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【閲覧注意】ベトナム人のごちそうのひとつ『犬』

 クジラを食べたことなんて数えるほどもないので、「今日はどうしても食べたい」なんて気分になることはない。とはいえ、外国人に捕鯨反対発言はまだいいとしても、日本人がクジラを食べることをとやかく言われる筋合いはないと思う。食は文化だ。勝手に自身の文化に照らし合わせて批判することは許されない。

 だから、とやかくボクも言うことはできないが、でもやっぱり犬食は正直理解できない。ベトナムやラオスでは犬の肉を食べる文化があって、ベトナムならハノイなどの北方では今でも犬のレストランを見かける。

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 パッと犬肉を見た感じは決してまずそうではない。ベトナムやラオスではこのように焼くことが多いようだが、鍋にして食べることもあるようだ。

 正直に言えば、一度食べたことはある。もしかしたらおいしいかもしれないし、その土地の文化を理解するひとつかと思った。でも、3切れも食べられなかった。まずいのではない。豚肉と牛肉の中間的な、なにも言われなかったらそのまま食べられるくらい、味は悪くない。

 でも、やっぱり食べものとして認識していないので、噛むまではできても、どうしても飲み込めない。柴犬だとか、ゴールデンレトリバーといったかわいい姿が思い浮かんでしまって、どうしても食べられなかった。

 20歳のときにインドに数か月いたときに、ガンジス川のバラナシで沈没生活に入った。あのエリアは肉がかろうじて鶏肉しかない。普段豚肉とか牛肉を狂おしいほどに欲するなんてなかったけれども、1ヶ月も食べないと無性に食べたくなる。

 犬の肉にそういった感情がボクには湧かない。でも、現地人にはおいしく感じる。だからこそ根づいているわけだ。ベトナムもラオスも、特に男性が夜遊びの前に食べると言われている。ボクはラオスのバンビエンで食べたのだが、ハッピーシェイク(大麻入りのバナナシェイク)を出す店の店主(男性)に連れて行ってもらった焼犬肉店で2パックの肉を買った。でも、食べられなくて、店主に友だち呼んで食べさせて、って言ったら、友人は飛んでやってきたよ。それくらい好きらしい。

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 ハノイの犬肉の店は何か所かにあるらしいけれども、外国人観光客でもわかりやすいのはドンスアン市場の近くだ。コロナでどうなっているかわからないけれど、下記の斜めになった通りに店が何軒かある。

 下記マップの西の方に大きな湖があって、その北にちょっと行ったエリアが犬肉店がたくさんある場所で有名だったらしい。でも、今はほとんどないらしい。いくらハノイでも徐々に犬を食べる習慣は減りつつあるらしいのだ。

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 ベトナム語で犬はチョーという。「Thịt chó quay」の真ん中のchoが犬で、こう書くと犬焼肉という意味なんだとか。ホーチミンでは見かけないが、中部のダナンでは1軒だけ犬焼肉屋台を見かけた。

 そもそも、以降に画像を貼るが、犬は1匹から取れる肉の量が少ない。だからやや高いというのはあるけれども、非効率で、採算が合わないようでもある。そのため、ベトナム国内では犬肉を出す店が減りつつあるのか。また、大きな問題として、飼い犬の窃盗も多いようだ。盗んで食べたり、焼肉店に売るのだ。

 これがベトナム国内の問題ならまだいい。実はタイにもこの問題が波及している。タイではサコンナコン県の一部の通りに暮らす人にかつては犬食の習慣があったらしい。これはあくまでもボクの推測だが、この辺りはベトナム系の移民もいたし、ラオスも近いので、その血が濃いエリアだったのではないか。

 聞いた話では、タイ北部の山岳民族にも犬を食べる村落があるという。家畜を飼いにくいので、貴重なタンパク源として利用されているようだ。また、本記事ではベトナムとラオスに犬肉食の文化があるとしているが、ベトナムだとホーチミン、ラオスではビエンチャンでもあまり見かけないので、主要な食材というわけではないようだ。あと、カンボジアにも犬食の文化はあるみたいだ。これは見かけたことがないのであえて書かなかったが、2020年中ごろにアンコールワットがあるシェムリアップ州が犬肉の売買を禁止したというニュースがあったので、実際に食べる世帯もあるようだ。

 いずれにしても、タイでは法令によって犬を食べることは基本的には禁止されている。鹿肉など、日本で言うジビエもタイでは売買が禁止されている。認可された養殖場で食肉用に育てられた獣肉しか流通の許可が出ないので、だから犬の肉が出回らないのだと思う。

 しかし、タイ国内にはベトナムなどに関係した犬肉の問題がある。というのは、悪徳業者が野良犬や飼い犬を捕まえてトラックでラオスを経由してベトナムに運んでいるとされるのだ。

 犬肉調理の際は、中国や朝鮮方面も同じらしいが、わざと犬を苦しめることが大切なのだとか。強いストレスをかけることで筋肉に乳酸菌を出させる(うろ覚えの知識・・・)。それが死後硬直を早め、肉質がよくなるのだとか。そのため、タイで捕獲した犬はトラックにぎゅうぎゅう詰めにして運ぶ。中には圧死する犬もいるくらいだ。

 そういった話も知っていたので、なおさらボクは犬を食べることができなかった。

以降はハノイで見かけた犬肉料理の画像だ。ショッキングが画像も含まれるので、ご注意を。


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 ラオスでもそうだったが、とりあえず丸焼きにするからなのか、店先に犬の頭を置いている。どれも牙が出ていて、犬を食べる習慣がないボクからすると、なおさら食欲が減退する。現地人は逆にこれを食べることで精がつくと考えているようだ。犬肉は体温を上げる効果もあるとされる。

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 胴体の断面。どう見ても肉が少ないので、食用にするには非効率的に見える。

 聞いた話では、黒毛→赤毛の順で肉質がいいと考えられているとか? だから、中国では食用犬としても飼育されていたチャウチャウが茶色い=赤毛だと聞いた。

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 焼肉を切ったもの。皮の雰囲気などは知らなければ子豚の丸焼きに見えなくもない。

 ちなみに、ラオスで犬を食べたとき、宿への帰りの道で近隣の野良犬たちに一斉に吠えられてしまった。たぶん、犬の肉の臭いがして敵と認識されたのかも。

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 店先にはこういったものもあった。臓物なのかな。犬肉とかそれ以前に、洗面器に食材を入れるような感覚自体がやっぱり日本とは衛生観念とかが違うのだな。

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 洗面器の黒いものはソーセージみたいなものだ。犬の血で黒いらしく。あとは脂肪とか、肉とかを詰めている。焼いているのか煮ているのかはわからない。

 それから、洗面器にも入っているが、画像下はレバーのようだ。これも慣れないと食べられない味のようで。要するにクセが強い。

 ちなみに、ボクはラオスで懲りているので、ここハノイでは犬肉を食べていない。だから、このソーセージもレバーの味もわからない。あくまでも食べた方に聞いた話だ。いや、まあ画像はボクが撮影しているので、つまりは目の前で食べた感想をその場で聞いたのだが。

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 一緒に出てきたのがこの野菜だ。レモングラスの葉が丸ごと。そう言えばラオスでは大きな香草に包んで食べた。ということは、現地人も犬の肉に臭みを感じているのでは?

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 これはカレー粉のようなスパイスで味つけされた犬の肉の串焼きだ。これもボクは試していないので味はわからないが、先の普通の炭火焼きよりも食べやすいらしい。

 って、やっぱり臭みがあるのではないかと思うわけで。そこまでして食べる必要があるのだろうか。冒頭でも書いたように、ベトナムやラオスの犬肉食文化を批判をする気はないが、やっぱりボクには犬肉は無理だ。

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