見出し画像

モノにまつわる物語を添えて

旅をする木

さまざまな偶然をへて川沿いの森に根付いたトウヒの種子は、
いつしか一本の大木に成長する。
長い年月の中で、川の浸食は少しずつ森を削ってゆき、
やがてその気が川岸の立つ時代がやって来る。

ある春の雪解けの洪水にさらわれたトウヒの大木は、ユーコン川を旅し、
ついにはベーリング海へと運ばれてゆく。
そして北極海流は、アラスカ内部の森で生まれたトウヒの木を遠い北のツンドラ地帯の海岸へとたどり着かせるのである。

打ち上げられた流木は木のないツンドラの世界でひとつのランドマークとなり、一匹のキツネがテリトリーの匂いをつける場所となった。
冬のある日、キツネの足跡を追っていた一人のエスキモーはそこにワナを仕掛けるのだ…
一本のトウヒの木の果てしない旅は、原野の家の薪ストーブの中で終わるのだが、燃え尽きた大気の中から、生まれ変わったトウヒの新たな旅もまた始まってゆく。

この本全体に流れている極北の匂いに、どれだけアラスカの自然へのあこがれをかきたてられただろう。

「旅をする木」 星野道夫

本のタイトルにもなっている「旅をする木」という星野道夫さんの手記。
僕はこのエッセイが好きです。


モノにまつわるストーリー

モノには物語があります。
ただの流木も、見てきた景色・出会った生き物・遭遇した出来事があります。
英語の文法的にいうと、「a tree」というように漠然と「木」と呼ばれた木も、独自の物語があり「the tree」と「世界でたったひとつの木」になりえるのです。
(「the」とは"世界にたったひとつのもの"につける冠詞ですね)


僕の周りの愛着あるモノたち。
あの人がくれた腕時計やハンカチ、アクセサリーなどなど。
生産者の顔が見える食材の数々。
物語を持つモノたちは、同じ種類のその他とは思い入れが明らかに違います。


悲しい過去を持つブレスレット

世の中には大きな社会課題の中で生きている人がたくさんいます。
僕はそんな人たちを、物語としてモノに沿えて届けたい。

遠いと思う社会課題を、人の物語を思い浮かべながら、あなたの日常の側に置けるようにした。
そんなショップを作りたいと思っています。

まずは僕がラオスで出会った地雷と共に生きる人たちが作るスプーンやブレスレットを届けたい。
そんな僕の夢を応援していただけると嬉しいです!


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
最後まで読んでくれてありがとうございます。

↓【この記事が掲載されているマガジン】↓

【良ければ過去の記事も読んでいただけたら嬉しいです♪】

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?