先輩の嫌がらせが止まらない
後輩から慕われているA先輩。
すごく優しくて面倒見が良い。
私がミスした時も、
「Kさん気にしなくていいよ」と言っては
手取足取り教えてくれる。
違う先輩はもっといい加減だけど、
A先輩は丁寧に教えてくれる。
だから困っている。
A先輩の事が好きなBさん(先輩)からの嫌がらせが止まらない。
私、わざとミスしてる訳じゃない。
本当にパソコンが苦手なだけ。
でも、Bさんにはそうは映らない。
私がAさんの気を引く為にやってる風に見えるみたい。
A先輩に「やめてもらえますか」って言うのも変だし、
冷たくするのも嫌だし、すごく良い先輩だから傷つけたくない。
◆
自分からA先輩以外の先輩に相談しに行くようにして、
気をつけるようにもした。
たまにA先輩が「Kさん大丈夫?」って声を掛けてくれるけど、
最近なんて、週に1回あるか無いか程度。
でも、それすらも目障りみたいで、
Bさんや、Bさんの取り巻きいの嫌がらせは、
どんどんエスカレートしていった。
伝達事項で嘘をつかれたり、
私宛の大事な郵便物を、忘れたふりして放置したり、
お客様からの電話に、私から「外出中なので折り返し連絡させます」と伝えておきながら、私には知らせなかったり、
仕事に影響が出るまでになった。
◆
親友に相談して対策もした。
親友のアドバイス通りに、
「彼氏出来た!」ってBさんに
嘘のアピールしたんだけど意味無かった。
信じてもらえてないのか、
彼氏居るのに手を出してるように見えるのか、
やがて私の変な噂が社内で飛び交うようになった。
私、隠れて、パパ活しているヤバイ女らしい。
私、隠れて、闇副業しているヤバイ女らしい。
私、隠れて、金持ちにJD(女子大生)のデート斡旋しているヤバイ女らしい。
同期の仲良しLさんがこっそり教えてくれた。
Lさんからは、「最悪、転職した方がいいよ」って言われた。
上の連中は、Bさん贔屓で、訴えるだけ無駄らしい。
もうヤバイ。
A先輩のチームに居る、F先輩に相談してもみた。
何とか当人に伝わればという思いだった。
F先輩は「OK、慎重に対応するよ、任せて」と言って対応してくれた。
だが……。
◆
ある日、同期の仲良しLさんから、「Bさん怒ってるらしいよ」という情報が入ってきた。
それも、夜、わざわざ電話で連絡してきた。
あっ、これはヤバイって思った。
どうやらF先輩が誰かにその話をして、
その誰かが、また誰かに話をし、
負の伝言ゲームみたいに内容が歪められた上で、
Bさんの耳に入ってしまったらしい。
嫌がらせは、さらにエスカレートしていった。
膝掛けに異臭のする液体をかけられる。
私がネットに会社の悪口を書き込んだことにされる。
お客様と不倫したことにされる。
もう、キツイ。
朝が来るのが怖い。
食欲不振に吐き気に目眩。
通勤で会社に近づくにつれて呼吸が苦しくなる。
社内で声を掛けられるだけで変な汗を掻く。
どうしよう。
もう辞めようかな。
仕事は好きだし、
逃げるのは嫌だけど、
だからといって耐えるのは違うと思う。
最後に会社に訴えるだけ訴えて辞表出そうかな。
◆
でも、その後、
私の努力とは関係なく、
事態が好転した。
年度が新しくなり、新入社員が加わり、
4月の研修を終えると、5月に各部署に配属された。
内の部署にも5人の新入社員が配属され、
その1人が私の大学時代のゼミの後輩C君。
後輩C君は、
犬系男子のお手本のようなコミュニケーション上手な男子で、
背が高く、色白で、見た目も振る舞いも爽やか。
そんな、後輩C君と私が親しげに会話している様子を見て、
Bさんが話しかけてきた。
「ねぇ、C君ってKさんの大学の後輩なの」
「はい。そうなんです。ゼミの後輩なんです」
「仲良しなの?」
「はい」
それ以来、急にBさんが優しくなった。
頻繁に私をランチに誘うようになり、
ある時、ランチに後輩のC君を連れてくと、
目に見えて私に対する当たりが柔らかくなった。
そんなBさんの態度の変化を察してか、
Bさんの取り巻きの先輩達も急に優しくなった。
それどころか、こっそり私に謝ってくる人まで……。
その人は私の前にターゲットだったみたいで、
「Kさんのお陰で助かったの、ありがとうね」と、
ご丁寧に感謝の言葉まで添えていた。
◆
C君のお陰?もあってか、Bさんの嫌がらせはすっかり止んだ。
最近は、休日のお出掛けにまで誘われるようになった。
でも、もちろん、上辺の付き合いだけ。
大事なことは絶対に言わないし、
Bさんの前で誰かの愚痴を言うこともない。
気を許すことも絶対にないだろう。
私は今、
会社への人間関係の依存度を下げるために、
新しい居場所を増やしているところだ。
と同時に社内に仲間を増やす為にも、
会社の同期や後輩達との交流にも力を入れてる。
いつでも転職、独立出来るよう勉強もしている。
ターゲットが違う人に移ったことで、
「助かった」と知らんぷりするような人間にはなりたくない。
まして嫌がらせに加担するような人間にはなりたくない。
もし、Bさんが後輩に対して嫌がらせを始めたら、
会社を辞める覚悟で、徹底的に闘おうと思う。
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【題】今は闘う準備中。
この物語は事実を基にしたフィクションです。
コチラは過去に旧twitter(X)でUPした物語です。
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