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手術後に待ち受けていた試練⑥

手術前の入院は特にすることはない
強いて言えば、食事制限(前日の夜からご飯をたべれない)の監視
きつめの靴下を履いて1日過ごすくらいだったかな
(エコノミー症候群予防の処置)

電話も移動しなければいけなかったのでベッドの上でダラダラと過ごした
youtubeや本を読みながら当日を待った。

いよいよ手術日
朝から手首から点滴が入る。
緊張でトイレに籠もりがちになったが、その日の夕方
オペ室に看護師さんと移動する

髪を隠す帽子をかぶり、カルテを照合させた後
重たい扉がゆっくり開いた。

大きな照明の下で横になり
点滴の管を慎重にいたわりながら服を脱がされる。

「もう麻酔導入していいですか?」
「まだ待ってくれ!」
「顕微鏡は隣の部屋か?」

ゆったりなbgmとせわしなく準備する看護師さんのコントラストと横たわったまま静止する俺で調和された空間だった。

看護師さんが俺に問う

「音楽変えましょうか?」

「変えることできるんですか?」

「えぇクリスマス近いのでクリスマスソングにでもしておきますね」

とpopな音色に変わった瞬間
麻酔で眠っていた。

点滴に麻酔を入れた後、マスクから出るガスを吸った後からだに電気が走った感じがしたことだけ覚えている。

肩を優しく叩かれ気づいたときにはもう手術が終わっていた
何も痛みはなく、ただいい眠りについた後の気持ちのいい朝みたいに
清々しい気持ちだった。時計を見ると約5時間ほど経っていた。
病棟に移され横たわっていると
執刀医の先生が来られた。目を真っ赤にしておられ自分のために力を使ってくれて感謝しかない。

「お疲れさまでした。尿道に管が入ってますが翌朝には抜いてもいいと思います」

「ありがとうございました」

と安堵の気持ちで翌朝を迎えた。
自動的に尿がパックの中に入っているが、後は抜くときの痛みに耐えれれば
俺の勝ちだ。早速看護師さんに抜いてもらった

「一瞬痛みがあります!息をゆっくり吸ってください」

とその瞬間、痛みが爆発。あまりの痛みに叫んだ。
これで終わったのか。。。

数時間後
尿意があったのでT字帯を脱ぎ、指定された容器に入れようと初めて下半身を見た。糸で縫われているが相変わらずボコボコはしている。
と尿道を通った瞬間、激痛が走った
用を足せるどころではなかったが、出さなければまた管をのだ
涙を流しながら再度挑戦をするも痛すぎて
心電図を測定している装置の心拍が異常値を指し、アラームが鳴り響いた
看護師さんがやってくる

「どうされましたか?」

「痛すぎて用が足せないです」
丸出しの俺にカーテン越しに用を足すのを待っている
腹圧で尿を出そうとするも痛すぎて出ない

「腹圧で出さないでくださいね」

見えているのか?あきらめた俺に看護師さんが言った

「もう一度尿道カテーテルをいれないといけないかもですね~執刀医の先生に確認してきます」

「ちょっと待ってもらっていいですか、もう一回チャンスください」

「いや~尿が出せずに溜まってしまうと感染症にかかって大事になりますので確認してきます」

「・・・泣」

その後も頑張って激痛に耐えながら出してみた。これで逃れられるか
ちょろちょろ出るようになったので再度看護師さんが来たときに報告した
すると膀胱の中にある尿の量が分かるとやらの機械を出された。
くっそんな文明道具があるのか。
測定すると約200mlくらいはあっただろう

「はい、また挿入しますので横になってください」
「息を大きく吸ってください」

今度は一瞬ではない激痛が襲う

「ウワァーいてー!」

病棟内に響き渡る俺の声、隣にいた部屋の人マジすまん
涙が出た。なんでこんな目に遭わなきゃならんのだ。
無事に管が膀胱までたどり着くと痛みはなくなったが
出し終えたら今度はすぐ抜かないといけない

「息を大きく吸ってください」

「うわぁーーーー!」

もう生きた心地がしなかった。と同時に何回この痛みに耐えればいいのかと
先の未来に不安でしかない、目覚めとなってしまった。

つづく

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