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読書23 『死にたい、ですか』

    村上しいこ著

 兄が高校生の時、いじめで自殺をした。
怒りの持っていきようのないやるせなさ。ずっと不安定な感情を抱えたままの家族。裁判では「反省している」と言いながら、言い訳を続ける被告人。

 妹の由愛が、必死になって壊れてしまった家族に訴えます。その言葉には胸を打たれます。由愛の言葉は家族に響くのでしょうか・・・。

 残されたものは「どうして」と考えるし、悔やんでも悔やみきれないと思います。気持ちの持って行き場がわからずに、憎しみに感情を向けたり自分を責めたり。

 ものすごく苦しい時に、ものすごく苦しんで、これ以上ないくらい苦しんだら、わずかでも光を見つけられたらいいな。それを見過ごさなかったらいいなと思いました。
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作者の村上しいこさんは「私は子どもの頃から、ずっと虐待を受けて来た」「学校でも気味悪がられ、いじめられた。いじめるひとの中に、先生の顔があった」「自分では死ねなかったから、親に〝殺してくれ〟と懇願した」「しかし、そんな希望も許されなかった〝お前は家族の奴隷だ。殺すわけにはいかない〟」

「そして、私は生きてきて、今は思う。死ななくてよかった、と。」

 村上さんにとって「文学とは、どうすればひとはしあわせになるだろうか。その実験の場でもある」

 本を読んでいる時だけは、つらいことを忘れられ、物語の登場人物に励まされたといわれます。本の存在が心のよりどころになっていたそうです。

 村上さんが訴えておられることは「あなたは一人じゃない」ということ。「私はずっと一人ぼっちだと思っていた。でも、図書館という居場所があり、寄り添ってくれる本や先生のぬくもりがあって救われた」「話を聞いてくれる大人は必ずいます」「信頼できる大人に、SOSを発してほしい」

 ↑新聞やネットで、村上さんが発信されている   
  言葉です。(bookbang〝自書を語る〟)
 (毎日小学生新聞〝ゆううつな君へ〟)など

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