《週刊セットプレー 2023》vol.13
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◆ゾーン守備の外へのCK
ザスパクサツ群馬vs水戸ホーリーホックでのゴールを取り上げます。
水戸の先制点はCKから生まれました。
守備側(群馬)は11人全員が戻っての完全にゾーンで守備をしています。
水戸はファーサイドゴールエリア角付近を狙った攻撃をしています。
⑦の選手がバックステップでファーに移動した後に、赤い星の位置付近に走りこんでいます。
赤い星付近をゾーンで守っている選手はいないため、フリーでヘディングをできる可能性は高いです。
➒の頭上は越えているためクリアは難しく、唯一対応ができそうな➓は⑨が体をぶつけているため、競りに行くことができていません。
さらに、蹴られたCKはインスイングでファーサイドにあげられているため、GKが出て対応することもとても難しいです。
ゾーン守備の弱点である”空いてしまうスペースができてしまう”というところを狙った素晴らしいCKでした。
◆ロングスローの対応は難しい
ジェフユナイテッド千葉vs清水エスパルスでのゴールを取り上げます。
千葉の先制点はロングスローから生まれました。
ロングスローとCK・FKの違いは、
”ボールに勢いがない””高い軌道でのクロスになる”といった点があります。
この違いは守備側にとってとても大きなものになります。
”ボールに勢いがない” ➡ 大きな力をボールに与えないと遠くへのクリアができない
”高い軌道でのクロスが上がる” ➡ 攻撃より優位に触れられたとしてもヘディングである可能性が高い
上記2つを合わせると、守備側にとってはヘディングでしか触ることができない可能性が高く、ヘディングで触れても大きくクリアできない可能性が高いといいうことになります。
このシーンでは、PA内でバウンドしているためさらにボールの勢いがなくなっています。
その中で相手と競ることでボールがPA内にとどまる可能性が高く、そのこぼれ球に素早く反応してシュートをした素晴らしいゴールでした。
◆必勝パターン『ニアそらし』
CKをニアでそらして、そのボールを中央またはファーで押し込むという一種の必勝パターンがあります。
そのパターンから生まれたゴールを2つ取り上げます。
・いわきFC vs 大宮アルディージャ(J2第16節)
ゾーンを中心としたゾーンとマンマークの併用での守備をしている守備側(いわき)に対し、数少ないマンマークにつかれている選手に合わせに行っています。
ゾーンを中心としている場合、マンマークにつくのは大きな脅威を持った選手だけにマンマークがつくことが多いです。
そのため、競り勝ててもよい状態から良いシュートを打つのは難しいですが、軌道を変えることはできます。
その軌道が変わって飛んでいった先であるファーサイドに詰めている選手がちゃんといるという素晴らしいCKでした。
・名古屋グランパス vs サンフレッチェ広島(J1第14節)
守備側(広島)はマンマークを中心としたゾーンとマンマークを併用した守備をしています。
つまり、得点を決めた攻撃側(名古屋)の選手にも最初はマークがついていました。
CKが蹴られるタイミングでファーに動き出しています。
ニアでのヘディングのタイミングでマークとかなり距離が取れていて、流れてきたボールはフリーでヘディングができています。
これはボールがニアに飛び、守備側にとっては自身のマークではない選手のところで競っていることが主な理由だと思われます。
守備側のもったいなかった点は、ニアでのヘディングで競れていないという点です。
ニアのゾーンを守っていた選手・ニアでヘディングをした選手のマークの2人の頭を越され無効化されてしまっているため、ほぼフリーでヘディングができています。
◆過去記事
◆取り上げた試合のハイライト映像
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