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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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映画「ビリーブ未来への大逆転」プロット抽象化 プロット制作に使えます

●全体の特徴

・枷の使い方(有能な主人公を葛藤させる問題作り)が上手い。味方も序盤は全然いない。
・全体的な2幕(非日常)への境目がちょっとわかりにくいが、サブプロットで処理すると理解しやすい。
・サブプロット全部で6個に分けました。
・中盤まで下がって、中盤から上がっていくパターン。
・クライマックスの盛り上がりが凄い(主人公は超不利vs敵は超有利)

※●はメインプロット、サブプロットはSと表記。

●掴み
・集団の中を「枷」を引き釣り歩いている主人公(大量の男性の中に一人だけ女性)※枷は女性、母親、ユダヤ系であること
・そこは超有能な組織の入学式。夢の第一歩を歩み出したことがわかる演出。
・既に対立要素(周りの学生から「枷」のせいで煙たがられている)

3%

●セットアップ1(徹底的に枷のせいで貶められる日常)
・組織のトップから「枷」を持った者たちだけが集められたパーティーに招かれる
・自己紹介のシーンでトップから「枷」に関して皮肉を言われる(自己紹介と一緒に、男性の席を奪ってまで入学した理由を紹介してくれ)
・主人公の性格を見せるシーン
最初の人は上手くやり、次の人はけなされる(「下らん理由だ、次」)。その次の番が主人公で喧嘩を売るようなことを言う。

・支援者紹介(恋人、のちの旦那)
相方に文句を言って、慰めてもらう。組織で唯一の味方。

・組織での生活(大学での講義)
「枷」のせいで対立だらけ(先生からの質問に手を挙げるが無視される、最後まで正解を出せるものがいなく、主人公が意見するも周りから笑われ者になる。

●インサイティングイベント
S1【死の臭い】
・仲間との団らん中、唯一の味方であるい相方が倒れる

10%

S1【闇夜を彷徨う】
・病室で旦那を待つ主人公。検査が多くて帰れない。ひとまず主人公は家へ戻る
・数日後ようやく入院中の相方へ会いにいける。医者がきて相方はほぼ不治の病であることを告げられる
S1【プロットポイント2】
・二人には守るべきものと共通の夢がある(子供が居るし、弁護士になりたい)
・主人公は相方を勇気づけ、絶対に両方ともあきらめないことを誓い合う

16%

●セットアップ1 続き
・相方の分まで頑張る主人公(夫の講義にまで出て、レポートも書く)
ここでミッドポイントの伏線(夫の講義で「裁定は天気に左右されないが時代に左右される」という台詞)
・さらに大切なものの世話もする(二人の赤ちゃんの世話)
・うまく行き、数年後(※時間経過は子供が大きくなっていることでスマートに説明)。
相方は奇跡的に回復し、就職。就職で遠くに行ってしまうので、ついていくために主人公は組織へ移籍を認めてもらうよう求めるが、拒否される(最初のパーティーで皮肉を言っていたトップ)

22%

●問答(ここでも枷のせいで徹底的にうまく行かない)
・さらに数年後
組織を首席で卒業する主人公。しかし夢(就職)は「枷」のせいでうまく行かない。
最後の面接も一瞬うまく行きそうな雰囲気を見せるが、やはり「枷」を理由に断られる
とりあえず目的と近い職業に就くことで自分も相方も納得させる(法律の大学教授)

・さらに時が進む。子供は中学。さらにもう一人の子供も。
・仕事で「枷」について紹介(男女差別について講義)
・その後帰ってきて娘と口論(同じ問題について語り合うが、娘は行動し主人公は口だけ、と娘は反発。娘は活動家の活動に参加している。)

33%

●プロットポイント1
・「枷」関連で相方と口論になる
(何かのパーティーで相方の上司が女性蔑視。相方は無視するが主人公は気に入らない。「枷」についての口論はヒートアップしていき、喧嘩になってしまう。ちなみに主人公のなりたかった職業には相方はなれているので嫉妬もある)
・この口論がきっかけになり、相方は仲直りに主人公へ目的へのアイテムを送る(夫が専門の裁判の内容に、男への性差別があり使えそう)
・主人公は意気込み、相方と二人でこのアイテムを使おうとする。

☆セントラルクエッション……主人公は性差別の裁判に勝てるか(法律を覆せるか)

37% 2幕へ

●セットアップ2、お楽しみパート
S2【冒険の誘い→拒否(支援者視点)】
・アイテムを使うには支援者(以下支援者A)が必要で、知り合いを尋ねるが「枷」の壁が大きく拒否される。
(権力の大きい団体のトップにかけあうが、覆そうとしている裁判は到底勝てる見込みがなく、腰が重い。前例もないしやめるように諭される)
S2【食らいつく】
・しょげながら帰る途中、何かを思いつき、別の支援者を思い出し連絡を取る。すぐにその人物の元へ行く。

42%

S2【門番、プロットポイント1】
・その人物はそのアイテムの中心人物(性差別を受けた男性)
主人公は目的のための話を聞きに来た(裁判で勝つために事情を聴く)
(C:ボケた介護の母の質問に答える)
・中心人物は一度この冒険を拒否するが、主人公が食らいつき、納得させる。
(金がないと言うので無償で請け負う。訳を聞くと、利害の一致だから、と説得)
(C:俺はモルモットか? いいえ、リーダーです)

46%

・相方は上司に否定されつつも食らいつく。条件付きで主人公の手助けを了解する(失敗すれば解雇)

●ピンチポイント1
S3【インサイティングイベント】
・主人公と相方は作戦を練るが、どれもダメそう。
・さらに娘と別件で主人公は喧嘩。相方が仲裁に入り、主人公の本当の気持ちを代弁して子供との仲を取り持つ。ここでテーマを話す(主人公が娘に強く当たるのはそうやって育てられたからで「すべてを疑え」と言われたんだ)
・娘に主人公には「心がない」と言う。(テーマ的なもの)

S3【問答、食らいつく】
・同じ目的をかつてかなえようとした相手へ、娘と共に会いに行く(新たな支援者、B)
協力は得られず対立。主人公の持つアイテムが素晴らしい事は認めたが、テーマに関することを言われる。(「まずは人の心。次に法律の順番で変えろ」)
相手は忙しくてすぐに何処かへ消えてしまう

●ミッドポイント
S3【プロットポイント1】
・帰る途中に支援者Bが言ったことを娘が体現し、主人公は気づきを得る(男たちに揶揄われ主人公は無視するが、娘は言い返す。そこで主人公は人の心はもう変わっている、と気づく)

53% 2幕後半へ

S3【ミッドポイント】
・相方と作戦を練る。ここで一幕での伏線回収あり(「裁定は天気に左右されないが時代に左右される」)
・目的を達成できそうな作戦を順調に進めていく。支援者Bの言葉をヒントに進めていく(時代に遭った法律を作る)
・目的に達成できそうな武器を作り出すことに成功する

S4【インサイティングイベント】
・最初断られた、大きな権利を持つ支援者A視点
・会社で揉めている。自分の部屋に入ると、支援者Bがいる。かつての知り合い。支援者Bはこの支援者を説得させ、主人公に手を貸すようにさせる。
・主人公視点。
自分の講義中に支援者Aが現れる(C:主人公の質問に生徒が間違え、横から現れて正解を言う登場の仕方)

S4【食らいつく、プロットポイント1】
・支援者Aとカフェで話す。
話し合った結果、及び腰だったのをきちんと味方に引き入れる。さらに別の問題まで引き受けようとする。
・支援者Aは協力するからにはと主人公の弱点を補うことを提案する(模擬裁判で弁論能力を計る)

60%

●忍び寄る悪者
・ラスボス視点(裁判を起こされる方)。(※中盤で台頭するラスボス、中盤の日常と非日常の交差)
・最初主人公が居た組織が絡んでいる(大学)。
物語のテーマを覆すことになるので、主人公の目的をなんとしてでも阻止したい(女性の権利が良くなる可能性がある裁判)。優秀なやつがいて、組織のトップに掛け合い主人公の挑戦を受けることになる。
・作戦に関する全てのものを洗い出し、人海戦術を仕掛けてくる。

・主人公はそれを少数で対処しなくてはいけない(国の力を使って全ての男女にかかわる法律を洗い出す敵。主人公は相方と生徒数人だけで対処しなくてはならない)
・敵は組織で模擬裁判(のようなもの)をして、いかに強敵そうか視聴者に示す

●ピンチポイント2
・主人公の模擬バトル(模擬裁判)。※クライマックスへの伏線。同じ状況になる
・支援者Aが敵役をやる。まるで歯が立たない。主人公の本当の目的も晒されてしまう(性差別の撤廃がしたいだけ→依頼人のために戦え)
・相方が助言、相方の方が戦い慣れている。ここで最初の目的だったものになれなかったことの差が出てくる(弁護士になれなかった)
・支援者Aは相方に主人公では勝つのが厳しい、と忠告。
・支援者たちを見送ったあと、実力差から主人公と相方がちょっと気まずい。

70%

●死の臭い
S5【忍び寄る悪者】
・決戦の準備をしていると支援者Aから支給来て欲しいと連絡
・行くと、示談を取り付けている。主人公は拒否するが、裁判起こされる方が示談を望んでいる。
→主人公のやろうとしている戦闘(裁判)と、支援者Aがかかえていた問題を一緒に示談にする、という敵の意向(主人公は戦って勝ちたい、じゃないと意味がない)

S5【ピンチポイント2】
・これにより戦う事(負けた時の)のハードルが上がる(地方裁判が最高裁に引き上げられる)→負ければ夢が遠のく(女性の社会的な進出が10年は伸びる)
・支援者Aは戦っても勝ち目はないんだから示談にサインしろと言う。主人公はとりあえずその資料を持ち帰る。

75%

●闇夜を彷徨う魂
・家に帰り相方に愚痴を言う。
・部屋に戻って今までの努力がすべて無駄になったことを嘆く。(壁の資料をはがしていく)
・娘に背中を押され、主人公は自分の依頼人と話をする。依頼人は戦って欲しいと伝える

●プロットポイント2
・敵組織の元へ
・敵組織は主人公が要求を呑んだと思っている。最初に出てきた嫌味なトップもいる
・要求を呑むふりをして、挑戦状をたたきつける

80% 3幕へ

●クライマックスへの準備
・決戦上(法廷)にこれまでの人物たちが集まる
状況はかなり不利で始まる(敵は100年分の勝ってきた先例と裁判慣れした相手、主人公は初めての例に初めての裁判)

・バトル開始(裁判開始)
S6【ピンチポイント1】
先に相方から戦う。
主人公がやるべきことを譲ろうとすると「枷」がそれを拒否する。主人公には戦わせないようにしようとしている。(裁判官達が女性を法廷に立たせないようにする)
なんとか相方はようやく主人公に代わることができる。

●新しい価値観への攻撃
・主人公の番だが、審判は最初から敵対的。模擬バトルの時と同じ。主人公は追いつめられていく。これも模擬裁判と同じ。
S6【ミッドポイント】
・一旦時間が来て、敵のターン
・反撃を相方に任せようとする

S6【ピンチポイント2】
・敵に痛い所を疲れて大ピンチ。絶体絶命。

S6【死の臭い】
・反撃の時間が来るが、相方もなすすべがない

S6【プロットポイント2】
・苦し紛れに相方が出ていこうとしたところを、主人公が止め、自分が出ていく。

●クライマックス 超劣勢 → 優勢へ
・敵の反撃を利用し、機転を思いつく(支援者Bに言われたことがヒントになっている)
・冗談も交えていく(模擬裁判で相方に助言してもらったこと)
・敵が用意した材料を反撃に変える
・時間が来るが、裁判官が続けるように言う。
・最後に自分の為だけではなく、真に依頼人の為にもなる答弁をして終える
(※最後の最後に成長。テーマだった「人の心がない、依頼人の為に答弁しろ」を完全に克服する。セントラルクエッションも成功する)

●エピローグ
最後の戦いに勝つ。支援者Aもほめたたえる。家族と一緒に帰る。

終幕。

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