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同調性バイアス(心理的傾向を意味)

今回目標達成に関する分は最後の投稿になります。多くの方にお目通しいただいて本当にありがとうございます。少しでもお役に立てていればなと思う次第です。
それでは話を始めたいと思います。

お客さまがロにする「2つの不思議な言葉」

「せっかくだから」

「そこまで言うなら」
の2つです。具体的に書くと、
「せっかくだから、 いただこうか」
「そこまで言うなら、ひとつ頼むよ」
でしょうか。
いずれも営業や販売員に何か言われた後、
お客さまがその気になった、
断れなくなったケースをあらわしています。
私が研修をしていて非常に困るのが、
多くのセールスパーソンが、

お客さまが商品を購入する理由

お客さまが商品を購入しない理由

を正しくとらえていないことです。

**お客さまのニーズに合った提案をすれば必ず売れると思い込んでいる人がいます。 **

売れなければ、
ニーズをとらえていないか、
お客様のニーズに合った商品を取り扱っていないかのどちらかだと考えてしまい、

お客さまをどう 「感化」 させるかについての発想がないのです。

お客さまは営業から熱心に情報提供されることで、折角だからとその労力を買ってくれたり、営業の押しの強さ情熱に負けてそこまで言うならと白旗をあげてくれたりするものです。

つまり最初はニーズがなかったのに営業の努力によって 新たなニーズが作られることがあるのです。

「すみません強引に売り込んでしまって」

「いいよ、いいよ。実は前から欲しかったんだ。 気にすることはない」

このように本当は前から欲しかったわけでもないのに、後付けで
「前から欲しかったんだ」
と言ってくれるケースがあるのです。
「君の押しの強さに負けた」
などとは言いません。

このような心理象を

「同調性バイアス」と呼びます。

「同調性」というののは「協調性」とは考干異なります。
「 協調性」というのは意識的な意決定や行動を指しています。
チームや結織に貢献するため、
意識して厳調していこうという変勢です。

しかし同調性はどちらかというと 『無意識』

**知らぬ間に誰かの影響を受けて同調してしまうということです。 **

無意識的な意志決定ですので 「認知バイアス」 の一つに挙げられます。

この 「同調性バイアス」 が強く働く人は、
初対面の人。
もしくは信頼できる相手かどうかわからない人からでも、
もっともらしい話を聞いただけで同調します。 たとえば、 トヨタ自動車の 「フィット」という車が目当てでディーラーへ行ったお客さまがいたとします。
すると営業から次のように言われました。
「当店が扱っているトヨタ車で、
最近もっとも支持されているのがコチラ。
『ハリヤー』です。
お客さまの世代の方々なら、
ほとんどの方がご購入を検討されるのではないでしょうか。
それほど人気の高い車です」

このように営業に言われ、
「そう言われてみると確かにいいかも。
そもそも前からハリヤーには注目していた」と感化されるかもしれません。
少しでも 「心が動いた」という表情をお客さまがすれば、 営業は攻勢をかけてくるでしょう。 熱心にハリヤーの良さを事細かに説明します。
するとお客さまは、
「せっかくだから試乗ぐらいはしてみようか」 「そこまで言うなら検討してみようか」
と思うかもしれません。

営業の言うことにどこまで感化されるかは、 「同調性バイアス」のレベルに左右されます。

この同調性バイアスをレベル別で「2·6·2」 に分解し、 わかりやすく表現してみます。

なお「2.6.2の法則」とは、
組織は 「20%のできる人」
「60%の普通の人」
「20%の物足りない人」
に構成されやすいとした法則から来ています。この法則をお客さまにも当てはめて考えます。
今回は
「自燃人」
「可燃人」
「不燃人」 に分けました。
(以下参考)
「自燃人(じねんじん)」
… 自分で勝手に燃えている人

「可燃人(かねんじん)」
…火をつけられると燃えることができる人

「不燃人(ふねんじん)」
…なかなか燃えない人

今回はお客さまでの分類ですので、
最後を「人」ではなく「客」にしてみました。

「自燃客(じねんきゃく)」
…誰にでもすぐ感化され購買欲を燃やすお客さま

「可燃客(かねんきゃく)」
…信頼できる相手になら感化され購買欲を燃やすお客さま

「不燃客(ふねんきゃく)」
…他人に感化されて購買欲を燃やさないお客さま

営業のトークに論理性真実性が欠けていたとしても自燃客は同調性バイアスにかかりやすいため、
「とても魅力的」
「多くの人が支持している」
「特にあなたの世代が」 など
と言われるとすぐに感化されてしまいます。
しかも自然客が影響を受けるのは相手にかかわらずですから、チラシやホームページに書いてあったキャッチコピーだけでその気になってしまいます。

可燃客なら、信頼できる相手でない限り
「せっかくだから」
「そこまで言うなら」
といつ発言はしないでしょう。
営業が何度も足を運び、
お客さまと関係を構築しようとするのは、
このせいです。
営業は相手との信頼関係を構築し、
まずは聞く耳を持ってくれるような間柄を目指さなければなりません。
可燃客は、 何度もお会いして営業の人間性を何となくでもいいので知り「しっくり」くる関係になってからでないと「同調性バイアス」にはかからないからです。

いっぽう、どんな相手からであろうと、
「同調性バイアス」にかかりにくいお客さまもいます。
自分で決めたことは曲げない人です。
「お子さまがお二人いるのなら、 『ポルテ』や『ラクティス』などはいかがでしょうか?」
「いえ、『86』に決めてますから」
「それでは、オーディオはどういたしましょうか。6スピーカーのタイプなどは……」
「オーディオレスでお願いします」
「アルミホイールなどは …」
「それも必要ありません。 自分で手を加えますから」
まさに典型的な「聞く耳を持たない」人です。 スーパーへ行くときも、事前に買い物リストを準備しリストに書いたもの以外は買いません。 お世話になっている人から勧められても、
それが今の自分に必要なものか論理的に意思決定しようとします。
これが 「不燃客」です。
とはいえ不燃客も 「せっかくだから」
「そこまで言うなら」 を使うときがあります。
相手との人間関係を壊さないほうが将来のためになる等、
戦略的、打算的な意思決定をするときです。

いずれにしても、 そのような意識的な状況判断は 「認知バイアス」にかかっているとは言いませんから、 やはり不燃客は厄介なお客さまと言えるでしょう。
まとめると、こうなります。

相手のニーズとそれほどかけ離れていないのなら20パーセントの確率で、 訴求ポイントを正しく伝え情熱や押しの強さを前面に出せば、
相手はその気になってくれるでしょう。
20パーセントは 「自燃客」 だからです。
しかし大多数 (60パーセント)の
「可燃客」には通用しません。
信頼を持たれるような対応を日々心掛けることで「同調性バイアス」にかかりやすくすることができます。
後の20パーセントは 「不燃客」です。
「不燃客」は本人が必要だと感じれば、
購買欲が湧き上がりますが、
そうでなければ他人にどう言われようと感化されません。
お客さまが 「不燃客」 だと判断したら、
営業は割り切った付き合いをしたほうが良いでしょう。

ちなみに心変わりのスピードが速いのも
「自燃客」
「可燃客」
「不燃客」の順番です。
営業の言うことに感化され、
その気になっても、
他の人からたしなめられたら、
「同調性バイアス」にかかりやすい「自燃客」 ほどすぐに気持ちが冷えます。
反対に「不燃客」は他人から影響を受けにくいため周囲に反対されても購買欲が萎えることはありません。
ということは、営業が気を使わなければならないのは以下の3つです。

「自燃客」
…強く、スピーディな対応(即決OK)

「可燃客」
…程よく継続的な対応
(挨拶状、多回数訪問、お礼状)

「不燃客」
…能動的な対応は控える
(相手から何か言われない限り)

お客さまのニーズを研究し、
話法を考えたり、
商品提案をするスキルを磨くのはとても重要なことです。
しかしお客さまのタイプによって対応を変えることを忘れてはいけません。
最近、頭でっかちな営業活動をしている人が多く見られます。
ぜひ 「同調性バイアス」 を意識してお客さまに接してみてください。

絶対達成!!

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