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6月29日(月)マーケット情報〜米コロナ第二波と経済見通し〜

おはようございます。

先週金曜日のNY市場はフロリダ州、テキサス州のコロナ感染拡大による一部経済停止(バーなどの閉鎖)、金融ストレステストによる銀行の配当制限を受け金融株の下落が三指数ともに大幅下落を招いた。

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為替と金利です。

米債10年物の利回りは0.64%と株売り、国債買いによる金利低下、債券価格の上昇となっている。ドル円相場は107円10銭台で推移。

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今週の注目経済指標は水曜日の7/1に発表される6月雇用統計だ。5月は予想値を大幅に改善し、ポジティブサプライズを産んだ。今回の予想値は300万人増。

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ISM製造業景況指数は49.6が予想され、景気状態の好転を表す50以上近辺に挑戦すると見られている。ここ最近は予想値より楽観的な数値、ポジティブ面が多いためネガティブなものが出てくると大きく反応しそうだ。

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6/25のIMFレポート詳細


6/26米金融ストレステスト詳細


新基準Stress Capital Buffer(SCB)編 (米銀配当等自動制限について)詳細


先々週発表のSMCCF個別買い入れ社債


1面:世界のコロナ感染者1000万人超す 死者50万人迫る  米ジョンズ・ホプキンス大集計

米ジョンズ・ホプキンス大によると、世界の新型コロナウイルスの累計感染者数は28日、1000万人を超えた。ブラジルなど新興国で新規感染が急増しているほか、先進国では米国で感染が再拡大し始めた。約6週間で倍増するなど拡大ペースは再加速している。(関連記事総合・経済面に)

新規感染 60カ国で最多 世界1000万人超す 中南米急増、米も再拡大

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米疾病対策センター(CDC)は抗体検査などをもとに、米国の実際の感染者数は約10倍に達する可能性があると推計する。単純計算で実際の感染者が2500万人超に達する。レッドフィールドCDC所長は「若者が感染拡大の大きな要因となっている。これまで無症状の若者は検査していなかった」と指摘する。

米政府集計によると、足元の新規感染者のおよそ半数が35歳未満。経済活動の再開に伴い営業を始めたバーなどに若者が繰り出すケースが増えており、南部のテキサス州やフロリダ州はバー営業停止などに乗り出した。

このまま、世界の感染拡大に歯止めがかからなければ、経済活動の正常化を模索する世界経済に深刻な影響が出そうだ。経済協力開発機構(OECD)は10日、年内に感染が再び拡大した場合、2020年の世界の実質経済成長率がマイナス7.6%に落ち込むとの予測を公表していた。

景気や雇用への副作用の観点から、再び大規模な都市封鎖に踏み切ることには慎重な国が多い。世界各国はすでに巨額の財政支出を実施しており、余力は限られる。

世界の累計死者数も28日、約50万人となった。約5000万人だったスペイン風邪など代表的なパンデミック(世界的な大流行)と比べるとまだ少ない。ただ、2002~03年にアジア中心に広がった重症急性呼吸器症候群(SARS)や、12年以降に中東などを襲った中東呼吸器症候群(MERS)と比べると被害は大きい。WHOによると関連死者はSARSが813人、MERSが858人だった。


経済教室:危機後の金融政策の枠組み(上)対面型産業の物価 注視を 渡辺努・東京大学教授

<ポイント>
○CPIの「総合」に基づく政策運営避けよ
○収束後も対面型産業の需要戻らない恐れ
○デジタル通貨切り替えなど新常態対応を

コロナ危機前と危機後は別世界との見方が少なくない。ならば中央銀行のあり方も今までと違うはずだ。日銀はコロナ前からデフレという難問を抱えるが、コロナ後にどんな課題に直面することになるのか。

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図はサービスからモノへの需要シフトを、クレジットカードの取引データを用いて示したものだ。2月後半からサービスの落ち込みが始まり、基本的に底ばいが続く。一方、モノ消費(スーパーでの支出)は堅調だ。

CPIの「総合」は、典型的な家計がサービスとモノにいくら使うかを調べ、それを基に加重平均している。現在用いられる値は2015年時点の消費データに基づくもので、例えば旅行のウエートは1万分の84だ。しかし今は旅行の支出額は激減している。ならば旅行の価格が下がっても家計には影響はない。

疑問を解くカギは価格の硬直性という概念だ。コロナ前のデータを用いた研究によれば、サービスの価格は変更される頻度が非常に低い。つまりサービスはモノと比べ価格が硬直的だ。

この性質がコロナ下でも変わらないなら、サービス産業では需要の大幅減の結果として、販売数量の大幅減と販売価格の小幅な低下が起きたと考えられる。一方、価格が伸縮的なモノ産業では、サービスからの需要シフトに伴って販売価格が大幅に上昇した結果、数量増は小幅にとどまった。

数量面に注目すると、サービスは大幅減、モノは小幅増なので、サービスの減少をモノの増加で吸収できず、全体として減少する。経済全体としての数量減はマクロの失業につながり、中銀として看過できない。

中銀にはびこる2つの対面の駆逐が急務だ。

一つは発券業務だ。銀行券は情報通信技術(ICT)のない時代に生み出された知的産物であり、日銀券は精巧な技術で他の追随を許さない。しかし日銀券を含め銀行券は当然、対面を前提としている。そのため銀行券は、名目金利がゼロより下がらないという制約を生み出し、現代の金融政策運営の最も大きな障壁となっている。銀行券のデジタル通貨への切り替えというニューノーマルへの対応を急ぐべきだ。

もう一つは調査・統計業務だ。日銀は政策形成の素材収集である調査と統計業務でも対面に依存しており、コロナ危機で困難に直面した。民間での意思決定の多くがデジタル情報を基になされる中で、米連邦準備理事会(FRB)など先進的な中銀は調査・統計業務でデジタルデータを活用する体制の構築を急ピッチで進めている。日銀は民間の保有するビッグデータの活用を急ぐべきだ。


Things You Need to Know

Another grim milestone. Global cases of Covid-19 surged past 10 million and are multiplying faster than ever—a rebuff to health experts and world leaders who had hoped the virus would fade away in the summer heat. The U.S. is adding infections at a record daily pace as the resurgence hits states like Texas, Florida and Arizona. The worldwide death toll topped 500,000.

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The PBOC will implement new monetary tools to make sure liquidity reaches the real economy. The central bank said it will increase the proportion of smaller company, credit and manufacturing loans, and continue to lower lending rates. It also reiterated that it will keep the yuan stable.


Chart of the Day

Just as the U.S. president urges American companies to ditch China, many of them can't get more of China fast enough. Consider the voyage of the container ship Melina, which set sail Wednesday from a Chinese port near Shenzhen with products bound for U.S. households. She'll dock a week ahead of a larger ship doing the same route—but with the extra speed comes a price that's as much as double the cost of standard transpacific service, which is already skyrocketing because the world's biggest shipping companies have scaled back capacity.

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今日発表の注目経済指標

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本日も最後までお読みいただき有難うございました。


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