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就活と安定

周りの人と話していると、未だに就活で最も重要視する要素に”安定”を入れている人が多くいる。また、ハッキリとそう言わなくても言葉の節々でそう感じ取れる。

そして彼らは、有名大企業や公務員として就職することを安定だという。

もうこんな話何周遅れの話題だと感じてしまう。だが現実は、未だにそういった点を重視している人が結構いることに気づいた。筑波大学にいてもそのように感じるのだから、地方の大学の場合もっとこの感じは強く残っていると思われる。


今、安定だと思われている企業が数年後に同じように業績を伸ばし、良い待遇を社員に提供できる保証はどこにもない。

例えばメガバンクは、数年前までは就活生が就職したい、いわゆる有名大企業であったがここ数年で一気に時代は変化。三菱UFJ銀行が2020年の新卒入社を前年比45%減にし、他のメガバンクも総じて採用を減らしている。

有名大企業であったメガバンクでさえも、時代の変化によって大変な時代を迎えている。

公務員の場合も、数年後には全ての事務作業がAIに置き換わり、一気に人の手を必要とする作業が無くなる未来は容易に想像できる。

また、人生100年時代と言われている現代において、果たして収入が安定していれば安定なのかも考える必要があると思っている。どれだけ収入が高く、安定して賃金が払われたとしても、意味を感じられない仕事の繰り返しや人間関係などによる精神的負荷がある場合、それは安定とは言えないのではないだろうか。


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では、安定とは何を指すのか。

ハヤカワ五味さんの「私だけの選択をする22のルール」で、とても腹落ちする内容が書かれていたので引用させてもらう。

私にとっての安定とは、あくまで自分個人に紐付いているものです。なぜなら、自分以外のものに紐付いている安定は、変数が自分以外のものにあることになります。

つまり、自分の意志で安定を継続するのが難しいということです。だから私は、どれだけ状況が悪くなったとしても、自分ひとりで緊急脱出もできる状態になることが安定なのではないかと思うのです。

会社という変数を安定に含めてしまうと、それは自分一人の意思ではどうすることもできない。

今働いている会社に何かあっても大丈夫なように、
・他の会社でも通用するスキルを身に着ける
・収入源を会社以外にも確保して分散させる
・いつでも声がかかるような実績と人脈を作る

など、安定は何か1つに依存しないことで生まれるものだと思う。


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有名大企業や公務員に就職することが悪いことだとは全く思わない。むしろ、しっかりとした教育体制や多くの新卒同期、規模の大きな金額の仕事などメリットもたくさんある。

ただ、その企業に行きたい一番の理由を”安定”で考えているのなら、一歩止まってもう一度考えてみても良いのではと私は思う。

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