読書レビュー『敗者のゲーム』
はじめに
こんにちは、Takaです。
今回紹介する一冊は、チャールズ・エリスの『敗者のゲーム』です。
投資関連書籍第二弾です。前回紹介した『ウォール街のランダム・ウォーカー』と並び、投資関連書籍のバイブルと呼ばれる本です。個人的にはこちらの方が読みやすいので、初めての投資関連書籍であれば、こちらをおススメします。
概要
タイトル|敗者のゲーム
作者 |チャールズ・エリス
出版社 |日経BP
発売日 |2022/1/6(原著第8版)
感想
不穏なタイトルですが、決して投資に関してネガティブな内容ではありません。この書籍では「勝者のゲーム」と「敗者のゲーム」をテニスに例えて紹介しています。
投資も以前は「勝者のゲーム」と考えられていました。機関投資家と個人投資家の割合が、後者の方が多く、効率的に株価への反映が出来ていない状態が続いていました。その結果、素晴らしい銘柄を見つけることで、勝利を目指すことが出来ました。
対して現在は、機関投資家が圧倒的に占める割合が多く、情報はすぐさま株価に反映されるため、このような勝利の目指し方が難しくなりました。機関投資家同士がミスを出来る限り減らす「敗者のゲーム」に移り変わっているのです。
このような「敗者のゲーム」の場に個人投資家が入ろうとしても、負けることは目に見えています。無理に市場に勝とうとせず、インデックス投資による市場の平均を目指す運用を考えるべきであるという主張になります。
この書籍において最も参考になったびは「個人投資家のための十戒」です。
まず初めに「貯蓄すること」から始まっていることに感心しました。投資云々の前に、しっかり生活基盤を整えるところから始める意識は大事だと再認識しました。
また七つ目の新金融商品についても、過去の私の失敗談を考えると正にその通りだなと感じます。新しい金融商品は環境が整備されていないことが多く、中には投資家側が明らかに不利になる商品もあります。歴史的に十分な裏付けのある株式投資に勝る金融商品は、そうそう現れないでしょう。
九つ目の投資方針については、しっかり文書に書き出して、今でも定期的に見るようにしています。私の場合、方針以外にも、「なぜこの銘柄を選んだのか?」などもメモするようにしています。どうしても売却したくなった時には、それを見返して、踏みとどまる一助にしています。
おわりに
今回は『敗者のゲーム』を紹介しました。
この本の元となった『機関投資家時代の証券運用』は1987年に発刊されています。30年経ってなお、読まれ続けているということは、株式投資の本質は変わっていないということです。ETFという新しい商品が生まれ、ネット取引が始まり、AIによる取引が始まっても、やるべきことは変わりません。今後も変化は数多く表れるでしょうが、しっかり方針を守って投資を続けようと思います。