見出し画像

6月2日(火)マーケット情報〜米黒人殺害によるデモと経済再開〜

おはよございます。

昨日のNY市場は、3指数とも上昇する形になりました。ダウ平均は+0.36%と先週末の下げから反発した形ですが、上値が重く、底値が堅いレンジ幅での取引となりました。経済再開による好感と米中対立(中国が米国農作物に対して制裁)、ミネアポリスの黒人殺害から派生したデモが全米で行われていることの悪材料が均衡を産んだイメージです。

スクリーンショット 2020-06-02 7.32.01

スクリーンショット 2020-06-02 7.32.20

昨日発表された、米5月ISM製造業景況指数は先月より1.6ポイント上げ4ヶ月ぶりに先月比上昇となりました。(結果:43.1 前回:43.5)市場にとって好材料ですが、上げ幅は限定的でした。

ドル円相場は107円後半で推移していますが、じり下げで107.5円台となっています。

金銀は上昇局面ですが、特に銀の上げが顕著で2月の最高値への前ね戻しまで0.5ぽいんとです。


それでは、これまであった国内外のニュースです。


まずは、日経新聞からです。

1面:米、深まる社会分断 試練の民主主義 デモ、60年代の公民権運動並み

白人警察官による米ミネソタ州の黒人暴行死事件(総合2面きょうのことば)が引き金となった全米の抗議デモは、公民権運動の旗手、キング牧師の1968年の暗殺時以来の騒乱に発展した。香港デモへの統制強化を進める中国への制裁を表明したトランプ米政権だが、自国のデモ鎮圧には武力行使も辞さない姿勢もみせる。矛盾の背後にあるのは根深い人種対立と新型コロナウイルスが露呈させた社会の分断だ。米国の動揺は、世界の民主主義が抱える厳しい試練を映し出している。

人種対立に加え、コロナが浮かび上がらせた所得や医療水準の格差の広がりが、デモを一段と過激にする。

米欧の民主主義のほころびと見た中国は、世界での影響力を強めようとしている。中国外務省の趙立堅副報道局長は1日の記者会見で「どうして米国は香港警察を非難し、一方で自国の抗議活動への参加者を銃で脅かすのか。典型的な二重基準だ」と米国を皮肉った。

中国は「一国二制度」を骨抜きにする香港国家安全法の制定を一気に進め、トランプ大統領が進める対中強硬の路線に真っ向から対抗する構えをみせる。米国で燃えさかるデモの光景は、一党支配と強権的に国民を抑え込む体制の優位を再認識させるかもしれない。

第2次世界大戦後、民主主義が人種、所得や社会の溝をある程度埋められたのは、豊富な働き手世代が支える高い経済成長の効果が大きかった。人口高齢化で成長が頭打ちになるなかで、その源泉が細り始めている。転機となったのが2008年のリーマン危機だ。社会の分断への不満・不安が世界中で大衆迎合主義(ポピュリズム)や強権政治の台頭を招き、民主主義には逆風が吹きすさぶ。さらに押し寄せたコロナ禍は民主主義の展望を一段と曇らせた。トランプ流への不満とコロナ禍が増幅させる米国の分断が、世界が育んできた民主主義の基盤を危うくしかねない。全米規模の動乱の広がりは、そんな現実を映し出している。

夜間外出禁止、40都市超 トランプ氏、憲兵隊派遣も視野

スクリーンショット 2020-06-02 6.40.43


1面:コロナ債、世界で13兆円 医療整備・企業支援に活用

世界的な金融緩和の中で、新型コロナウイルス対策を掲げる債券(コロナ債)に資金が集まっている。医療体制の整備や企業の資金繰り支援などを目的に、発行は国際機関から国家へと広がる。ESG(環境・社会・企業統治)重視に変わりつつある機関投資家にとっても投資しやすく、世界での発行額は13兆円を超えたが、実際の使い道の監視など課題もある。

コロナ債には国際的な枠組みに沿って発行し、発行後の情報開示も厳しい「社会貢献債」などと、資金使途をコロナ対策とする通常の債券がある。金融緩和による低金利で運用に苦慮する機関投資家にとって、ESGにあたるコロナ債は有望な投資先になっている。


経済:資金繰り支援 持久戦へ 企業の短期借入金1~3月12%増 コロナ禍、夏以降も警戒

スクリーンショット 2020-06-02 6.55.14

企業が新型コロナウイルスのまん延に伴う資金難で融資の窓口に殺到している。1~3月期の短期借入金は前年同期比12%増とリーマン危機以来の伸びとなった。コロナ対策の公的融資の決定額も10兆円弱に達した。緊急事態宣言の解除で企業活動は徐々に再開しているが、感染再拡大の恐れは残る。資金繰り支援は経済の一段の悪化が見込まれる4~6月期以降に向け持久戦の覚悟が要る。

スクリーンショット 2020-06-02 6.52.35

新型コロナ対応で政府が設けた融資制度の利用も急拡大している。日本政策金融公庫と商工組合中央金庫には5月下旬までに54万件の申し込みがあった。このうち35万件を承諾し、すでに6.6兆円の支援を決めた。同じく政府系の日本政策投資銀行にも約2000件の申請があり、数千億円の融資を実行した。

5月1日から始まった民間金融機関による実質無利子・無担保の融資も急増している。金融庁のまとめによると5月27日時点で申し込みは約21万件。うち12.6万件分、金額にして2.3兆円分の融資が決まった。コロナ対応の公的融資の実績は官民合計で既に10兆円弱に達した。


金融経済:米銀、コロナ倒産増に備え 
貸倒引当金を大幅積み増し 高い収益力で対応前倒し

米大手銀行が新型コロナウイルス危機への備えを進めている。融資の焦げ付きに備えて計上する貸倒引当金は前四半期に続き、2020年4~6月期も大幅に増えそうだ。欧州銀と比較すると伸びは突出する。トレーディングなど融資以外の事業で稼ぐ力が強く、前倒しの対応を可能にした。景気の落ち込みが短期間で終われば、利益を押し上げる要因となるが、先行きには慎重な見方もくすぶる。

スクリーンショット 2020-06-02 6.58.58

米銀大手トップは5月下旬に開いた投資家向け説明会で貸倒引当金の積み増しを表明した。最大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は20年4~6月期の引当金繰入額を「1~3月期とほぼ同額」と述べた。引当金と貸倒損失を合計した不良債権処理費用(信用コスト)は1~3月期、前年同期比5倍の82億ドル(約8700億円)に達し、それに並ぶ水準になると示唆した。

シティグループのマイケル・コルバットCEOはより保守的だった。国内総生産(GDP)の落ち込みと高い失業率を前提にすると、4~6月期の貸倒引当金繰入額は「1~3月期を上回るだろう」と説明した。米銀大手の1~3月期決算は引当金の急増で、純利益が前年同期比3~8割減となった。4~6月期も大幅減益が避けられない。

米銀は1月から新しい貸倒引当金のルールを適用した。「現在予想信用損失(CECL)」と呼ばれるもので、マクロ経済見通しを基に早期に引当金を計上する。欧州銀もほぼ同様のルールを導入済みだが、引当金の増加は緩やかだ。貸出金残高に対する信用コストの割合は、米銀が1~3月期に約2~3%に達したのに対し、欧州銀は総じて1%以下にとどまる。

積極的な危機対応の背景には、米銀大手の収益力の高さがある。19年12月期の自己資本利益率(ROE)をみるとJPモルガンの14%を筆頭に、総じて欧州銀より高い。商業銀部門の収益性が高いほか、投資銀行部門やトレーディング、資産運用部門の利益寄与が大きい。バンク・オブ・アメリカのブライアン・モイニハンCEOは今後、引当金を積み増したとしても「高い収益力で吸収できる」と強調する。

世界の投資銀ビジネスでは米銀のシェアが高まっている。例えば投資適格債の引受業務。コロナ危機に直面した事業会社は手元資金の確保に動き、足元で高水準の起債が続く。米調査会社ディールロジックがまとめた20年の年初から直近までの世界の社債引受額ランキングをみると、上位6社は米銀が占めた。トレーディング事業でも米銀は好調を維持する。

今後の焦点は「融資の質」悪化が顕在化するかどうかだ。商業銀部門の大きいJPモルガン、バンカメ、シティの不良債権比率をみると、1~3月期は1%を下回っており、前四半期とほぼ同水準だ。コロナ要因で業況の厳しい顧客には数カ月の支払い猶予を与え、金融当局も「健全先」と扱うことを認めた。引当金は急増したものの、現状では融資の質の悪化は政策的に抑えられている。

政府と中銀の緊急対策を支えに7~9月期以降、景気は持ち直し、猶予期間終了後の不良債権化を回避する――。これが米銀にとって望ましい展開だ。引当金は不要となり「戻入益」として今後、純利益を押し上げる。

ただ、こうしたシナリオ実現には「感染第2波」を防ぎ、経済再開が順調に進むことが前提だ。

JPモルガンのダイモン氏は「経済は急速な回復をみる可能性がある」と強気だが、ゴールドマン・サックスのジョン・ウォルドロン社長兼最高執行責任者(COO)は「景気回復の道筋は『W字』になるだろう」として、浮き沈みを繰り返すとの見方を示す。地域や業種で回復速度が異なるとの見方もある。先行きはまだ見通せない。


マーケット総合1:日本株「安心買い」集中 3カ月ぶり2万2000円回復

1日の日経平均株価は約3カ月ぶりに2万2000円を回復し、前週末比184円(0.84%)高の2万2062円で引けた。香港などの地政学リスク、新興国での新型コロナウイルスの感染拡大が意識されるなか、金融センターとしての安定性が注目される東京株式市場に投資マネーが集まっている。

スクリーンショット 2020-06-02 7.05.51

世界では様々なリスクが出現している。新型コロナはブラジルなど新興国の感染拡大が止まらない。香港は中国による統制強化と、それに反発する米国の優遇措置廃止で揺らぐ。米国では黒人死亡事件への抗議デモが全国で広がり、ニューヨークにも飛び火した。

一方、日本では新型コロナの緊急事態宣言が全面解除され、1日には東京都が幅広い業種で休業要請を解く「ステップ2」に移行した。停滞した経済活動が他の主要国に先んじて再開に向かうとの期待がじわりと広がっている。

スクリーンショット 2020-06-02 7.06.24

オプション市場では日本株の一段高に備える動きが活発だ。1日の日経平均オプションは2万3000円を権利行使価格とする買う権利(コール)の売買高が6195枚と、5月27日比で2倍に膨らんだ。年初来高値(2万4083円)近辺の2万4000円のコールは4倍に増えた。二番底に備えていた海外投資家が急速な日経平均の上昇に動揺し、上値に備えた保険をかけているようだ。

ある外資系証券のトレーダーによると、現金比率を高めて慎重姿勢をとっていた中長期目線の海外投資家が日本株のコールの買いに動いたという。「2万3000~2万4000円台の到達はまだ現実味がないが、ここまで日本株が強いと保険をかけざるを得ない」と話す。

弱気派の個人投資家も焦り始めている。投資助言を手掛けるフェアラインパートナーズの堀川秀樹代表は「2万1000円台のコールの売り手となっていた個人投資家からの相談が殺到している。早急に持ち高を解消し、2万3000円台のコール買いに動いている」と明かす。コールの売り手は期日の日経平均が権利行使価格を上回った時、損失が発生するためだ。

もっとも、上値リスクへの対応がオプションでの「保険」にとどまれば、現物株の買い需要にはつながらない。1日も後場は利益確定売りが優勢となり、日経平均は伸び悩んだ。日本でも新型コロナの第2波到来や企業業績の悪化への懸念がくすぶっており、消去法的な「日本株買い」がどこまで続くかは定かではない。


マーケット総合2:ユーロ、半信半疑の上昇 90兆円基金期待 EU加盟国の結束焦点

外国為替市場でユーロが上昇している。1日は対円で約2カ月ぶりの高値となる1ユーロ=120円に接近した。新型コロナウイルスで低迷する欧州経済を立て直す7500億ユーロ(約90兆円)の基金への期待から3月下旬の水準まで戻した。一段高には財政事情の異なる加盟国の足並みがそろう必要があり、半信半疑の買いを抜け出すか欧州の結束が試される。

スクリーンショット 2020-06-02 7.10.18

反転の材料になったのは欧州経済回復に向けた復興基金の設立案だ。まずドイツとフランスが5月18日に5千億ユーロの基金構想を共同で提案した。これを下敷きに欧州委員会は同月27日、7500億ユーロの原案をまとめた。6月18~19日に開く欧州連合(EU)首脳会議での基金の実現に向け、各国の合意を目指す。

ただ、一筋縄でいかないのが欧州政治だ。独仏案と欧州委案の違いからも加盟国のさや当てが見て取れる。

独仏は全額を返済不要の補助金とする案だった。各国が負担を分かち合う仕組みだ。一方、欧州委は5千億ユーロの補助金に2500億ユーロの返済を伴う融資を組み合わせた。財政が健全で規律を重視するオランダや北欧諸国に配慮した。

スクリーンショット 2020-06-02 7.10.29

ユーロ高の一因だった欧州中央銀行(ECB)の金融政策を巡っても不透明な部分がある。これまでは国債の買い入れを通じて重債務国のイタリアなどの長期金利急騰を抑え込み、景気や財政面の不安を鎮めてきたが、その持続性に疑問符が付いているためだ。市場では、ECBが4日の政策理事会で3月に創設した7500億ユーロの資産買い入れ枠を拡大するとの見方が強まっている。従来のペースが続けば、9~10月に枠を使い切る可能性があるからだ。この枠を通じて買う資産は加盟国の出資金比率に縛られずに柔軟な運用が認められている。みずほ銀行の唐鎌大輔氏は「イタリアやスペイン国債に振り向けられている可能性が高い」とみる。

だが、ECBが資産購入枠を拡大したうえで重債務国の国債購入を続ければ、南欧諸国の「救済色」は一段と強まる。保有国債が値下がりすればECBの財務も傷むだけに「資産購入が政治的に難しくなる懸念がある」とみずほの唐鎌氏は指摘する。欧州内では財政・金融政策の両面で「南北問題」がくすぶっている。足元のユーロ高ももろさを抱えている点には投資家も注意を払う必要がある。


Bloombergからです。

You Need to Know

Donald Trump demanded governors crack down, saying "most of you are weak" and urging them to "dominate" rioters. "You have to put them in jail for 10 years and you'll never see this stuff again," the president said during a conference call with governors and law enforcement. "We're doing it in Washington, D.C. We're going to do something that people haven't seen before." He also mused about criminalizing flag-burning.

U.S. cities braced for a seventh day of unrest as New York City instituted a curfew for this evening. The violence cast doubt on Chicago's partial reopening planned for Wednesday, and Amazon shoppers snapped up pepper spray for self-defense. Black leaders challenged Joe Biden to outline what he'd do as president to improve access to economic opportunity and overhaul the criminal justice system.

China halted some U.S. farm imports. The government told major state-run agricultural companies to pause purchases of some goods including soybeans as it evaluates the escalation of tensions over Hong Kong, people familiar said. It's the latest sign the trade deal is in jeopardy.

India's credit rating was cut to Baa3, the lowest investment grade, at Moody's. The firm cited challenges in addressing a prolonged slowdown and the government's deteriorating fiscal position. The outlook remains negative. The country had missed its budget deficit target even before the worst of the pandemic. S&P and Fitch already had comparable ratings on the country.


What to Keep an Eye on

Hong Kong's police for the first time banned people from gathering on June 4 to commemorate the 1989 Tiananmen Square crackdown. Authorities cited the "significant threat" to public health given the high risk of transmission of Covid-19, HK01 reported. Organizers, anticipating the decision, had already moved the event online. June 4 is the final day of the city's lockdown.

スクリーンショット 2020-06-02 7.22.21


最後に今日発表の注目経済指数です。(前回)

スクリーンショット 2020-06-02 7.29.21

スクリーンショット 2020-06-02 7.29.48


今日も最後までお付き合いくださいまして有難うございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?