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アニメの撮影とは?


はじめに

皆さんは「アニメの撮影」と聞いて何を思い浮かべますか?多くの方は、カメラを使って何かを撮影している光景を思い浮かべるかもしれませんね。今回は、そんなアニメ撮影についてお話ししようと思います。

この話題については既に多くの記事があるため、ここでは私が会社説明会や質問に答える際の整理も兼ねて、個人的な視点で書いていきます。

撮影の語源

「何かを撮影している」と思った方、その考えは間違っていません。
ただ、現在のアニメ撮影では実際にカメラを使うことはありません。昔のセルアニメと呼ばれる時代には、実際に撮影台とカメラを使ってフィルムを撮影していました。その時代の名残で今でも「撮影」と呼ばれています。

この時代の具体的な技法については、「スタジオジブリの撮影術 撮影監督・奥井 敦の仕事のすべて」に詳しく書かれていますので、興味のある方はぜひ一読をおすすめします。

現在のアニメ撮影

では、現在のアニメ撮影は何をしているのでしょうか?今では、PCと主に「After Effects」というソフトを使って合成を行っています。昔は他のソフトも使われていましたが、今はほとんどAfter Effects一択です。
※3DCG作品の場合はまた別なので注意が必要です。

仕事内容自体はフィルム時代と大きく変わらず、簡単に言うと
「背景とキャラクターを重ねてムービーにする」
作業をしています。「編集とは違うのか?」とよく聞かれますし、実際学生時代の私も同様の疑問を持っていましたが、撮影はカット単位で作業を行い、編集はそのカットをつなげて1話分のムービーにするのが仕事です。

撮影イメージ、実際にデジタル上ではこんなことしてます

フィルム撮影していた時代と大きく違うのは圧倒的に撮影処理が増えたことです。これは、光を足したりフィルターで空気感を出したり、粒子のエフェクトを追加したり、なんなら3DCGを使用したりと、多岐にわたる作業を含みます。デジタル化により、フィルムでは難しかった技法も容易に行えるようになったのが大きな要因で、撮影処理をしていない作品はほとんどないと言っても過言ではありません。

撮影の重要性

アニメ制作における撮影は「最後の砦」とも呼ばれる重要な部署です。
撮影だけで作品のクオリティを決定づけることはありませんが、最終的な作品の完成度には直結します。撮影が適切に行われることで、アニメの世界観や臨場感を一層引き立たせることができます。

まとめ

今回はアニメ撮影について簡単に触れました。
何故最後の砦と呼ばれる具体的な理由については、別の記事でまた詳しく紹介できればと思います。

この記事が、少しでもアニメ撮影のことやアニメを楽しむきっかけになれば幸いです。

2024/05/21追記:AnimeNovaインタビュー動画

AnimeNovaでインタビューを受けてアニメ撮影について語っていたのでURL追加しておきます。


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