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読書レビュー『ビジネス教養 行動経済学』


はじめに

こんにちは、Takaです。
今回は『ビジネス教養 行動経済学』を紹介します。
以前、『教養として知っておきたい33の経済理論』を紹介した際にも少し触れましたが、行動経済学と言う比較的新しい学問があります。学問と言ってもそんな堅苦しい内容ではないと聞いていたので、一度試しに読んでみたのが今回紹介する書籍となります。

概要

タイトル|ビジネス教養 行動経済学
作者  |阿部 誠 (監修)
出版社 |新星出版社
発売日 |2021/3/10

感想

本書は「心理学」と「経済学」を掛け合わせた「行動経済学」について、紹介している書籍です。
もともと経済学では、人々はお金に対して合理的な行動を行うと考えられていました。しかし現実はその通りではなく、また心理学的な研究によって、その仮定が誤りであると分かりました。行動経済学では、そういったお金に対する人間の非合理的な判断を紹介しています。
日常でどのように使われているかと言うと、「テレビCMによって売り上げが上がる」「レジ横の商品を手に取ってしまう」といった、マーケティングの分野で使われることが多いです。より具体的な例を紹介します。

①利用可能性ヒューリスティック
『利用可能性ヒューリスティック』とは、なじみのあるものをつい選択してしまうというものです。「CMで見たことがある」「知人が同じものを使っている」など、そういった判断です。
本来、合理的にものを選ぶのであれば、価格や性能を吟味し、最善のものを選ぶ必要があります。しかし、そんなことばっかりしていては疲弊してしまいます。そのため人間には『直感』と言うものが備わっており、その直感の一種の癖のようなものですね。

②フレーミング効果
『フレーミング効果』とは、表現の仕方によって印象を変えることが出来る現象です。例えば「満足度90%!!」と「10人に1人は不満を持っている」という表現です。前者はすごく好印象を持ちますが、後者は不安に感じます。他にも「タウリン1000mg配合」って表示がありますが、「タウリン1g配合」より多く感じませんか?

③損失回避性
『損失回避性』とは、金額が同じなら、儲けた喜びより損したダメージの方が大きいというものです。例えば「絶対100万円貰える」と「50%の確率で250万円貰える」というイベントがあったとします。後者の方が期待値が高いのに、前者の方が選ばれやすいというものです。

長々と行動経済学に関する説明となっていましましたが、本書では30項目近い行動経済学の法則を、身近な例を挙げながら紹介してくれます。「○○学」と難しそうな雰囲気はありますが、すごく読みやすく、すごく理解しやすい書籍でした。マーケティングの例が多いですが、業務遂行やマネジメントに関係した法則もあり、タイトル通り「ビジネス教養」の要素もあります。本当に堅苦しくなく気軽に読める書籍ですので、興味がある方にはおススメできる一冊です。

おわりに

今回は『ビジネス教養 行動経済学』を紹介しました。
すごく身近な内容であったため、スラスラ読むことが出来ました。私自身がマーケティングに従事しているわけではありませんが、マーケティングの対象になることはあります。心理的な落とし穴を理解しておくことで、より合理的な判断を行うことが出来るようになると思っています。

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