見出し画像

写真で辿る旅行記 vol.15 鎌倉 2013年

画像1

#写真で辿る旅行記

初めて鎌倉に行ったのは小学校時代の遠足。高徳院の大仏がメインだった。

中学時代にはグループ行動の遠足で再び訪れた。レトロな江ノ電に乗って長谷〜鎌倉駅付近を周り、鳩サブレをお土産に買ってから由比ヶ浜に行った。

久しく足が遠ざかっていた鎌倉に行く機会が増えたのは、この2013年くらいからだ。四季の花が美しい場所、そして名刹の中で心を落ち着ける場所として、今真っ先に浮かぶのが鎌倉だ。予め計画して出かけることもあれば、週末の朝にふと思い立って行くこともある。

東京に住む今は、横須賀線の北鎌倉駅で降りて円覚寺を訪れ、そこから建長寺に行ったり、紅葉の時期なら明月院に行ったり、あるいはそのまま鎌倉エリアに行くことが多い。

私が好きなのは、何も考えずにお寺の境内をゆっくり歩くことやお寺の中で座っていること。静謐な空気感や、風や木や植物が作る小さなゆらぎに身を任せるのが心地よい。はたから見ると老人のような行動かもしれないけれど、いつでも行ける場所に住んでいるからできる贅沢な過ごし方だと思う。

遠くから訪れる観光客だと、限られた時間の中でいくつもの場所を巡りたいから一カ所に使える時間は限られてしまう。私も京都に行く時などは「もっと一つの場所でゆっくりと過ごしたい」と思うのだが、やはり足早に移動してしまうことが多い。

さて、写真を撮るようになってから、紫陽花に焦点を当てて撮影をしたのはこの時が初めてだった。

それまで紫陽花といえば、こんもりと丸い花を持ち、色は青か紫の2色、くらいにしか思っていなかった。でも紫陽花は、私の限られた知識よりもずっとずっと多様だった。

色は薄い青から紫を経てピンクまで様々。同じ株の中でも色は変わる。花びらが真っ白で真ん丸な形をしたものや、中心は小さな蕾のままで円形の周辺部だけ花を開くもの(ガクアジサイと呼ぶらしい)もある。

地面から咲く花だから、桜や紅葉と違って思い切りカメラを近づけてアップで写真を撮れることも、カメラ好きとしては楽しい。

この写真は長谷寺で撮った。花で有名な長谷寺の中でも紫陽花は特別だ。

敷地の一番奥にある眺望の良い斜面に紫陽花が所狭しと咲いている。そこからは相模湾まで見渡すことができる。斜面に咲く紫陽花の間を縫うように散策路が作られていて、文字通り花の中を歩くことが出来る。どの角度から撮っても、背景には別の紫陽花が来てくれるから、何も考えなくても画面いっぱいの花の写真が撮れる。

この時に使ったカメラとレンズの組み合わせは、全体がやや青みがかった涼しげな印象に仕上がる。その特徴が、雨の中に咲く紫陽花の美しさを強調している気がして、撮れた写真を見た時は嬉しくなった。

今年も梅雨に入り、道端に咲く紫陽花を見ると、この時の鎌倉の光景を思い出す。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?