽの綿毛だろうか。そうだとすれば、晩春の光景だ。

綿毛は遠くに運んでくれる風を待っている。作中主体はその隣で、バス停で、バスが来るのを待っている。

主体は、バスの路線経路図を見ている。バス停に貼ってあるものか、スマホの画面か。

同時にたんぽぽの経路も見てあげているかもしれない。主体がせずとも、たんぽぽはその経路を知っているかもしれない。その経路の通りに飛べる風を待っているのかもしれない。

「春の経路」というのは、終わりに近づいている春を楽しむためのものだろうか。経路にあるバス停には花の名所もあるかもしれない。それを確かめて、バスに乗ろうとしている。そんなバスでも春が見つけられそうだ。

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