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【2024年版】撮影用PC必要なスペックは?

アニメーション制作がデジタルに移行してから、かなりの年月が経ちました。デジタル化や電子機器のスペック向上もひと段落したように感じます。この記事では、実際に業務で使っているPCのスペックや、最低限これくらいのスペックがあれば撮影業務をこなせる、といった情報をお届けします。これから部署を立ち上げようと思っている方や、学生で作業用PCが欲しいけどよく分からないという方の参考になれば幸いです。



はじめに:すこし昔話

20年以上前、業務用PCと言えばHPかDELLの二択でした。
当時はクリエイター向けの業務用PCを作っているメーカーが少なく、非常に高価だったため、故障時の保証を重視してこの2社を選ぶことが多かったです。(当時は私も新人でよく分からず…!)
今ではほとんど見かけなくなりましたが、PCリースなんてものもありました。現在もワークステーションを販売しているので、安定と信頼を求めるならこの2社から購入するのが良いでしょう。(ただし高いです)

では、なぜ今はHPやDELL一択ではないのでしょうか?これは「価格が落ち着いて買いやすくなった」ことと、「サポートを受けることなく対応年数を過ぎることが多いため、安く買って使い潰す」というスタイルが一般的になったからです。今ではさまざまなPCメーカーのものが業界で使われています。


実際どんなPCがいいのか

業務用PCは事務作業用PCと比べてスペックが大きく違いますが、必要なスペックの見極めが重要です。ここでは具体例を紹介します。

自宅PC1:メインマシン

参考までに、私が自宅で実際に仕事で使っているPCをご紹介します。2019年に購入したもので、少し古くなっていますがご参考までに。

eX.computer ワークステーションモデル
価格283,800円(税込)
OS:Windows 10 Pro 64bit
CPU:AMD Ryzen 9 3950X 16-Core Processor 3.50 GHz
メモリ:64 GB
GPU:NVIDIA GeForce GTX 1660 Ti
SSD:500GB
HDD:1TB

今の基準だとグラフィックボードが少し貧弱ですが、基本的な仕事はこのスペックがあれば全く問題はありません。


自宅PC2:サブorレンダリングマシン

後述するノートPCをメインで使用している際はレンダリング用にもPCを用意していました。今も一応稼働していますが、レンダリングで使用する機会は減りました。

HP Z240SFF Workstation(中古)
価格151,200円(税込)
OS:Window 7 Pro 64bit→Windows 10 Pro 64bit
CPU:Intel(R) Xeon(R) CPU E3-1270 v5 @ 3.60GHz 3.60 GHz
メモリ:32.0 GB
GPU:NVIDIA Quadro K620
SSD:500GB
HDD:3.6TB


自宅PC3:ノートPC(過去使用)

ちなみに、その前はノートPCで仕事をしていました。スペックは以下の通りです。(購入は2015年なので参考にならないかもしれませんが)

HP Z Book15 mobile workstation(中古)
価格213,840円(税込)
OS:Window 7 Pro 64bit→Windows 10 Pro 64bit
CPU:インテル® Core™ i7-4800MQ プロセッサー
メモリ:16 GB(32 GBかも……!)
GPU:NVIDIA Quadro K2100M
HDD:500GB

このスペックでも仕事はなんとかなりましたが、デスクトップに比べるとやはり厳しいものがありました。(逆に言えば仕事はできる)


欲しいスペックと過剰スペック

では、どこまでが欲しいスペックで、どこからが過剰スペックと言えるのでしょうか?私の個人的な意見ですが、概ね以下のような感じです。

欲しいスペック

  • CPU:インテル® Core™ i7以上、Ryzen7以上

  • メモリ:32GB以上(本気で業務利用するなら最低64GB)

  • GPU:4GB以上

過剰スペック

  • CPU:Intel(R) Xeon(R) / AMD Ryzen Threadripper

  • メモリ:AEを使う以上メモリに過剰は無い……(128GB以上は過剰かも)

  • GPU:24GB以上(AEはGPUに左右される機能が少ないので、ただ3DCGソフト使うなら話は別)

  • CPUは最低限Core™ i7以上は欲しいです。Core™ i5でも作業自体はできると思いますが、ところどころ動作が重くストレスになるかもしれません。

  • メモリは仕事で使わないのであれば32GBで十分ですが、本格的に制作するなら64GBは確保したいところです。AEはメモリを大量に消費するため、64GBでもすぐに不足します。

  • GPUは過剰に必要ありません。AEはGPU依存の機能やエフェクトが少ないので、多少少なくても業務には支障ありません。ただし、3DCGソフトを使用するならある程度のスペックが必要です。

気になるお値段

最低スペックで良くて、モニター類を除きHDDも別途自分で増設するのであれば20万前後で収まると思います。と思ってましたが改めて調べ直したら20万どころか30万代がざらですね……学生さんはミドルクラスGPUのPCカスタムでメモリを増やすのが良いかもです。
自宅PC1はRyzen 9 3950Xが出たてだったので少しお値段高めになっています。(それでも30万以下に収まるのは凄い)


制作用PCを取り扱っているメーカー

HP

DELL

この二社は良いものを売ってますがやはり高い…30万、40万なんてざら。完全に業界向け。

ツクモ

自分も使っているツクモのクリエイターPC。ハイエンドGPUにすると値段バク上がりなので下記のミドルクラスのメモリ増設、GPU変更で30万以内に収めるのがベターかも。

懐に余裕が有るなら旭プロダクションさんモデルを買っておけば間違いは無いです。ちなみにモデルは違いますがライデンフィルムでもツクモのPCを導入しています。

マウスコンピューター

ここ最近マウスコンピューターも使われ始めた印象です。CloverWorksさんやMAPPAさんはマウスコンピューターを使用されているようです。

パソコン工房

ドスパラ

パソコン工房、ドスパラでもクリエイターPCを取り扱っています。導入した会社は聞いたことが無いのでまだ無いのかもしれませんがスペック的には同じ様なものが揃っています。

中古PC

新品にこだわらないのであれば中古PCを購入するというのも手です。中古品なのでカスタム出来ない場合が多いのと、希望するスペックが必ずしも在庫が有るとは限りませんが、低下よりも安く購入することが可能です。私の購入したPCの内2台はこちらのショップで購入しました。


最後に

この記事を書くにあたり改めてPCの価格を調べましたが値段がかなり上がっていて驚きました。GPUの価格高騰の影響はやはり大きいのかなと思います。仕事で使用する場合は妥協するわけには行かないので、ある程度のスペックを求めるべきですが、学生さんや業界外の方で手始めにクリエイター向けパソコンが欲しいと思っている人は、一度ハイエンドではなく、ミドルクラスPCのメモリ増設したものを購入して、スペックが足らなくなったらGPUを別途購入、乾燥が良いのかもしれません。

この記事が少しでも参考になれば幸いです!


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