昇進試験
お昼休憩明けの眠気がさそってくる14時頃。
モラハラ上司から突如呼び出された。
広い会議室で2人きりの空間。
これまで幾度となく過ごした2人だけの空間。
会話のキャッチボールはほぼ成立せずに、ひたすら上司から投げられる癖の強い
変化球をキャッチしそこねていた。
私からの返球はなく、常に上司から新しいボールが飛んでくるようなキャッチボールだ。
そんなキャッチボールもいまや慣れっこ。
今日はどんな変化球を投げてくるんだろう。
そんな感じで何故か楽しんでいる自分もいた。
そんな中、上司からは久しぶりのど真ん中のストレートが飛んでくる。
「昇進試験の推薦あげるわ。受けるか?」と。
自分の中では全く予期していなかったこと。
上司からは褒められることなんて、ほぼなかった1年。上司の思い通りにならなければキレられ、そんな上司をみて距離を置こうとする私。
一切交わることがなかった。
そんな上司が私を認めているなんて、全く思えない。
一応、推薦をあげた理由を教えてもらったが、全く理解ができなかった。
なんか、「俺の元で1年間頑張ってきたのも成果」とか言い出す始末。
どう考えても、自分が評価されているという実感が持てない。
私は「少し考えさせてください」と伝えた。
でも、上司は「俺の善意を」と言わんばかりに圧を掛けてくる。
いつだってそう。答えは上司の中で既に決まっている。今回だって、私の気持ちなんて考えちゃいない。「俺に恥をかかすな」遠回しにそう言っているのだ。
結局は私の結論はまだ出ていない。
1番モヤモヤするのは、主導権が自分にないということ。私にも考えや言い分がある。
でも、それを何も聴かずに一方的に押し付けてくるのが嫌でも堪らない。
本当どこまでいっても、この上司とは理解しあえないというのが分かった。
でも、試験。どうしよう。
受けることでのデメリットはないし。久しぶりの刺激になるのは間違いない。
まぁ、上司も色々考えての推薦だ。
私ももう少し真剣に考えてみよう。
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