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私立恵比寿中学「Summer Glitter」を聴いて!

 私立恵比寿中学、毎年恒例の夏ライブ「ファミえん」の2023年テーマソングとして配信が開始された「Summer Glitter」。ファン以外からも注目される話題曲となり、なお注目されれば良いなと思います。この曲を知らない人にもぜひ聴いてほしいです。そんな「Summer Glitter」略してサマグリに思うことについてnoteにまとめてみました。


1.サマグリはK-POPっぽいのか、南米的なのか、楽園ベイバーなのか?

 エビ中では史上最多人数でのコライト(複数人による楽曲制作)による楽曲となったサマグリ。サウンドとしてはボサノバやラテンのような南米をルーツとする音楽です。日本人は南米の音楽好きな気がします。J-POPでも取り入れている曲って結構ありますよね?

 しかし、感想としてはK-POPのようだというものが多い気がします。K-POP自体が韓国によるダンスミュージックという定義であり、音楽性が限定されたジャンルではありません。K-POPの中にサマグリと似た印象の楽曲もあります。(TWICEの「Alcohol-Free」等)

 とはいえ、楽曲自体がK-POPっぽいというのは少し違う気がしました。ではこの曲の何がK-POPっぽい印象を与えるかというと、それは歌い方だと思います。イントロの声やラップ部分の歌声、特にK-POPの楽曲をソロライブでもカバーしている桜木心菜の歌い方には影響を強く感じます。

 サマグリを評価する意見には日本と韓国の両方からの絶妙な距離感を指摘する人がいましたが、曲の雰囲気やラップも含めた歌い方にK-POPを意識しつつも、サウンドはあくまでダンスミュージックの真正面ではなく、南米的なボサノバやラテンのようなサウンド。それはJ-POPでこれまでも多く使用されてきたサウンドゆえ、親しみやすさも感じる楽曲です。

 RIP SLYME「楽園ベイベー」っぽいという意見もありますが、あの音楽を2023年の音楽シーンを反映した上で、女性グループでやるとサマグリになるのかもしれません。

 

2.サマグリはエビ中らしくない、ファミえんらしくないのか。

 リリース当初、サマグリに関して、ファンから「エビ中らしくない」という意見がありました。ファンでも1人1人エビ中に求めてあるものは違います。それだけエビ中は多様な音楽を取り入れてきて、色んな音楽ファンを取り入れてきました。それゆえ色んな考えを持つファンを抱えてるように思います。

 ファン以外の方から「ファンには不評みたい」というイメージを抱かれている側面もあります。もちろん曲自体が好きではない人や、エビ中との相性という意味で合わないと考える人も少なくありませんが、ファン側として見てる印象としてはエビ中が歌うことも含めて好きな人も多いような気がします。

 あくまで個人の見解にはなりますが、エビ中は「らしさ」などないくらい多様な音楽を取り入れてきたと思いますし、その多様さの中で「らしさ」を模索してきたようにも思えます。THEアイドルソング、王道ポップス、コミカルな曲、ユーモアがありながらもカッコいいダンスチューン、ロックナンバー、ヒップホップ、R&B、シティポップ等あらゆるジャンルの曲をエビ中の楽曲にしてみせたメンバーたち。ライブ映えしそうなサマグリも自分たちの楽曲にしていくのが楽しみです。

 ファミえんっぽいかどうかに関してはまずファミえんの説明からするとファミえんとは私立恵比寿中学の夏のライブで、正式名称は「エビ中 夏のファミリー遠足」です。「ファミリー」とはエビ中のファンの呼び名です。放水したり、花火が上がったりするライブで、アゲ曲で盛り上がるだけではなく、夕方や夜にしっとりと歌い上げる場面もあるライブです。そのライブに向けて毎年テーマソングが制作されてきました。

 「ラブリースマイリーベイビー」のような王道アイドルポップスあり。TOTALFATが提供と演奏する「HOT UP!!!」もあり、何より、大沢伸一が提供した「summer dejavu」はサマグリと同様の南米感のある曲であり、ファミえんソングのイメージも多彩であり、サマグリもまたファミえんらしいし、ファミえん自体様々な曲が映えるライブといえます。


3.サマグリはエビ中にはなかったものなのか。

 サマグリは、それまでのエビ中とは印象の異なる曲かどうかといえば、それは個人の感覚ではあるし、新しいことをしている曲なのは間違いないと思います。ただし、これまでのエビ中にサマグリの要素が全くないかと言われると違うような気がします。

 南米的要素に関しては、エビ中が9月に行なっている歌に比重を置いたライブ「ちゅうおん」にて、MONDO GROSSOによるブラジリアンナンバー「LIFE feat. bird」を二度カバーしており、MONDO GROSSOの大沢伸一はエビ中に「summer dejavu」を提供しています(前述した通りファミえんのテーマ曲でした)。

 また、歌い方を意識しているK-POPに関しても、桜木心菜や星名美怜がソロライブでカバーしており、特に前述した通り桜木のK-POPを意識した歌声がハマっており、今後も活かしていきたいくらい相性ぴったりです。

 サマグリのようなクールな音楽はこれまでもいくつもあり、決して今のエビ中にとって唐突な音楽ではなく、また様々な楽曲を歌う中で磨かれたメンバーの歌唱も魅力的に映る楽曲のように思いました。


4.サマグリは流行りにのっかっただけの曲なのか?TikTokへの意識が強すぎるのか?

 サマグリもそうですが、近年のエビ中楽曲は流行りにのっかりすぎている。TikTokを意識しすぎているという指摘も見られます。

 サマグリがK-POPっぽいという指摘に関しては、前述したとおり、K-POPをそのままやった楽曲ではないのではないかと思います。

 ではTikTokへの意識に関してはどうでしょうか。それ以前からも行っていましたが、2023年5月に発売された「kyo-do?」は、TikTokでのキャンペーンを行っており、今回のサマグリでも熱心に行っている印象です。

https://youtu.be/irXWyHEizpE

 超ときめき♡宣伝部、AMEFFURASSI、いぎなり東北産のように後輩グループがTikTokで注目されており、キャンペーン自体は熱心だと思います。

 ただ、「kyo-do?」にせよ、サマグリにせよTikTok向けに制作された楽曲かといえばそうではないと思います。「kyo-do?」は「今流行ってる所謂(かわいい)曲とは詞の世界観含めて違いを出したい」(エビ中マネージャー藤井ユーイチのツイートより)と作詞作曲を担当したヤマモトショウにオーダーを出したと表明してますし、サマグリもTikTokでバズって話題になっている曲とも違う気がします。

 では、TikTokでバズりにくい曲では良くないかというとそれも違うと思います。「kyo-do?」では「もっと振付を簡単にしてみんながやりたくなるようにすべき」という指摘もありましたが、一方で「TikTokでバズるために簡単にされたダンスにうんざり」という声も多くあります。TikTokに寄せすぎた振付にするのも必ずしもメリットはないのではないかと思います。

 TikTokでバズったとしてもそこから一般的な認知度や人気を獲得するには、楽曲と世間の求めているものが一致するかどうかが重要になってくると思います。


 流行りの音楽を意識しつつも違う要素も取り入れられたサマグリは世間の求めているモノになる可能性は十分あると思います。エビ中の音楽の魅力も含めてもっと世間に知られるといいなと思います。

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