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7月10日(金)マーケット情報〜迫る大統領選とFed資産〜

おはようございます。

昨日のNY市場は、フロリダ州の感染拡大と原油価格の下落からエネルギー銘柄、WFの人員削減などのニュースからダウ指数は下げた。ナスダック指数は上昇した。

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米長期金利は-5bpsと0.61%とリスクオフ、ブルフラットニング。DXYは96.74(+0.40%)、ドル円相場は107円20銭台と円高基調。

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FedのBS減少。

・7/8時点。小幅ながら4週連続減(883億㌦減)で7兆㌦割れ
・減少の大半はレポや海外中銀ドル供給。ともに短期資金やドルの逼迫への非常対応で「前向きな」減少
・資産購入は3月より急減も増額続く
・ただFed資産と株価を機械的に結びつける投資家もおり、株価にネガティブに働く可能性も

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米失業保険継続受給者(減少傾向だが以前高止まり、今月末期限切れ予定の特別給付の動向注目)

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米30年債入札堅調

日銀さくらレポートは、全ての地域で引き下げ。


総合1:米経済「財政の崖」迫る 個人所得4兆円消失や航空6万人削減懸念

米経済に新型コロナウイルス対策の期限切れによる「財政の崖」が迫っている。7月末には失業給付の増額措置が打ち切りとなり、月400億ドル(約4兆3000億円)超の個人所得が失われかねない。航空会社の雇用支援も9月末で切れ、最大6万人の人員カットの懸念が浮上してきた。

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野党・民主党は失業給付の特例加算を来年まで延長するよう求める。トランプ氏は大人で最大1200ドルという現金給付の第2弾も検討。社会保障に充てる基幹税である「給与税」引き下げも主張しており、追加の財政出動議論が加速する。

ただ、失業給付は特例を合わせると平均週1000ドル近くなり「失職者の76%が以前の給与水準を上回る失業給付を受け取っている」(米ゴールドマン・サックス)。自助努力を党是とする共和党は「給付は過大で、職場復帰の妨げになる」と特例打ち切りを主張する。

米連邦政府は財政赤字が年4兆ドルと前年の4倍に達し、GDP比でみれば第2次大戦時並みの水準に膨張しつつある。米議会予算局(CBO)は、米経済がコロナ危機前の水準に戻るのは22年半ばと予測する。景気を財政だけで支えるのは限界がある。とりわけ世界の航空需要は危機前の水準に回復するまで4年かかるとみられ、雇用維持策の延長論は早々に消えた。財政は「崖」のリスクとともに、その持続力も問われる。


金融経済:銀行、事業会社経営へ 後継難の中小廃業阻止 りそな、来春にもファンド

事業の引き受け手がいない中小企業が廃業するのを防ぐため、銀行自ら受け皿ファンドを創設し始めた。金融庁が事業承継なら事業会社への出資規制を解禁したため、買収も視野に入れる。銀行がホテルや町工場、スーパー、ガソリンスタンドなど事業を経営する時代がやってくるかもしれない。

りそな銀はファンドを通じ、事業承継先が見つからない取引先に原則として100%出資する。一定以上の経験のある中堅層以上の行員も派遣する。財務改善や企業価値向上を実現させなければ、いつまでも次の引受先が見つからない状態に陥りかねない。雇用を維持し、経営者の意向を尊重しながら、銀行取引とどう両立させるか。単なるマッチングを超えて、引受先を見つける責務を負うことになる。

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銀行が買収ファンドを創設するのはこれまで考えられなかった。日銀のマイナス金利政策の結果、集めた預金を貸し出しに回しても利益を生まない構造がはっきりした。岩永社長は「銀行の役割が変わってきた」と話し、「日本の銀行はカネ余りでレートをたたき合い、事業創造をほぼ忘れていた」と反省する。「事業家目線を持たないと、融資をしても金の生かし方がわからない」と言い切り、一線を越えることにした。

銀行による事業会社への出資は議決権ベースで原則5%だが、金融庁が昨年秋に規制を一部緩和。事業承継が目的の場合、最長5年に限り投資子会社を通じ、株式の保有禁止規制を解禁した。ただ、りそなのように一線を越えるのは容易ではない。

ある地銀首脳は「取引先を守り、地域を守るのに融資は限界。買収するか検討している」という。ただ、「自己資本規制の関係上、多額の株式を取得するのは体力的に難しい」と嘆く。バーゼル銀行監督委員会で国際公約した規制を守る必要があるからだ。


国際・アジア:米景気浮揚へ7000億ドル バイデン氏、経済対策発表

11月の米大統領選で民主党の候補指名を固めたバイデン前副大統領は9日、米国製品購入などに7000億ドル(約75兆円)を使うことを柱とした経済プランを発表した。少なくとも500万人の雇用創出を促す計画で、大統領選のカギを握る労働者票の取り込みを狙う。

具体的には製造業の復活に向けて連邦政府が米国製品の購入に4000億ドルを投じる。インフラ整備やクリーンエネルギー導入とあわせ、米国の原材料やサービスに新たな需要を生むと見込む。連邦政府が調達で米国製品を優先する「バイ・アメリカン条項」も厳格に適用する。

米国内での次世代通信規格「5G」や人工知能(AI)への研究開発にも3000億ドルを投資し、高品質の雇用を創出するとした。ハイテク分野で覇権争いが激しくなる中国に対抗する狙いもある。製造業のサプライチェーンを米国に回帰させ、医療物資などの調達で中国に依存しない体制をつくるとも強調した。

投資計画では職業訓練などを通じて全ての米国人に恩恵が及ぶものにすると説明した。黒人を対象とした人材育成や小規模事業者への投資を重視し、経済状況が厳しい地方にも丹念に目配りするという。

税制や貿易政策では、「労働者に優しいものにする」と指摘したうえで「トランプ政権の有害な政策を正す」と訴えたが、具体策には言及していない。

バイデン氏は9日に東部ペンシルベニア州で開くイベントで、経済プランの詳細に関して触れる見通しだ。


国際:EU復興基金「夏前合意を」 メルケル氏、譲歩訴え オランダなど4カ国反対

7月に欧州連合(EU)議長国に就いたドイツのメルケル首相は8日、新型コロナウイルスで打撃を受けた経済復興のための復興基金で、夏前までの合意が必要と表明した。被害の大きい南欧を中心に景気は下振れする見通しで早期に支援体制を整える狙いだが、加盟国間の対立は深い。

EUの議長国は半年ごとの輪番制。クロアチアから引き継いだドイツは12月までEUの合意形成を主導する。メルケル氏は欧州議会の演説で「すべての国の譲歩が必要」と呼びかけ、夏休み前に合意したいと訴えた。欧州委は7日、2020年の成長率予測を下方修正し、南欧の景気回復が予想より遅いことが分かった。

EUは17~18日、コロナ拡大後初の対面での首脳会議を開く。中心議題は復興基金だ。欧州委は5月、経済の早期回復に向け7500億ユーロ(約91兆円)規模の基金案を公表。欧州委が全額を市場から調達し、5千億ユーロを返済不要の補助金、残りを返済が必要な融資とする。被害が大きい南欧や中核国の仏独は同案を支持するが、財政規律を重視する「倹約4カ国」(オランダ、オーストリア、デンマーク、スウェーデン)は反対する。

このグループは補助金形式はモラルハザードを生むなどとして反対し、基金の全額を融資形式に改めるよう主張してきた。その上で支援を受けた国が財政改革を約束し、その実行度合いの監視が必要と訴えている。

倹約4カ国が強硬なのはなぜか。英国のEU離脱が関係している可能性がある。英国はEUへの純支出国で倹約4カ国と同じ立場だった。英国という仲間を失い、財政規律派としていつもは歩調を合わせるドイツも、合意のまとめ役に回った。

この結果、倹約4カ国のEU内での立場は相対的に弱くなった。さらなる資金貢献を求められる事態を恐れ、姿勢を硬化させているようだ。このことが「交渉を一段と難しくしている」(ブリュッセルに本部を置くシンクタンク、ブリューゲルのウルフ所長)。

合意には全会一致が必要とはいえ、倹約4カ国への支持は広がりに欠け、立場は厳しい。ミシェルEU大統領は近く、欧州委案を基に新たな案を提示する方針だが、南欧などから「弱い妥協は受け入れない」(イタリアのコンテ首相)との声もあり、大きな変更は見込みにくい。

一部では17~18日の首脳会議では合意に至らず、7月に再び首脳会議を開く観測も浮上する。倹約4カ国にも振り上げた拳を下ろす場所は必要で、メルケル首相とEU執行部がどう合意を演出するか、手腕が問われる。


国際:英、コロナ対策で付加価値税率下げ 20%→5%、飲食・劇場など対象

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英政府は8日、追加の経済対策として飲食、宿泊、娯楽の業界を対象に、日本の消費税にあたる「付加価値税」の税率を現行の20%から5%へ引き下げると発表した。新型コロナウイルスの打撃が大きい業界を支える。休業者の給与補助は予定通り10月に終了し、膨らむ財政負担にも目配りする。

付加価値税の引き下げはレストランやパブ、ホテル、劇場などが対象となる。15日に開始し、2021年1月12日までの時限措置とする。41億ポンド(約5500億円)の減税規模となる見込みだ。英国が新型コロナの感染拡大以降で付加価値税を引き下げるのは初めて。

社会保障の安全網も充実させる。生活保護にあたる「ユニバーサルクレジット」を受給する16~24歳の若者を雇った企業には6カ月間、最低賃金分の給与を政府が肩代わりする。立場が不安定な若年層に対象を絞りつつ、失業の長期化を防ぐ。

一方、スナク財務相は8日、政府が3月から続けてきた全業種の休業者の給与の8割を肩代わりする対策を期限通り10月末に終わらせる方針も示した。10月末の失業急増を防ぐため、休業者を解雇せずに21年1月まで雇い続ける企業には1人あたり1000ポンドを支払う激変緩和措置も設けた。スナク氏は「こうした対策は永遠に続けることはできない」とし「中期的には持続可能な財政の軌道に戻す必要がある」と強調した。


投資情報:ニッポン株式会社 不振の断面(下)ROIC、5年ぶり低水準 投下資本利益率、前期4.6% 積極投資も利益伸びず

上場企業の2020年3月期の投資効率は大きく落ち込んだ。事業活動に投じた資本を使ってどれだけ利益を生み出したかを示す「投下資本利益率(ROIC)」は4.6%と5年ぶりの低水準となった。株主や債権者から求められている収益率を下回ったようだ。積極投資にもかかわらず利益が伸び悩んでいたところに、新型コロナウイルスの感染拡大が追い打ちをかけた。

東証1部の約1320社(金融など除く)を調べたところ、20年3月期のROICは前の期比1.6ポイント低下し、アベノミクスが始まった13年3月期の水準に逆戻りした。

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コロナ禍は上場企業の投資効率を大きく悪化させた。ROICは税引き後営業利益率と、売上高を投下資本で割った「投下資本回転率」に分解できる。20年3月期はいずれも悪く、税引き後営業利益率は4.24%と7年ぶりの低水準。投下資本回転率も1.09回と過去20年で最低だった。

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もっとも、ROICはコロナ前から改善が鈍くなっていた。13年3月期以降、投下資本が急増して500兆円超に膨らんだのに対し、ROICの直近ピークは18年3月期の6.44%どまり。投下資本が371兆円だった08年3月期(6.78%)を超えられない。

上場企業はM&A(合併・買収)や設備、店舗などに積極投資し、有形固定資産は12年3月期に比べて1.2倍、のれんは2.2倍に増えた。だがそれに見合った利益を上げられずにいる。SMBC日興証券の伊藤桂一氏は「国内は有望な投資機会に乏しい。投資効率を上げられないなら株主に還元すべきだ」と語る。

20年3月期はROICが低下したことで、株主や債権者が企業に求める収益率(WACC)を満たせなかったようだ。「伊藤レポート」が自己資本利益率(ROE)の目安とした8%を株主資本コストと設定。支払利息を有利子負債で割った利子率から算出すると、前期のWACCは5.3%となる。ROICはこれを1ポイント弱下回った。

一般にROICがWACCを上回らなければ、企業は価値を生み出せていないと見なされる。ニッセイ基礎研究所の井出真吾氏は「21年3月期もROICがWACCを下回るのなら、株価は上値を追いにくい」と指摘。「コロナ禍は不可抗力とはいえ、経営者は早期に業績回復の道筋を示す必要がある」と話す。

▼ROIC 税引き後営業利益を、事業に投じた資金である自己資本と有利子負債の合計(投下資本)で割って算出する。自己資本利益率(ROE)と異なり財務レバレッジの影響を受けず、投下資本全体の稼ぐ力を測ることができる。投下資本は運転資本と固定資産の合計から求める方法もある。
 ▼WACC(加重平均資本コスト、ワック) 株主や債権者が企業に期待する収益率。銀行などから借り入れた負債に対するコスト(負債コスト)と、株主から調達した資本に対するコスト(株主資本コスト)を加重平均する。負債コストは支払利息に当たり、株主資本コストは配当や株式の値上がり益を指す。


マーケット総合2:外債、5週ぶり売り越し 国内投資家、米の金利低下受け

財務省が9日発表した6月28日~7月4日の対外証券投資の統計によると、国内投資家は海外の国債を中心とした中長期債を5228億円売り越した。売り越しは5週ぶり。米国債の金利が低下し、投資先としての魅力が薄れた。

取得額は10兆2163億円、売却や償還などの処分額は10兆7392億円だった。6月上旬には今年度で最大となる1兆6829億円を買い越していたが、一転して4月下旬(1兆1076億円)に次ぐ売越額となった。

背景にあるのは米国の金利低下だ。6月上旬には新型コロナウイルスからの経済再開期待からリスク選好の動きが強まったため、安全資産とされる米国債が売られ、長期金利は一時1%に迫る水準まで上昇していた。

しかしその後に感染再拡大の懸念が高まり、香港情勢をめぐってリスク回避の動きも出たため、国債の買いが進み長期金利は下落。6月下旬以降は0.6%台が定着し、利回りの魅力が薄れ売りが進んだ。

米連邦準備理事会(FRB)は長短金利の操作など金利の低位安定に向けた政策を検討している。三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩氏は「当面、米金利には低下圧力が強いだろう」と話している。

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経済教室:国際貿易体制の行方(上)コロナ後も国際供給網 堅固 ミレヤ・ソリース ブルッキングス研究所東アジア政策研究センター長

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<ポイント>
○中国は国際自由貿易の推進者になり得ず
○医療物資など巡り輸出保護主義が顕在化
○経済ナショナリズムや国内依存はリスク


The Bloomberg Open Asia Edition

Washington isn't letting up on Beijing. The U.S. is finalizing a contract ban on firms using Huawei, Reuters said, and put sanctions on four top Chinese officials—including Politburo member Chen Quanguo—over human rights abuses in Xinjiang. ByteDance may move TikTok abroad or create a new board for it in response to earlier American threats, people familiar said.

Donald Trump must give up his tax returns. The Supreme Court ruled the president has to comply with a New York grand jury request for his financial records, rejecting the argument that he has complete immunity from criminal investigation while in office. However, the justices also blocked congressional access to the information, returning that case to the lower courts. The decisions guarantee more litigation, meaning it's unlikely the records will be public before November's election.

New U.S. jobless filings declined more than expected last week, but remained elevated. Initial claims fell to 1.31 million from a revised 1.41 million the week before. New Jersey and Nebraska saw the biggest jumps, while Georgia had the highest claims rate as a percentage of the workforce. Continuing claims also slipped more than forecast to 18.1 million from a revised 18.8 million.

When Singaporeans go to the polls today they'll be asked to sanitize their hands, put on disposable gloves and vote, ideally in less than five minutes, all part of new guidelines aimed at ensuring safety, the city-state's elections department has said. This comes as the seven-day moving average of new local coronavirus cases has climbed to about 16 per day, the most since its "phase two" re-opening began on June 19. Campaigning was heavily reliant on social media and online platforms, and candidates were seen doing socially distanced door-knocking sessions and fist bumps instead of handshakes and physical rallies amid the pandemic.

Financial titans from Vanguard to Nasdaq are weighing in on the crackdown on Chinese firms at an SEC roundtable. The backdrop: Lawmakers are mulling steps that may kick Chinese companies out of U.S. markets unless they fall into line on auditing practices to protect investors. But Vanguard invests in those companies and the NYSE and Nasdaq make millions by allowing Chinese shares to trade on their platforms.

Wells Fargo is preparing to cut thousands of jobs starting later this year, potentially setting a bleak precedent for an industry that's been resisting mass layoffs. Pressure to dramatically reduce costs is coming to a head inside the bank, people familiar said. Shares fell.

As if the year wasn't bad enough, China's embassy in Kazakhstan warned its nationals there about a novel pneumonia with a fatality rate far higher than Covid-19. More than 1,700 people died in the first half of the year from this disease, including 628 in June, it said via its website.


今日発表の注目経済指標

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