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プライシングの重要性を示す3つのデータ

いくつかの記事でプライシングの重要性についてデータが示されていますが、ほとんどのデータは以下の文献が出典元になっています。
The Anatomy of SaaS PRICING STRATEGY

ここでは同記事からプライシングの重要性に関するデータを引用にてご紹介します。すべてのチャートは同記事からの引用ですのでご了承ください。

①価格改定が最も利益率改善に影響する

以下のチャートは、512社を対象とした調査において、新規顧客獲得(Acquisition)、顧客維持(Retention)、収益化(Monetization)の3つのドライバーがそれぞれ利益向上にどの程度寄与するかを調べたものです。収益化はプライシングと読み替えていただいて差し支えありません。

この調査によると、収益化(プライシング)を1%改善すると利益率は12.7%改善することが示されています。これは顧客獲得の改善効果の4倍、リテンション改善の2倍の効果であり、プライシングの見直しが以下に利益貢献につながるかを示しています。

②価格改定頻度が高いほどユニットエコノミクスが高い

次のデータは、ARR5万ドル以上のSaaS企業96社を対象とした調査です。

このデータが示すのは、以下3つのセグメントそれぞれのユニットエコノミクスの平均値です。

  • プライシングを見直す機能がない企業の平均値:1.68

  • 年に一度見直している企業の平均値:3.23

  • 継続的に見直している企業の平均値:11.09

価格改定は上述の顧客獲得の効率性と、顧客維持の可能性の両方に影響を及ぼすことは明白です。顧客獲得の効率性はCACで示され、顧客維持の可能性はLTVで示されるため、価格改定を効果的に行なうことがユニットエコノミクスに好影響を及ぼすことは想像できますね。

これを別の視点で見たものが次のチャートです。

③価格改定頻度が高いほどペイバックピリオドが短い

継続的に価格改定を行っている企業群は5ヶ月弱でCACを回収し、利益創出に転じている一方、価格改定を行わない企業群は12ヶ月経ってもCACを回収できていないことがわかります。

これまでご紹介したとおり、価格改定が利益率に与えるインパクトの大きさ、ユニットエコノミクスやペイバックピリオドの改善への貢献度の大きさを見ていただければ、価格改定を継続的に実施することの重要性をご理解いただけたのではないでしょうか。

次回からプライシングの方法論に入っていきたいと思います(更新日は未定です)。

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