消費税は必要なのか 3 とんでもない誤解
前回はミクロネシアのヤップ島で使われていたフェイ(石のお金)を知ることで、お金の本質に迫ってみました。
そこに消費税というものがいったい何なのかを知るためのヒントがあります。
消費税は必要なのか 2 お金のプール|Takahiro@明け方の民の調べ (note.com)
とても分かりやすく書いたつもりだったのですが、スキの数が伸びず反応が今一つでした。
フェイは時代遅れ?
確かに、
「原始的なフェイ社会と現代社会が同じ訳ないでしょ」
と言われそうです。
経済はそんな単純なものではないという一般常識みたいなものが障壁となっているのかもしれません。
でもちゃんと読んでいただければ、何も違わないことがお分かりいただけると思います。
お金の原理が分かれば、現代社会でフェイを作るみたいにしてお金をどんどん作って問題ないということが腑に落ちるはずです。
人が増えたり、暮らしが豊かになればその分たくさんのフェイが必要になるのです。
当たり前のことです。
日本の消費税みたいにフェイが足りなくなったからと言って島民のフェイを取り上げたらますますフェイが足りなくなります。
もちろん現代社会においては個人が勝手にお金を作ることはできません。
それができるのは銀行だけです。
しかし、お金の原理はフェイの時代と何も変わらず、足りなくなったら作れば良いだけなのです。
それで何の問題も起こりません。
言葉に惑わされてはいけない
ところが、
「政府(国)の借金が1000兆円」
などと、政治家も含め多くの人がまるで政府の借金が増えると国が亡ぶみたいに思っています。
とんでもない誤解です。
なぜ私ごときが偉そうにそんなことを言えるのかと思った方が多いと思います。
このように言える根拠があるのです。
借金は既に数百倍に膨れ上がっている!
けど日本は財政破綻していない
これは政府の借金がどのくらい増えたかを表すグラフです。
青が物価上昇率を考慮しない場合、赤が物価上昇率を考量した場合の政府債務の変化を表しています。
物価上昇率を考慮しても政府債務は明治の頃から数百倍に膨れ上がっています。
明治時代に軍艦を買うのにイギリスから借金した分がどうなっているかなど、細かいことは分かりません。
しかし政府が国債を発行して日銀から円を借りた額がだいたいこの程度増えているとみて良いと思います。
数百倍に膨れ上がった政府の借金によって日本は破綻したでしょうか?
答えはもちろん NO!
それどころかとんでもなく経済成長し、アジアの小国が一時期はGDP第二位の経済を有するまでになりました。
このグラフを見て「えーー」と思った方は前回の記事に戻ってフェイの仕組みを考えてみてください。
あれとおんなじなんです。
政府債務=国民の富
なぜこんなに政府債務が増えたか(増やしたか)と言うと、答えは簡単です。
政府債務=お金・フェイ と考えると分かりやすいです。
それだけ人が増えて暮らしが豊かになって、それに見合うだけのお金が必要になったから です。
形式上、債務となっているだけでヤップ島のフェイと同じお金であり、国民の側から見れば富なのです。
正確に言えば富をお金としてデータ化したものです。
違いは、誰が作るか だけ
国債=借金と思ってしまいますが、手続き上政府が日銀からお金を借りている形になっているだけのことです。
実質は日本政府が直接円を発行しているのと何ら変わりません。
その理由を説明していると長くなりますので割愛します。
詳細につきましては先ほどのグラフの元記事をご覧ください。
フェイと円の違いはフェイが個人で好き勝手に作れたのに対し、円は日本政府にしか作れないという点だけです。
足りなくなったら政府が輪転機を回して印刷すればよいのです。
日本政府は大昔のヤップ島民よりアフォ!?
どうしてせっかく流通している円を消費税で吸い上げるのですか。
ヤップ島の人たちはそんなバカなことをしなかったはずです。
そんなことしたら生活に必要な物が満足に買えなくなってしまいますから。
島の人口が増えるなどしてたくさんのフェイが必要になったら、誰かがその分作れば良いのです。
フェイが簡単に加工し運搬することができない大きな石で出来ていているのは、乱造を防ぐためです。
乱造でお金が増えすぎて物やサービスが不足すればインフレになります。
これを防ぐため、作って運ぶ苦労の度合いに見合った価値を付けたのです。
今の日本では政府が一括して流通量を管理しますので、フェイのような縛りを設ける必要はありません。
必要なだけ輪転機で刷ればよいのです。
なぜ逆方向に舵を切るのだ#
これを怠る(国債発行を制限する)とどうなるでしょうか。
あるいは、消費税のような形で吸い上げたら何が起こるでしょうか。
今の日本で起こっていることを見れば明らかです。
次回はこの点を見ていきたいと思います。
なかなか完結しませんが、あと1回か2回くらいで締めたいと思います。
つづく
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