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BCGが読む経営の論点2023⑥:エネルギーサービスの変化に対して、2023年にとるべきアクションとは?

読書ノート(76日目)
さて、本日もこちらの本からです。

本書は、経営コンサルティング会社の
BCGが重要と考える10のトレンドを紹介。
また、未来を予測できない不確実な中でも
シナリオプランニングの手法で対応できる。
という内容です。

・BCGが重要と考える10の変化トレンド
 ①陸の移動の変化:EV普及による自動車産業の構造変化
 ②物流の変化:物流危機とデジタルサプライチェーン
 ③食の変化:食品・小売企業が主導する食糧システム変革
 ④医療の変化:ヘルスデータと医療システムの進化
 ⑤エネルギーサービスの変化
  カーボンニュートラルとエネルギー安全保障
 ⑥学びの在り方の変化:デジタル時代における企業/個人の学び
 ⑦通信と放送の変化:メディアの融合と分離
 ⑧決済の変化:ブロックチェーン、組み込み型金融、BaaSの進化
 ⑨都市空間の変化
  スマートシティをめぐる新たなプラットフォームエコシステム
 ⑩仮想空間の変化:メタバースを通じた新しい経済圏の台頭

今日はその5つ目である
エネルギーサービスの変化
 カーボンニュートラルとエネルギー安全保障
についてです。

・5つのクリーンエネルギーとは
 ①再生可能エネルギー発電(太陽光、風力など)
 ②①(および⑤原子力など)を基にした
  グリーン燃料(水素、アンモニアなど)
 ③計算上実質ゼロになる
  カーボンニュートラル燃料(バイオマスなど)
 ④一定程度CO2排出はあるが従来エネルギーよりも
  良いとみられるトランジション燃料(LNGなど)
 ⑤原子力

・①は十分な量/価格の供給が難しく、
 現実的には②~⑤でどう賄うかが重要
・その中でも③は大きな量が期待できず、
 ④は昨今のロシア・ウクライナ情勢から
 安定供給に疑問がある
・結論として、②グリーン燃料と⑤原子力
 に対する期待が高まっている

■日本企業として考える視点
 現状、トリレンマの状況にある
 (3つのうち2つしか選択できず、
  残り1つは諦めるしかない状況のこと)
 (a)クリーンエネルギーの量的確保
 (b)調達するエネルギーの質的担保
  (安全保障上の問題のなさや、
   人権/児童労働などSDGs的な問題のなさ、など)
 (c)経済性を確保する上での調達価格の担保
・基本的には(a)量的担保が最優先されるが、
 途上国からの確保の場合は質的担保が大きな問題になりえる

■クリーンエネルギー確保のための必要な5つのステップ
 A:現状を可視化する
 B:必要量の削減
 C:安定的な入手手段の確保
 D:確保しやすい地域への拠点の再配置の検討
 E:リスク管理の高度化

■2023年にとるべきアクション
①安易な考え方からの脱却
 グリーン電力証書を買うにも量的に限りはあると認識し、
 電力会社任せにせず自社でどう取組むかを考えるべき
②クリーンエネルギーを戦略リソースとして位置づける
 クリーンエネルギーは資金や人材と同様に希少な資源。
 カーボンニュートラル素材の確保はますます困難になる。
 場合によってはCEO直属にCCO(Chief Clean resoure Officer)
 を置くぐらい重視する必要がある
・例えばアップルは、CEO直属の副社長に
 元アメリカ環境保護庁長官(リサ・ジャクソン氏)が着任
③自社ならではのシナリオの作成
 主要な出来事について、発生確度と発生した際の
 自社へのインパクトの大きさに基づきシナリオを作成する
 ※国際機関IEAが提供するシナリオを材料にしたり
   「BCGカーボンニュートラル実践経営」も参考になる
④リスク管理の仕組みの確立
 シナリオ作成に加えて、リスク管理の仕組みを整えることが重要
⑤継続的な自社のクリーンエネルギー確保手段の見直し
 クリーンエネルギー確保のための5つのステップのうち
 A~Dについて継続的に見直しを行うことが必要

・日本企業にとって、受け身ではなく主体的に動くことが求められる
 国に頼るだけではなく、企業独自に考える視点も求められる
・いずれにせよ、まず始めるという第一フェーズが終了し
 企業として本格的に取組むための素地を固める
 第二フェーズに移行していることを理解しなければいけない

クリーンエネルギーや
カーボンニュートラルは
いまや見聞きしない日がないほど
大注目のテーマです。

そして、今回のBCGの提唱する
メインメッセージは
世界中で希少な資源は争奪戦になる
だから、その確保のために有効な
5つのステップを実践するべし!
といったところでしょうか。

そういえば、先日に投稿した
「食の変化」の章でも
グリーンプロジェクトの植林活動のための
苗木不足が深刻化し、争奪戦になっている
ということを紹介しましたが、
サステナビリティ目標の達成に必要な資源が
さまざまな分野で不足していく…
そんな将来が予見できそうです。

ということで、今日はこの辺で。
良い週末をお過ごしくださいー!😉✨

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