ハラスメントは自分だけの問題ではない
「仕事がはやい!すばらしい!」
そんなラインがハラスメント上司から送られてきた。
どういう風の吹き回しだろうか。
これぽっちも真摯に受けいれられず、返信する言葉も思いつかなかったので、既読スルーを決め込んだ。
そういやぁ、ここ1週間ほどハラスメント上司には怒られていない。無理しているのか、何か言いたいのをずっと堪えているようにも見える。
私はそんな時でも油断しない事に決めている。
少し優しさを見せられて、心を許したりもするのだが、たいてい2-3日後にはいつものハラスメント上司に戻る。
本当、二重人格なのかと思うぐらい、毎日感情の起伏が激しい。
何度も、「自分の為に厳しい指導をしてくれている。これは耐えないといけない試練だ。」と何度も自分に言い聞かせてきた。
でも、耐える以前にメンタルが持たないと思った。人格をえぐるような指導なんてあるはずもない。自分が受けているのはハラスメントなんだと、ある日気付いた。
幸いにも、私の周りには相談に乗ってくれたり、助けてくれる仲間がいた。
その事が何より嬉しかった。
これまでの人生で、悩みを周りに打ち明ける事なんてほとんどなかった。家族にさえ。
でも、ハラスメントを受けてメンタルが壊れそうになって、周囲に相談するした事で、メンタルが楽になりはじめた。
私がハラスメントを受けているという話は、社内で知らぬ間にドンドン広がっていた。
それはとても怖かった。ハラスメント上司にその事が知れてしまったら、今より圧力が強まるんじゃないか。嫌がらせされるんじゃないか。
そっとしてほしかった。
ただ、話を聴いてくれるだけでいいのに。
余計な事までしないでくれと。
でも今、周りがハラスメント撲滅の為に少しずつ動き出そうとしてくれている。
「自分だけがしんどい想いをしている」そんな被害者妄想にも陥っていたが、同じようにハラスメントで悩んでいる人も多かった。
こうやって、小さいながらも声をあげるって事は大事なんだと思った。
ハラスメントによって奪われるのは、「自分らしさ」だ。
本来その人が持っている「自分らしさ」が出せなくなってしまう。
なんで、他人に奪われないといけないんだろうか。
ハラスメントは決して許してはいけない。
同じような想いを後輩にさせたくない。
ハラスメント問題は気付けば社内全体の問題になりつつある。
でも、これを乗り越えられれば、個人的にも会社的にも明るい未来が見えてくるはずだ。
上司の機嫌に左右されずに、前に少しずつ進んでいこうと思う。
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