小さいものほどよく眠る【こびとエッセイ８】

こんにちは。こびとです。

おやおや。

なんだかみなさん、ねむそうなかおをしてませんか？　してますね。どうやらかこくなもうしょが過ぎて、ちょっぴり気がぬけているようです。そんなことではいけません。すぐにかいぜんしてください。ねむけをとるには、アホほどねむるしかありません。今すぐアホほどねむるのです。なにせにんげんとゆういきものはアホなので、ねむけにおそわれるともっとアホになってしまい、ろくでもないアホなことをかんがえかねませんからね。

「あぁ～眠いなぁ～（チラチラ）でも会議用の資料づくりという名の仕事が残ってるゆえに眠るわけにはいがないなぁ～（チラチラ）眠ってるあいだにだれか資料を作ってくれたらなぁ～（チラチラ）でもそんな都合のよい存在が（チラチラ）いるわけ（チラチラ）ないしなぁ～そうたとえば小人のような存在がなぁ～（チラチラ）もうだめだ～眠ってしまうぅ～（チラチラ）」

こんなぐあいにです。

ぐりむ童話のこびとの靴屋さんじゃあるまいし。こびとはにんげんのしごとをかたがわりするほど、ひまじゃないのです。たとえひまでも、ぜったいやらないのです。やるとしたら、そうおうのたいかをようきゅうします。どんぐり１０００個とかです。でもねむくてねむくてかいぎ用のしりょうすらつくれないにんげんが、どんぐり１０００個あつめられますか？　あつめられないでしょう。よってこびとを雇用することは、ぜったいにふかのうなのであります。これはまったくつけいるすきのないろんりです。それがわかったなら、こびとをたよることはあきらめるのです。かいぎのしりょうづくりもあきらめるのです。

そして、アホほどねむるのです。

ぶんめいにしはいされている

かがくぶんめい。ロボット。あいてぃー。これらはほんらい、にんげんのふたんをへらして、くらしをゆたかで楽にするはずのものでした。むかしのひとはそうゆうハッピーなゆめをえがいてたから、ロボットとかあいてぃーとかをがんばったのです。それもみらいのじんるい、つまり今のあなたたちのためです。なのにあなたたちときたら、すぐアホなことをかんがえます。たとえばこんなかんじに、です。

「あ！機械化で余暇時間が生まれた！働こ！その時間を利用してもっともっと働こ！機械に負けないくらい働こ！さすればさらなる豊かさが手に入ることうけあいなり！レッツ働こ！」

こうしてにんげんはえいきゅう的にはたらきつづけ、おわりのないまねーげーむに身をとうじ、いつしかじぶん自身がむかんじょうなろうどうマシンにへんぼうしてしまい、でもマシンなのでそのことに気がつくこともなく、ただひたすらにはたらきつづけるのです。わたしは３００年くらい生きてきたなかで、そうゆうアホなこうけいをずっと見てきました。アホだなぁとおもいながら見てきました。

あなたたちにんげんはマンガとかえいがとかゲームとか、せっかくゆかいなポップカルチャーをたくさん生みだしたとゆうのに、それをたんのうするじかんどころか、ろくにねむるじかんすらかくほできないありさまです。あげくのはてには、ねむるのがもったいないなどと言いはるおろかものさえあらわれるしまつ。

「あぁ～ねむいよぅ～でもせっかくの休日なのに寝ちゃったらもったいないよぅ～だから無理してお出かけしたりして体を酷使しよ～っと」

とか。

「あ！うっかり眠っている間に！休日が終わってしまった！もったいないという気持ちがすごい！だから夜更かしして取り戻さねば！YouTubeとか観て真の休日を取り戻さねば！」

とか。

そうゆうだめちんなしこう回路におちいります。わたしのてりとりーのヌシである「たかださかな」が、よくやるぱたーんです。そして翌朝さいあくのコンディションでめざめ、よろよろと家をでていくのです。そしてへろへろになって帰宅して、またすいみんじかんをけずってYouTubeとかみて夜ふかしします。まさにあくじゅんかん。いっぽうわたしは、ふかふかの「スマホのお布団」でここちよくぬくぬくしており、たのしいゆめをみる準備はばんたんとゆうじょうたいです。そしてあさのめざめもばっちりかいちょう、すこやかな気ぶんでいちにちをすごすことでしょう。そして日中にうとうとしてきたら、おひるねだってしちゃいます。めちゃくちゃしちゃいます。

日中に、めちゃくちゃおひるねするかくご。
にんげんには、それがひつようなのです。

すいみん is ごらく

こびとはみんな、よくねむります。しろくじちゅうねています。それはたんなるせいり的よっしゅうを超えた、真のじょうねつにつきうごかされているからにほかなりません。ねむるために生きているとゆっても過言ではないでしょう。わたしたちこびとはそれほどのかくごをもって、ごろごろひるねしているのです。でも、それはなにゆえ？

そう。
ねるのが、たのしいからです。

おふとんにはいったときの、ふわふわ浮くような、ずっぷりしずんてゆくような、あのかんじ。目をつむってたのしい妄想をするときのかいかん。いしきがまるでホットチョコレートのように、まどろみのなかでとろけてゆくここちよさ。今夜もすてきなゆめをみるぞとゆうきたいかん。まさにすいみんとは、さいこうのエンターテインメントなのです。そのさいこうぐあいときたら、にんげんのポップカルチャーにもおとりません。しかもたいりょくまで回復するとゆうべんりなきのうまでついています。こんなたのしいごらくがタダでたのしめるなんて、この世界をつくった神さまは、ずいぶんきまえがいいです。

だとゆうのに、あなたは仕事とか家事とかスマホゲームとかがいそがしいからといって、すいみんをおろそかにしてます。すいみんはたのしいことであり、そもそもじゅうぶんなすいみんをとらなきゃたのしめるものもたのしめない、そんなあたりまえのことすらわからなくなるほどのすいみん不足におちいっています。そうすると家にかくれすむこびとのことにまで気がまわらなくなり、じゃがりこのストックをわすれたり、スマホのお布団を買いわすれたり、あまぞんの段ぼーるでこびと用の通路をふさいだりするのです。ゆゆしきじたいですよ、これは。

そうならないために、あなたはねむるんです。ねむりにたいするざいあく感なんて、めためたにつぶして、ごみ箱にぽいっです。それがすいみんとゆうきのうをつくった神さまへのれいぎです。あとこびとのためです。

そろそろにんげんたちも、こびとのようにかしこくならねばなりません。大長編ドラえもん「宇宙小戦争」にとうじょうするこびと宇宙人のパピくんをみてください。８さいでだいがくをそつぎょうし、１０さいでピリカ星のだいとうりょうにまでなってるじゃありませんか。１０さいでだいとうりょうになったにんげんがいますか？　いませんね？　そうゆうことです。

さあ。わたしのいいぶんをりかいしたなら、今すぐベッドやおふとんにダイブしてください。スマホもみちゃだめです。ただ目をとじて、からだのでんげんが落ちてゆくかいかんに、身をゆだねてください。

ほうら。
ねむくなってきたでしょう。

わたしはなってきました。

なのでねることにします。

ではでは。おやすみなさい。ぐぅ。