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NHKスペシャル 山口一郎 "うつ"と生きる ~サカナクション 復活への日々~を見た

NHKでやってたサカナクションのドキュメンタリーをみた。番組を見た感想やサカナクションとぼくの関係について綴ろうと思う。

5/28サカナクション復活ライブturn大阪公演2日目に僕は参加する予定だ。

サカナクションは大好きなバンドのひとつだ。上記の公演ライブレポートはまたnoteで書く予定にしてるしサカナクションについてもまた詳しく書きたいと思ってる。

唐突な話だが、僕は2020年に結婚した。当時は世界中でコロナのパンデミックが起きてて不要不急な外出は控えるように政府から通達がでていた。

上記の不要不急な外出には知人の結婚式への参列は包括されてなかったように思うが世間では無言のプレッシャーがあり、結婚式に参加できない風潮があった。妻と結婚式の準備を進めていく中で結婚式の規模感は大きなファクターの一つだった。

不要不急な外出

コロナ禍で生まれた常套句は僕の大好きな偉大なアーティスト達にも当然影響し、ほとんどのアーティストは活動休止に追い込まれていた。

大阪のライブハウスでコロナが広がったこともあり政府や世間はエンタメに厳しかった。厳しすぎた。ほんの少し前まで世の中からたくさんの支持を集めていたアーティストがライブを、イベンターがフェスを開催する動きを見せると糾弾され、2023年コロナが5類扱いになるまで大好きなライブに参加できない日々が続いた。

その中で、サカナクション山口一郎はエンタメの音楽の灯火を絶やさないために奮闘していた。

コロナ禍で苦しむエンタメ業界を救うための基金を設立したり、ライブ配信をしたり、NHKでレギュラー番組をもったり。

その中でも僕の心を揺さぶったのは2020年に行われたオンラインライブ

SAKANAQUARIUM 光 ONLINE

だ。

コロナ禍で有観客のライブを行えない中配信ライブをするアーティストは多かった。そのほとんどがライブハウスやスタジオから演奏を届ける形だった中でサカナクションは「オンラインでしかできない」革命的な演出の配信ライブをしていた。多くのアーティストやイベンターやライブハウスを逆境に追い込んだコロナ禍を味方につけていた。

陰鬱とした世の中でそのライブは僕にとって「光」にみえた。こんなことができるんだ。

逆境でも諦めたらダメだ。僕は僕達は私達は同年12月に行う結婚式にオンラインの要素を取り入れて遠方からでも知人が結婚式に参列できるような形態を取り入れた。結果は大成功だったと思う。人生の重要な日にサカナクションは少なからず影響していた。

サカナクションは少しずつ活動を再開し、アルバムリリース、オンラインライブ第二弾、ツアー開始、フェス参加と少しずつコロナ禍を乗り越えつつあったが、そんな中、山口一郎の体調不良を理由にサカナクションの活動休止が決まった。2022年のことだった。

まあ、仕方ないよね。無理をしてサカナクションそのものがなくなってしまうことの方が怖い。

山口一郎の姿はサカナクションの活動休止の間も情報番組や配信などで確認できた。全部を追ってたわけではないがまあ、自分の体調と折り合いをつけながらなんとか活動してくれてるのかなという印象だった。

そして2023年山口一郎のソロツアーの開催が発表された。サカナクション活動復帰の前にワンクションおくのかな。と思いながら京都公演のチケットをとった。結果的にその公演は僕の2023年の中でベストライブになった。素晴らしかった。またその公演についても機会があれば語りたい。

公演中MCで山口一郎は語った。「僕が患った病気は鬱病です。」

なんとなく察してはいたがはっきりと本人の口からその言葉を聞いたのは初めてだった。


僕の妻は双極性障害だ。僕と同棲を始めて半年ほどで体の痛みや倦怠感の症状が現れ、結婚して半年ほどで最初は適応障害の診断がくだった。そこからさらに時が経ってから今の診断名が下され、2023年に障害手帳も取得し、障害年金ももらってる。

そんな妻に今年の2月に別居したい旨を告げられた。

限りなく掻い摘むが障害を患った原因のひとつが僕にあると考えてる。妻に渡された紙にそんなことが書かれていた。僕と妻の結婚生活は妻の闘病期間と言っていいのだが、ずっと自分が支えてきたと思っていた妻にそう告げられた。ショックだった。僕自身が心療内科に通うきっかけになった。(今は心身ともに落ち着いてるし妻ともいい距離感を築きつつある。)

別居に向けて準備を進める中、表題の番組が予告され、録画予約のボタンを押した。

当然ライブに行く前に番組を見る予定だったが、友人から「私は幕張の公演に参加してたからいいんですが、結構番組中に本番にやる曲が出てくるのでもしかしたらネタバレになるかも・・・」

なんでそんなことしてくれるんだNHK。ライブのセトリはめちゃくちゃ大事だ。事前に知ってたら当日の感動が薄れるじゃないか。じゃあ、見るのはやめようかな・・・などと考えてる中すでに新居を決めて移り住んでいた妻から電話できないかとLINEが来た。世間話を小1時間話した。妻も新居でドキュメンタリーを見たという。妻は「よかったよ。」と語ってた。

悩んだが、いつもと違う感情や心持ちでライブに参加できるかもしれない。ドキュメンタリーをみた。


・・・のだが、当時いつもより多くお酒を飲んでたのと心療内科から処方された薬を飲んでたのもありソファで途中で寝落ちしてしまった。「今は見れないな。」と思って停止ボタンを押し、気分が悪かったのですぐには寝れず咀嚼した夕食の半量ほどを胃の中からトイレに戻し床の間についた。

翌日、僕は妻と焼肉屋にいた。最近体調がいいことやこのまま体調がよければ診断が取り消されるかもしれないなどの近況を聞く中で近々「離婚」について話したい。考えておいて欲しい。と告げられた。2ヶ月前から考えると恐ろしいくらい冷静に了承の旨を妻に告げた。焼肉を食べ終えた後2人でカラオケに行ってたくさん歌い帰路に着いた。

そして翌朝、たった今ドキュメンタリーを見た。鬱病で苦しむ山口一郎とそれを支えるメンバーやスタッフや知人の姿が描かれていた。

妻が疾患を患ってからはどうしてもそれ系のコンテンツに触れると妻や自分に照らし合わせてしまう。今回でいえば妻を一郎さん、周りの人を自分に置き換えて見てた。

献身的に支える知人友人や、話しかけたいが本人が壊れてしまうことを恐れて距離を保つメンバー。

自分は支えれなかったなあ。などとやはり考えてしまう。

ドキュメンタリー終盤前述した知人からの忠告通り復活公演の様子が映し出された。道中リハーサルの様子もえがかれていたのでライブでやる曲の1/3くらいはわかってしまったと思うが、思ったよりショックは少なかった。

それより自分の中で大きかった感情はやっぱりステージに立つ一郎さんはかっこいい。ということだった。本番を見るのが楽しみになった。


妻と山口一郎を置き換えた。

妻にも復活ステージに立って輝いて欲しい。そう思える。

5/28は今の住まいを妻と一緒に掃除してから2人でサカナクションのライブに行く予定だ。

山口一郎は度々サカナクションの復活に際し「元に戻るのではなく新しくなる。」と表現してる。

まだどんな形になるか答えは出せないが僕達私達も新しくならなきゃな。そう思った。

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