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ネムチュアとネムのベトナム語の意味がわかった

 一昨日のアップで、タイの発酵ソーセージのネームと、ベトナムのネムチュアは語源が同じなのだろうかという内容を書いた。その記事は下記だ。

 この中でネーム・ヌアンというタイ料理があるが、これのベトナム語を検索すると焼いたネムチュアの画像が出てくるとも書いた。その件について、友人からネムについての意味などを説明するメッセージが届いた。

 彼はベトナムの首都ハノイに駐在する人で、バンコクのカオサン通りのゲストハウスで出会っている。もうかれこれ20年も前のことだ。その後彼は日本の会社に就職して何年間か日本で仕事を憶えたのち、ベトナム支社に駐在している。去年、ボクが危うくタイに帰国できなくなりそうになったときに助けてくれた人でもある。

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 さて、まずはネムについての回答だ。ボクにとってはタイのネームから、ソーセージを意味するものなのかと思っていたのだが。

Nemには2つの意味があり(声調、発音はまったく同じ)、後ろに付く言葉によって意味が変わる。Nem Ran(揚げ)、Nem Hai San(海鮮)などが付くと、Nemは春巻きの意味になる

 要するに、ネム(Nem)は包むといった意味合いがひとつあるのかな? それからもうひとつの意味は下記になる。

Nem Chua(酸っぱい)、Nem Nuong(焼き)が付くと、Nemはソーセージの意味になる

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 つまり、ネムには包むとソーセージの意味があるということでしょうか。

 これだけでもなかなかややこしい。ネムヌアン、あるいはネムヌオンはネムチュアを焼いたものだけでなく、発酵していないソーセージを焼いたものも含むそうで。より、ややこしい。おそらく西洋のソーセージを焼いたものもベトナム語にするとネムヌアンなんでしょう。この点に関してはこの前の記事内容での解釈が奇跡的に正解だったようだ。

 ちなみに、彼はボクのこの前の記事を読んで、この件について会社の人に聞いてくれた。ということは、仕事中にこれを読んでいたのかな? まあ、ボクもボクで、実はあの記事は彼が読んでスタッフに訊き、それをメッセージしてくるということを織り込んでの執筆だったのだけど。

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 結果的にネムは包むという意味合いとボクは解釈したのだが、それも違うみたいで。包むには包むで別に言葉がある。

「巻く」って言葉は、cuon、Nem Cuonで生春巻きになる

 どんどんややこしくなる。

Nemはミンチをまとめたものって意味になるらしい

 言われてみると、ネムなんとかという名称だと、だいたい揚げ春巻きのようななにかだったりする。つまりは、ミンチにしたものをまとめた食べものなのかな。春巻きの餡もある意味ではミンチしてまとめたようなものだし。

 それとは別にクオン(cuon)があると。でも、生春巻きってゴイクオンって呼ぶって聞いていたが?

Goi Cuonは南部での生春巻き。Nem Cuonは北部のそれ

 だそうだ。ボクはなぜか南部の呼び方で憶えていたみたい。でも、ハノイでも普通に通じるけどね。

Cha Gioは南部の揚げ春巻き。Nem Ranが北部の揚げ春巻き。それぞれ名前が変わる

 上記は送ってもらったママなのだが、Cha GioではなくChao Goiなのでは?

 >>(追記)Gioで合っているそうです。指差し会話帳にもGioとあった。もうひとつつけ加えると、指差し会話帳のベトナム語版は生春巻がゴイクオンになっている。初めてベトナムに行ったときは同書を持って行ったので、それでボクはゴイクオンで憶えていたのだと思う。<<

 いずれにしても、ベトナム語は北と南で違いすぎる。タイ語もバンコクのタイ語と方言では単語そのものが違ったりする場合もあるが、全部が全部ではない。ベトナムは生ビーツもハノイではビア・ホイ、南部はビア・トゥオイと全然違う。ただでさえ難しいのに、呼び方がまったく違うというのは勘弁してほしいところだ。

 まとめると、ネムはミンチにした食材、ナムなんとかで春巻きのようなもの、それとは別に巻くというクオンがあり、南部と北部で全然単語が違う。こういうことになる。

 ちなみに、タイのネームとベトナムのネムチュアの関係性はどうなのだろうか。

แหนมとNemの語源についてはわかりまへん

 結局ネームとネムの関係はわからないみたいで。これに関してはホントどこにも書かれていない。まったく言葉が違うし、国も接していないのに、こんなにも呼び方が似ているなんてあるのだろうか。これについては今後本当に調べてみたいと思う。

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