結滞動作の機能解剖学
どうもこんにちは 理学療法士のtakaです。
今回は結滞動作について説明していこうと思います。
1.はじめに
関節周囲炎を呈する患者様、特に拘縮肩の患者様において結帯動作に痛みを生じるケースは比較的多く、ADL上の問題になることが多いと感じます。また臨床上、肩甲上腕関節の内旋可動域が改善されても結帯動作において痛みが残存する例を多く経験します。
では、結滞動作では肩甲上腕関節の可動性にプラスしてどういった動きが必要となるのでしょうか?
そこで、結滞動作の獲得するための必要な運動学に加え評価・治療まで紹介してきます。
2.基礎運動学
「結滞動作=肩関節内旋制限」のイメージがあると思います。しかし、それだけでは結滞動作の制限は改善されないと思います。
ではなぜ改善されないのか?
それは、結滞動作は肩甲上腕関節だけではなく肩甲胸郭関節・肘関節・手関節を含めた複合運動であるからです。
本田らは結帯動作において母指先端が尾骨から第7胸椎に到達するまでに6.6°しか内旋せず、下垂位 から母指先端が尾骨に到達するまでにほぼ最大に近い内旋を行っていること、第12胸椎から第7胸椎の相においては肩甲上腕関節の内旋と外転はほとんど変化が無い事から、この相では肩甲上腕関節運動の限界が示唆されると報告している 。
(本田・他:結帯動作について: Motion Captureを用いた3次元的解析.理学療法学:31:p513, 2004.)
このため、「結滞動作の制限=肩関節内旋制限」では改善されないですよね。
では、肩甲骨はどのように動くのでしょうか?
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