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6月16日(火)マーケット情報〜注目される日米中銀の動き〜

おはようございます。

昨日のNY市場は、朝方の下げから一転し上昇した。主な背景としては、FedがSMCCF下における米社債の買い入れ開始、4兆ドル規模の支援策が出揃い中堅・中小企業支援策の拡充をしたこと、6月のNY連銀の製造業景気指数が前期比40ポイントの上昇とサプライズがあった。

先週の株大幅下落でメインに下げた金融セクターの戻しが大きかった。

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株価上昇要因を振り返る。

(1)Secondary Market Corporate Credit Facilityでの社債購入



(2)  今回出揃ったFed支援策発表は、中堅・中小企業、大企業、州政府、個人・中小と全てのセクターに対して網羅するものだった。中堅・中小企業に対しては、資金調達難の企業に融資、支援枠は6,000億ドル、融資期間5年間。


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(3) ニューヨーク連銀が発表する、ニューヨーク連銀製造業景気指数とは、ニューヨーク州の製造業における景況感を示す経済指標のことで、仕入価格・販売価格・新規受注・出荷・入荷遅延・在庫水準・受注残・雇用者数・週平均就業時間などの各項目について調査したものを指数化したものだ。

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(番外編)東京時間に惑わされるな!


金利と為替(ドル円相場)です。

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米金利は昨日のNY市場の上昇に添う形で上昇した。ドル円相場は、ドル円の実質金利差が拡大する一方ついていく傾向は乏しく、レンジ相場となった。金利差よりも、貿易収支の直接的な影響比重が重くなってきている。4月の貿易統計はマイナス1兆円の貿易赤字となった。5月の発表は17日に控えている。その発表をうけてドル円は上下する可能性がある。

(下記事でも触れているが米YCC導入の場合、さらに実質金利差の影響減少も)

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(参照:財務省貿易統計 https://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2020_04.pdf


コロナ感染状況(米国内、国別)




今日の注目は、15:30 からの金融政策決定会合を終えた黒田総裁の定例記者会見です。大きな政策などはうってこない可能性が大きいと予想されているなか、サプライズに注目です。


それでは、これまでの国内外のニュースを振り返ります。

まずは、日経新聞からです。


1面:コロナと企業 変わる土俵(1) 進化か退場か、迫る覚悟 崩れる成功モデル 危機生き抜く3条件

新型コロナウイルスの感染「第2波」が懸念される主要国。企業は感染予防という新たな制約が課され、戦う土俵は変わる。進化か、退場か。危機を乗り切るにはビジネスモデルの転換が欠かせない。適応力、デジタル、耐久力――。この3つを備えた企業だけが生き抜ける。

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経済:雇調金引き上げ 申請済みも対象 休業手当増額、さかのぼり支給

厚生労働省が雇用調整助成金の政策を再び見直す。助成上限額を1日1万5千円に引き上げることに伴い、申請や支給が終わった企業も対象に加える。これまでの助成上限である8330円以下で休業手当を従業員に支払った企業が過去の手当を増額すれば、国がさかのぼって追加の助成金を支給する。事務処理が集中する懸念があり、迅速な支給が課題だ。

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金融経済:世銀の「パンデミック債」に誤算
途上国感染増なら支援原資に 条件厳しく発動遅れ

世界銀行が途上国の感染症対策を支援するために発行した債券(パンデミック債)に、失望が広がっている。パンデミック債は利回りが高い一方で、条件を満たすと投資元本を取り崩して途上国の支援に回す。新型コロナウイルス禍では発動条件の調整が長引き、資金の供給が遅れた。今後の感染症対策の財源として不安視する声が高まっている。

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パンデミック債は、大規模災害の対策資金のために発行する大災害債の一種。新たな感染症の発生に備えて、あらかじめ資金を確保しておくために発行する。

世銀は2017年6月にパンデミック債を発行し、合計3億2000万ドル(約340億円)を調達していた。金利はロンドン銀行間取引金利(LIBOR)にそれぞれ6.5%、11.1%を上乗せされる。高い金利が投資家を引き付け、起債額の2倍の需要を集めた。

資金供給の発動条件を満たせば、世銀が作った組織「パンデミック緊急ファシリティ(PEF)」を通じ、感染症に直面する途上国に「迅速に」資金が提供されるはずだった。資金支援の詳細が決まったのは4月27日で、迅速とはほど遠かった。理由を解き明かすと、債券の設計上の誤算が浮かび上がった。

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まずは発動条件の見直しだ。条件の項目を減らすなど簡素にし、わかりやすくする必要がある。

それと同時に、投資妙味を高めることが不可欠だ。コロナで投資家のパンデミックへの認識は「めったに起きない事象」から、「今後も繰り返し起こる可能性がある事象」に変わった。需要を喚起するには、金利を高くするなど工夫がいる。


金融経済:苦境地銀に「永久」公的資金 コロナ特例、返済期限撤廃 回収困難「国有化」リスク

新型コロナウイルスの感染拡大で、金融庁が危機モードに転換した。12日に成立した改正金融機能強化法は公的資金の申請期限を4年延ばし、2026年3月にする。競争を促す地銀改革を始めて7年。返済期限の撤廃も売り物にしたコロナ特例で、守るべき最後の一線を越えたのか。

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金融経済:三菱UFJ銀、中国債券の決済代理資格 邦銀で初取得

三菱UFJ銀行は15日までに中国人民銀行(中央銀行)から中国債券の売買や管理を担う決済代理人の資格を取得した。海外投資家が中国本土の債券市場で直接取引するには決済代理人を介するのが原則で、三菱UFJ銀は邦銀初の指定となった。既存の香港経由の取引に比べて取引相手が増えるため、長期で大規模の投資がしやすくなる。

これまで日本の投資家による債券取引は香港経由の「債券通(ボンドコネクト)」と呼ぶ手法がほとんどだった。取引相手は10社に限られ、短期売買が中心となる。投資残高も海外投資家による本土直接取引の1割程度だ。三菱UFJ銀は年金などの長期投資を仲介し、中国本土市場に広げる。


マーケット総合1:午後2時、突然の急落劇 第2波の影、経済政策催促

15日の東京株式市場は、悪材料に敏感となった投資家の売りが午後にかけて膨らんだ。米連邦準備理事会(FRB)の資産規模の伸びが鈍化する中で、新型コロナウイルスの感染「第2波」を警戒させる国内外のニュースが相次ぐ。先物主導の買い戻しが先週までに一巡。もう一段の景気低迷への不安から、新たな経済政策への「催促相場」となっている。

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市場が急変したのは午後2時前後だ。日経平均株価と逆の値動きになる上場投資信託(ETF)「NEXT FUNDS日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」にまとまった買いが入り、これまで相場上昇を見越していた投資家から先物の売りがかさんだ。前場の下げが限定的で、日銀による上場投資信託の買い入れ条件とされる下げ幅に届かなかった。積極的な買い手不在の状況になったことも下げに拍車をかけた。

ある外資系証券のトレーダーは後場にかけての急落を「特に大きな材料が出たわけではなく、押し目買いが積極的に入らないことを見越した短期筋の売り仕掛けによって、買い持ち高を投げさせられた投資家が多い」と指摘する。

10日の発表では資産規模は7.1兆ドルと前週と比べてほぼ横ばい。3月以降、潤沢な資金供給を目指して資産規模を50%以上増やしてきたが、伸びが止まった。日米株は各国の金融緩和や財政政策を支えに3月下旬から上昇基調にあった。FRBのバランスシートの膨張が止まったことは「金融相場のいったんの終焉(しゅうえん)を表す」(東海東京調査センターの平川昇二氏)との声がある。


マーケット総合2:FRB、金利誘導目標を検討 「動かぬ円」定着も 金利差、変動しにくく

米連邦準備理事会(FRB)が新型コロナウイルス対応の次の一手として、国債利回りに誘導目標を設ける政策を検討している。日銀も導入する「イールドカーブ・コントロール(YCC)」という手法だ。実現すれば対ドルの円相場の動きが一段と膠着するとの見方が市場で広がっている。

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米国版YCCは日銀が誘導目標とする10年債より短い金利がターゲットになりそうだ。このため日米の長期金利差が全く動かなくなるわけではないが、ダイナミズムを失う可能性は高い。みずほ銀行の唐鎌大輔氏は「今後は金利差が相場材料でなくなる」と指摘する。

円相場の値動きが安定していることは、円高を警戒する政府・日銀や、為替変動で収益に大きな影響を受ける輸出入企業にとっては歓迎すべきことだ。ただ、為替売買で収益を得ようとする投資家にとっては収益の減少につながる。円の対ドルの取引が低調になれば、国際的な円の存在感の低下にもつながりかねない。


続いて、Bloombergからです。

Things You Need to Know

Beijing wants four more years of Donald Trump. That's the view of current and former Chinese officials who see the government increasingly favoring the incumbent because, they say, he'd be less effective at containing China than Joe Biden. The leadership is resigned to worsening relations with the U.S., given bipartisan support for a tougher line. While Biden might do less damage to trade, he'd also work with America's alliance network, which they say Trump is destroying.

The Fed spurred the turnaround with the announcement that it'll begin buying individual corporate bonds under its Secondary Market Corporate Credit Facility. To date, the emergency lending program has purchased only ETFs. The central bank also added a twist to its buying strategy, saying it would follow a diversified market index of U.S. corporate bonds it created expressly for the facility. The central bank also launched its facility for small and mid-size businesses, and encouraged lenders to start making loans immediately.


Chart of the Day

The BOJ probably won't touch its main policy levers—interest rates and asset purchases—today, people familiar said. Instead, policy makers will assess measures taken so far, and many economists expect the central bank to boost in the size of its loan program. It may also express its willingness to do more if needed to combat the pandemic's fallout.

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What to Keep an Eye on

China will sell 1 trillion yuan ($140 billion) of special sovereign bonds by the end of July, with proceeds going to combating Covid-19's fallout, people familiar said. This will include an auction of 50 billion yuan each of 5-year and 7-year debt on June 18, the Ministry of Finance said. The government also plans to sell 10-year bonds.

Credit watch: United Airlines is planning to raise $5 billion by borrowing against its customer-loyalty program. American Airlines is in talks to raise new financing, working with Citigroup on a potential junk bond offering that may be secured by collateral including airport slots and gates, people familiar said. PG&E filed to offer senior secured notes. Hertz will sell up to $500 million of shares the company warned may be worthless.


今日発表の注目経済指標

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今日も最後まで読んでいただき有難うございました。


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