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吸い初めのチェリー

ロード・オブ・ザ・タバカム エピソード1


大学に入ってまず驚いたのは、30人程の同級生のクラスに入って、いきなり、シガレットを吸い出した男がいたことだった。

山形から来た長南という奴で、彼は高校・大学に入るに当たり、1年ずつ、都合2年間、つまり、20歳に達していて、法を犯していたわけではなかった。

当時教室でシガレットを吸っても何も云われず、浪人して入学してきた同級生などから
「吸え」と渡されて馴染んでいる内に、19歳になった頃には、シガレットなしではいられぬようになっていた。

日本のものから外国のもの、それこそ、手当たり次第試した。そして、紅いパッケージの「チェリー」に落ち着いた。

あのなんとも言えない強い味、それがとても懐かしく、今一度、とても喫したく感ずる。

現在5月の初旬も終わろうとしている。桜=Cherryもそろそろ散りゆく候。

アルベール・カミュが主人公の映画をみた時、彼は吸い過ぎのせいか、仕切りに咳き込んでいた。

小説家などにも愛煙家が多数いたようで在るが、たばこと思考は近縁に想えてならぬ。

麻雀をしている時、思考を鈍らせるように働くと感じられる酒を飲みながら打っている他家を見ると信じられず、只管、シガレットを燻らしていた。

お陰で「字一色・小四喜」のダブルの役満を和了出来たと今だに想っている。

しかし、「タバコの臭いのシャツにそっと寄り添う」ような女性が未だに存在するのか否か。それが、「神の存在証明」などよりよっぽどの最重要課題に感じられてならない。

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