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チームで同じ方向を向くための、野良的図解

弁護士ドットコムのぴーや(@taka_piya)です。
突然ですが、皆さんは図解が好きですか?自分は好きです。チームでも資料担当として生きています。

野良的図解とは

頼まれていないけど誰かが話していたことやその関係性を図解し、チームになげて、議論を生みだそうという活動のことです。

活動を求める背景

コミュニケーションを取る際には、伝える側(話し手)は思考を構造化し、ストーリーとして発表します。
しかし、伝えられる側(聞き手)が難しいのは構造を発話をもとに頭で再構築する必要がある点です。

この課題図解を使い乗り越えることでを乗り越え、本質的な課題解決やプロダクトづくりにつなげていきたいと思い、ほそぼそと活動しています。

事例1: 口頭共有があった内容を図解して投稿してみる

施策方針を事業視点で分解したもの(左)、方針をユーザー属性視点で更に分解したもの(右)

これらは短時間で施策の共有があった日に作ったものです。
聞いた話を「施策をプロダクトの戦略につなげると、こういう関係を背景にもって喋っていたんだろうな」という解釈を図にしています。

事業に対する施策の分解部分は自分が意味づけ、ラベリングしたものなので、主観が多分に含まれているのがこの例の特徴かなと思います。

効果: ツッコミをきっかけにしたやり取りが残る


Slackに投げるとラベリングにツッコミが入りました。「ラベルはユーザーの視点に立ったラベルにしたほうが、発想しやすい」という点です。(本当はこの後に話が続いているけれど載せられないので略)

このように、図があることで話が進みやすくし、かつその記録が残るのは効果の一つと言えそうです。

事例2: グループの全体戦略発表を、リアルタイムで構造化してみる

実際に図解したもの

プロダクト戦略の共有を受ける機会は多くあると思います。
この例は、発表聞いてる途中に思いついて、リアルタイムに下記を行ったものです。

  • 発表スライドを縦軸に発表順(下に行くほど後に説明されたスライド)にマッピング

  • 横軸に発表している内容の時間軸(右に行くほど未来の話)にマッピング

  • 更にその内容のどことリンクしているのかをリンク

  • そして、付箋に発言を記入して該当スライドにマッピング

やってみると俯瞰して見ると、最初は直近の話をしていて、後半につれ未来の話で締めていることがわかり、発表内容は未来にリンクされていることにも気づきます。

効果: テキストベースより思い出しやすい

効果としては、スライド単体を眺めるだけでは、話の流れを思い出すのに苦労しますが、線があるだけで話の流れを思い出すことが容易になります。

いきなり始めたので、正直当時はあまりリアクションがなかったですが、2ヶ月後くらいに「前にやってくれたやつあるじゃん?あれ見返しながらやろうか」となったのでやっておいてよかったな、と思っています。

気づき: このやり方は敷居低くできそう

これはリアルタイムドキュメンテーションに近い手法で、グラレコに近いものがあります。グラレコは議論の流れの詳細や議論の地点を表し、議論の活性化に特化していますが、一定のスキルが要ります。

社内で実運用することを考えると、スライドに関係性をリンクしていく手法は、グラレコほどスキル差は出にくく、効果としても必要十分な成果かなと思います。

事例3: 次期戦略の共有を、リアルタイムで構造化してみる

事例2をもう一回やったのがこの例です。これも「議事録がほしい」の一言で急にはじめました(そこは準備しとけよっていうのは目をつむってください)
これはシンプルに上から下に発表スライドをマッピングしました。

効果: コミュニケーションのハブになる

参加した人が、会の後に元のスライドではなくこのスライドを眺めている様子が見えたことは良かったです。特に何も言っていないですが、勝手に使ってもらって議論の土台になることができるのも一つの効果じゃないかなと思います。

野良的図解の課題

「図解し、チームになげて、議論を生みだそう」がコンセプトですが、なかなかこれをベースに議論まで結びつけるのは大変です。

本当はリアルタイムで書いている途中に別の人も書き込みに加わったりすると共創まで行けると思うのですが、そこまでの段階にはまだまだですね。

まずは文化として図解を浸透できるように続けていこうと思います。

より資産価値の高いドキュメントを残すために

上記に書いた効果は目についたものをピックアップしました。
チーム内でも、「あのときは理解はまだまだだったな〜って見返せるといいよね」と会話しているので、継続による蓄積に可能性を感じ始めている段階です。(生みの親の原田先生も蓄積や比較が必要と言っている)

RTD の資料的価値を考えると、様々な RTD 表現の蓄積と比較、複数の RTD の関連付けや構造化が必要である

デザイン研究におけるリアルタイムドキュメンテーションの課題と可能性

リモートワークの浸透、miroなどのツールの浸透によって、今までホワイトボードで行われていた活動がデジタル化されました。

その結果、会議のあと写真を取ってそのままだったり、消されてしまっていたような状況から、デジタルの力によって蓄積、振り返り、コピー、書き足しが容易な状況へ変化しました。

チームの過程を貯め、その資産価値をより高めるために、新年一発目は図解することからはじめてはいかがでしょうか。
そして、会話のきっかけとしてチームに投稿してみてどんなインタラクションがあったか教えてくれると嬉しいです!


参考文献


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