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読書レビュー『君の望む死に方』

はじめに

こんにちは、Takaです。
今回の読書レビューもミステリー小説となります。
石持浅海の『君の望む死に方』です。

概要

タイトル|君の望む死に方
作者  |石持浅海
出版社 |祥伝社
発売日 |2011/9/5

感想

この作品は石持浅海による〈碓氷優佳〉シリーズの第二弾です。
本作品は、父親の仇である日向を殺そうとする梶間と、梶間に自分を殺させる最期を選んだ日向、そしてそこに偶然居合わせた天才・碓氷優佳による推理小説です。
梶間は如何に犯人とバレないよう殺人を犯すか、日向は如何に梶間を殺人犯にさせない形で殺人を実行させるかを模索します。お互いに心情は把握できていませんが、望む未来が一致しているため簡単に決着がつくと思いきや、碓氷優佳の推理によって計画がどんどん狂っていくという物語です。

本作の特徴はやっぱり会話劇ですね。シリーズを共通して言えることかもしれませんが、登場人物同士がとにかく会話を続けます。何気ない日常会話の節々から違和感を感じ取って、殺人を防いでいく様子はまさに天才という表現がふさわしいです。

また本作は日向視点と梶間視点で物語が進む、いわゆる倒叙ミステリーです。今度こそうまく殺せる・殺されると思っても失敗する。そしてなぜ失敗が続くのかが分からない。ある意味で謎に相対しているのは探偵側ではなく、犯人側というのも面白い視点でした。

おわりに

今回は『君の望む死に方』を紹介しました。
またしてもシリーズ物の第二弾を紹介してしまいました。第一弾の「扉は閉ざされたまま」も面白いんですが、私の好みから少しズレていました。第二弾の「君の望む死に方」は、正に私の望む会話劇という雰囲気であったため、こちらを紹介しました。

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