マガジンのカバー画像

【掌編物語】ごく短い物語集

20
掌編サイズ(大体800-2000文字程度)の物語を載せています。
運営しているクリエイター

2024年5月の記事一覧

先輩の嫌がらせが止まらない

後輩から慕われているA先輩。 すごく優しくて面倒見が良い。 私がミスした時も、 「Kさん気にしなくていいよ」と言っては 手取足取り教えてくれる。 違う先輩はもっといい加減だけど、 A先輩は丁寧に教えてくれる。 だから困っている。 A先輩の事が好きなBさん(先輩)からの嫌がらせが止まらない。 私、わざとミスしてる訳じゃない。 本当にパソコンが苦手なだけ。 でも、Bさんにはそうは映らない。 私がAさんの気を引く為にやってる風に見えるみたい。 A先輩に「やめてもらえます

【後悔】自分だけ置いてけぼり

学生時代の同期達と飲み会があった。 皆、頑張っていた。 皆、成長していた。 皆、新しい挑戦をしていた。 すごく居心地が悪かった。 どこか置いてけぼりにされた感じがした。 でも自業自得だから仕方無い。 ◆ Aは、昨年出世した。 最速で課長になった。 土日も休まず人脈作りに励んだ甲斐があって圧倒的な営業成績を上げた。 従業員1万人以上の上場企業で、このスピード出世は珍しいそうだ。 昔は、どこか自信なさげな顔をしている奴だったが、今は自信に満ちている。 ◆ Bは、3年

ボーダー服を着ただけなのに……。

「えっ、捕まったの?」 一体、何度言われたか。 「何それ、囚人服?」 これも、何度言われたか? 大学生の頃、普通に黒と白のボーダーを 3日連続で着ていっただけなのに、 それ以来、ボーダーを着ただけで 「囚人ルック」 「収監中」 「アルカトラズ」 などと呼ばれていた。 途中から、何だか楽しくなって、 皆の期待に応えるように、 時々、ボーダーを着るようにしていた。 友達と買い物に出掛けた時に、 わざわざボーダー柄の物を選んで、 イジられ待ちしてた事もあった。 ◆ あ