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写真で辿る旅行記 vol.17 式根島 2010年

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#写真で辿る旅行記

大学4年で初めて出会ったあと、社会人になってからもずっと仲の良い友人たちがいる。自分を入れて4人のグループ。彼らとは大学時代よりも、社会人になってから様々な旅行に行ったことで仲が深まった。その一番最初の旅行がこの式根島だった。

社会人になってから初めての夏。二泊三日で気軽に行けて海も楽しめる場所として選んだのが式根島。この写真のような青い海が本当に東京都にあるのかと、少し信じられないような気持ちもありつつ、竹芝から船で3時間ほどで行けるというアクセスの良さが決め手になった。

そもそも、船に乗って島に行くという行為自体が、旅に出ているという感覚を強く与えてくれる。寝ていれば目的地まで着く旅よりも、そこに至る過程も楽しめる旅行のほうが私は好きだし、振り返っても印象に残る。

伊豆諸島の中でも特に小さい式根島は、沖縄などよりもはるかに「島」を感じさせる島だ。

島内の道をそぞろ歩くだけで、何があるわけでもないのに緩やかな高揚感にみんなが包まれる。それは東京で一人暮らしを初めて3ヶ月経ち、都会の空気を浴び続けた体が、実家にいたときのような自然を久々に感じたからかもしれない。

二日目の朝、一番の目当てだったビーチに向かう。島は起伏があるので、海をめがけて歩いていくと、視界がひらけて眼下にいきなり白いビーチと透き通った海が広がった。「おおーー」という全員の歓声。

ビーチは外洋から岩で隔てられた湾のようになっているのでとても静か。青い海をこれでもかと堪能するように、しばらく全員で泳いだ。

ビーチ以外にもう一つ、印象に残った景色がある。夕焼けだ。二日間とも天気に恵まれて、水平線に沈む夕焼けを見ることができた。自然に囲まれて海に沈む太陽を見るのは、普段とまた違う、少し感傷的な気分にさせられるから不思議だ。

20代前半だけど、青春のような思い出。

この旅行は、その後の旅行や趣味につながる経験だった。船での旅行は新婚旅行でのクルーズにつながっているし、ダイビングのライセンスを取ることにしたのはこのビーチでダイビングしている人達が羨ましかったからだ。写真も、綺麗な写真が取れて、友達に共有するとそれが喜ばれる、その原体験はこの旅行だったかもしれない。

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