論語と算盤 #読書メモ2

2024年に1万円札になると話題にもなった渋沢栄一氏。

恥ずかしい限りですが、自分は渋沢氏が何をしてきた人なのか、どれくらいすごい人なのかも知りませんでした。

そこで、渋沢氏の凄さを少しでも理解しようと、名著と言われる「論語と算盤」を読んでみたところ、予想を遥か超える良書でした。

一言でいうと、正しい道で経済活動を行うことの重要性が説かれている本です。特に人はどうあるべきかという内容が自分には響いたのでシェアしようと思います。

完全な人になるためには

論語と算盤では、完全な人という表現が出てきます。そして完全な人になるためには常識と習慣が大事と書かれています。

ここで言う常識とは、一般的に私達が思いつく常識とは少し違います。

常識とは、”智(知恵)”、”情(情愛)”、”意(意思)”の三つがそれぞれバランスを保って、均等に成長したもの。

ここで大事なのは、「智情意」がバランスを保って均等に成長しなければいけないという点です。どれか1つでもバランスを欠いてはいけないのです。

これは非常に深い洞察だなと納得しました。自分はどれもまだまだなので、それぞれをちゃんと鍛えていこうと思います。

常識と合わせて大事だと書いてあるのが習慣です。
渋沢氏は、身につけるべき一番の習慣として「勤勉であること」をあげています。

これも非常に納得感があります。何歳になったとしても、学び続ける人は日々進化を続けるでしょうし、反対に若くても学ぶことをせずなんとなく生きていたらそれ以上の進歩はありません。

世界的に成功していて誰よりも多忙なビル・ゲイツ氏でさえも、毎晩必ず1時間ほどの読書時間を確保しているそうです。年齢は64歳。
このことからも年齢関係なく、勤勉である習慣の重要性が分かると思います。

社会人になると、一気に勤勉な人が減ります。日々の仕事で疲れるのでよく理解できるのですが、そういう世の中だからこそ、勤勉な習慣を身につけるだけで人よりも大きな成果をだせるようになるでしょう。
日々勤勉に生きていこうと改めて思います。

完全な成功を手にするためには

完全な人になるための方法だけでなく、完全な成功とは何なのかも渋沢氏は説きます。

素晴らしい人格のもとに正義を行い、正しい人生の道を歩み、その結果手にした豊かさや地位でなければ完全な成功とはいえないのだ。

正しい道ではなく手にした成功とは一時的なものであったりと、完全な成功とは言えないといいます。

これは実社会を見ていてもまさにと感じるところです。
何か不正をしたり、裏で正しくない行いをしながら地位を築いた人の悪事がバレて、問題になってるニュースが日々流れてきます。

人間どうしても楽な道へと流れていっていまいますが、それが正しい道なのかは常に意識していきたいです。

また、素晴らしい人格を形成するために重視すべきポイントを3つ述べられています。

「忠」:良心的であること
「信」:信頼されること
「孝弟」:親や年長者をうやまうこと

自分を磨いていくための基本としてこれらを常に意識した上で、常識×習慣をもって過ごすことが大事になるでしょう。


***

「智情意」の考え方や「忠信孝弟」の考え方など、どれもすぐには身につくものではないし、一気に全てを意識するのは難しいですが、まずはどれか一つでも意識して過ごしていくことが大事かなと思っています。

他にも論語と算盤には、人としてどうあるべきかや仕事の姿勢など、たくさんの深い学びがありました。
久しぶりに古くからある名著の類の本を読んだのですが、普通のビジネス書よりも重い分、学びが深いなと感じました。他にも名著と呼ばれる本を読んでいこうと思う良いきっかけになりました。

自分の生き方について深く考えさせられる1冊。定期的に読み返そうと思います。

(新書版が比較的読みやすかったのでおすすめです。)



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